ダイアモンドトレール ・金剛山地 縦走
「ダイアモンドトレイル」を歩いて来ました。
ダイヤモンドトレール(通称 ダイトレ)とは、金剛葛城山系の稜線を縦走する
長距離自然歩道で、奈良県香芝市の屯鶴峯から、二上山・大和葛城山・金剛山・岩湧山・
大阪府和泉市の槇尾山を結ぶコース。全長は約45kmに及びます。
全コース(ダイトレフル)を歩きたかったのですが、移動が難しく断念。
今回は、二上山駅近くの上ノ池横登山口から二上山へ登り、
岩谷峠から南紀紀見峠駅までは大会ルート(上級)を歩きました。
二上山(にじょうさん)
標高 雄岳(517m)・雌岳(473.9m) | 登山日 2024年5月17日 |
三等三角点(女岳) | |
所在地 大阪府南河内郡太子町・奈良県葛城市 |
竹内山(たけうちやま)
標高 402.7m | 登山日 2024年5月17日 |
四等三角点(竹内山) | |
所在地 大阪府南河内郡太子町・奈良県葛城市 |
万才山(ばんざいやま)
標高 472.9m | 登山日 2024年5月17日 |
四等三角点(万才山) | |
所在地 大阪府南河内郡河南町平石・奈良県葛城市 |
岩橋山(いわはしやま)
標高 658.6m | 登山日 2024年5月17日 |
三等三角点(葛城山1) | |
所在地 大阪府南河内郡河南町・奈良県葛城市兵家 |
大和葛城山(やまとかつらぎさん)
標高 958.55m | 登山日 2024年5月17日 |
二等三角点(篠峰山) | |
所在地 大阪府南河内郡千早赤阪村水分・奈良県御所市櫛羅 |
金剛山(こんごうさん)
標高 1125m | 登山日 2024年5月17日 |
金剛山地の主峰 山頂に葛木神社 | |
所在地 奈良県御所市高天・大阪府南河内郡千早赤阪村千早 |
湧出山(わくでやま)
標高 1111.89m | 登山日 2024年5月17日 |
一等三角点(金剛山)・葛城二十八宿 第21経塚 | |
所在地 奈良県御所市高天・大阪府南河内郡千早赤阪村千早 |
中葛城山(なかやまとかつらぎさん)
標高 937m | 登山日 2024年5月17日 |
山頂近くに三等三角点(北山) | |
所在地 大阪府南河内郡河南町平石・奈良県五條市北山町 |
高谷山(たかたにさん)
標高 934.8m | 登山日 2024年5月17日 |
ダイアモンドトレイルルート上のピーク | |
所在地 大阪府南河内郡河南町平石・奈良県五條市北山町 |
神福山(じんぷくさん)
標高 792m | 登山日 2024年5月17日 |
大阪50山・奈良百遊山・笹尾塞跡 | |
所在地 大阪府河内長野市石見川・奈良県五條市北山町 |
ダンボ山(だんぼやま)
標高 763m | 登山日 2024年5月17日 |
ダイアモンドトレイルルート上のピーク | |
所在地 和歌山県橋本市境原・大阪府河内長野市石見川 |
難易度 ★★ オススメ ★★★ | 登山口(ナビ検索) 八重河内城跡 |
スタート地点(3:20)→上ノ池横登山口(3:21)→ 葛城経塚二十八宿(第26番) (4:03)→二上山(4:05)→馬の背(4:13)→二上山 雌岳(4:18)→岩屋(4:30)→二上山万葉の森駐車場(4:39)→竹内山(5:03)→平石峠(5:23)→万才山(5:31)→ベンチ(5:36)→岩橋山(5:53)→岩橋峠(5:58)→久保辻(6:16)→持尾辻(6:24)→持尾辻バイオトイレ(6:33)→山麓公園分岐(6:46)→中ノ道分岐(6:56)→ダイトレ・北尾根分岐 (7:07)→ダイトレ弘川道合流点(7:19)→葛城高原キャンプ場(7:24)→大和葛城山(7:29)→葛城高原ロッジ(7:35)→パラグライダー広場(7:46)→水越峠(8:14)→金剛の水(8:36)→カヤンボ(8:41)→旧パノラマ台(8:53)→朝原寺道分岐(8:59)→高天・橋本院分岐(9:09)→郵便道分岐(9:27)→一の鳥居(9:32)→金剛山(9:36)→金剛山山頂トイレ(9:41)→転法輪寺(9:50)→金剛山(9:53)→一の鳥居(9:57)→大阪府最高地点(10:08)→ちはや園地ピクニック広場(10:13)→伏見峠(10:18)→久留野峠(10:36)→高谷山(10:59)→千早峠(11:13)→神福山(11:23)→金剛トンネル上(11:29)→大沢塞(11:34)→行者杉(11:39)→杉尾峠(11:53)→タンボ山山名標(12:04)→タンボ山(12:11)→西ノ行者(12:21)→ブンタ谷分岐(12:27)→林道終点(12:38)→紀見峠(12:49)→紀伊見荘(13:03)→ゴール地点(13:07) 所要時間 9時間34分 累積標高 2493m / 2397m 距離 35.7m | |
