弘仁寺(こうにんじ)・奈良県奈良市虚空蔵町
奈良県奈良市虚空蔵町にある、高野山真言宗の寺院「弘仁寺(こうにんじ)」です。
海抜180メートルの小高い山の中腹に本堂を中心に寺堂が建ち並んでいます。
弘仁5年(814年)嵯峨天皇の勅願により、弘法大師が創建との伝承があります。
また、創建前の807年に、この地に明星が隕ちたことから、
空海が神聖な土地として寺を建立したとも伝えられています。
本尊は木造虚空蔵菩薩。空海自ら彫った虚空蔵菩薩像を本尊として安置したと伝えられます。
通称「高樋の虚空蔵さん」と呼ばれる寺院で、
毎年4月13日に行われる「十三日詣り」で有名です。
寺名は弘仁年間に創建されたことから「弘仁寺」と名付けられました。
室町時代に松永久秀の兵火により、大部分が焼失し、
現在の本官は寛永6年(1629)僧宗全により再建されました。
木造明星菩薩立像〔重文〕は現在奈良国立博物館に寄託中。十三詣(4月13日)で有名です。
施設名 寺弘仁寺 所在地 奈良エリア〒630-8412 奈良市虚空蔵町46 TEL 0742-62-9303 URL http://www.kouninji.org/ 宗派 高野山真言宗 拝観時間 09:00~17:00 休日 無し 拝観料 入山料…200円
拝観料…400円
寺務所・庫裡
弘仁寺 略縁起
弘仁寺の創建に関しては二つの物語が伝わっています。一説には、嵯峨天皇の夢に、老人があらわれて 「奈良の南に霊山がある。もろもろの仏があらわれて、お経の声がたえない。ここに寺をたてて、衆生を利益されたい。」と 申された。夢から目覚めた嵯峨天皇がその地を 探されたところ、現在の虚空蔵山にあたる場所がわかり、お喜びになった嵯峨天皇が建立された(815年創建)という物語。 他説には、虚空蔵山に流星が落ちるのを見た弘法大師が霊山として開基した(807年創建)という物語。もとより1200年を経た 現在となっては、確かめるすべはありませんが、弘仁寺は平安初期に創建された寺院であります。
中世には、華厳宗(総本山 東大寺)の寺院であった時期があり、東大寺の書物に弘仁寺の記述が見られます。 その当時の弘仁寺は、多くの堂宇が立ち並ぶ修業道場であったようです。
戦国時代には、松永久秀の兵火により伽藍の大部分が焼失してしまいました(1572年)が、江戸時代に 宗全によって再興されました(1629年)。現在の建物はその当時のものです。 一時、戦災により荒廃した時期もありましたが、平安時代初期から現在に至るまで、法灯を守り続けております。弘仁寺H.Pより
弘仁寺 本堂
弘仁寺の文化財
虚空蔵菩薩 伝 弘法大師の作
四天王像 平安時代作・鎌倉時代作(重要文化)
子安観音像 室町時代作
天部立象 伝 弘法大師作・ケヤキの一木造り
十一面観音像 室町時代作
大日如来像 伝 仏師 運慶作
不動明王像 江戸時代 南都宿院仏師源次 作
役行者象 製作年代不詳
明星天子像 平安時代作(重要文化財)*奈良国立博物館貯蔵
弘法大師画像 南北朝時代作*奈良国立博物館貯蔵
小野篁画像 室町時代作*奈良国立博物館貯蔵
釈迦十六弟子像 朝鮮李朝の作*奈良国立博物館貯蔵
梵字形不動明王画像 覚鑁上人筆
算額
額(さんがく)とは、江戸時代の日本で、額や絵馬に数学の問題や解法を記して、 神社や仏閣に奉納された額の事です。当寺の本尊である虚空蔵菩薩が 智恵や知識、記憶といった面での利益をもたらす菩薩として信仰されていた影響でしょうか…..、 当寺には2つの算額があり、いずれも奈良市指定有形民俗文化財に指定されています。 弘仁寺H.Pより
明星堂
本堂の隣にある「明星堂」
奥の院(不動尊)
奥の院の閼伽井戸は、弘法大師が三鈷杵で掘られたと伝わる場所です。
閼伽井戸の水は特に眼病に効果があり、
またその他の諸病にも効果があるとの伝承があります。