■ ■ |
二上山上ノ池横登山口
二上山駅からほど近い「二上山上ノ池横登山口」よりスタート。
巨大な配水タンクの左右には駐車スペースが5~6台程度あります。
ここから整備された登山道で、二上山(雄岳)の山頂へ。
二上山 雄岳(517m)
山頂には葛木二上神社・大津皇子の墓 等があります。
葛木二上神社 (かつらぎふたかみじんじゃ)は、
山麓の葛木文天羽雷命神社に相殿神として大国魂命が祀られており、
元は一体の神社であったと考えられています。
後世に社殿を山頂に造営したとも伝えられていますが、
沿革は定かではなく、諸説あるようです。
また、大津皇子は天武天皇の第3皇子に生まれましたが、
あまりに勇敢で聡明な資質のために24歳で謀反の罪をきせられ死罪となりました。
宮内庁により二上山雄岳山頂ある「二上山墓(ふたかみやまのはか)」に治定されています。
二上山 雌岳(473.9m)
三等三角点(女岳)
二上山(雌岳)の山頂には、日時計や各種碑が置かれています。
山頂からは奈良県側の展望が良いです。
大阪府側は木々に覆われているが、山頂の少し下からは街並みを望むことも出来ます。
ベンチが設置された広い山頂で、南側の竹ノ内街道の駐車場から容易に上れるためか、
雄岳よりも登山者で賑わうといいます。
大阪の夜景
二上山より先、岩谷峠(359m)からは大会ルート通りに歩きました。
一度、二上山登山口(万葉の森)まで下ります。
登山口から林道へ入り、調整池の横を通って再び尾根まで登り返します。
竹内山(402.7m) 四等三角点(竹内山)
所々にダイアモンドトレールの碑が建っています
万才山(472.9m) 四等三角点(万才山)
岩橋山(658.6m) 三等三角点(葛城山1)
山腹には、久米の岩橋をはじめとする巨石や奇石が点在しています。
「久米の岩橋」は、役行者が葛城の神に命じて、葛城山から吉野金峰山へかけさせた
といわれる岩橋で、その一部分がこの山中に残された、という伝説があります。
河南町 平石の公衆トイレ
今回歩いたダイアモンドトレイル上には公衆トイレが下記の八か所設置されています。
「二上山馬ノ背」「二上山万葉の森」「平石」「大和葛城山」「青崩」
「金剛山」「府民の森ちはや園地」「紀見峠」
葛城山が近づいて来ると、
ダイトレ名物の階段地獄が始まります。
白樺食堂
奈良県御所市の葛城登山口駅から、葛城山上駅までを結ぶ
「葛城山ロープウェイ(葛城索道線)」があり、10分程度で山頂に立つことが出来ます。
山頂付近には、近鉄グループの金剛葛城観光開発が経営する国民宿舎
「葛城高原ロッジ」が設けられていて、宿泊施設や飲食店の他、
日帰り入浴施設やキャンプ場があります。
大和葛城山(958.55m) 二等三角点(篠峰山)
大和葛城山は大阪府最高峰で、日本三百名山にも選定されています。
かつては金剛山を含む金剛山地一帯を総称して葛城山と呼んだそうです。
大和葛城山は、大和国では「戒那山(かいなさん)・天神山・鴨山」などと呼ばれ、
河内国では「篠峰(しのがみね)」と呼ばれていました。
金剛山とツツジ
また、山頂付近は「葛城高原」と呼ばれています。
山頂の南側にはツツジの群生地があり、開花時期には多くの観光客が訪れます。
例年は5月上旬から咲き始め中旬に見頃を迎えます。
訪れた日は、少し見頃は過ぎていましたが、それでも素晴らしい光景でした。
以前の葛城山の山頂付近は笹で覆われていましたが、1970年頃に笹が花を咲かせた後、
一斉に枯れました。現在のツツジはその跡に自然に生えてきたものだといいます。
笹の自生力は大変強いため、ツツジを維持するため毎年2回笹刈りを行っているそうです。
せっかくなのでツツジ園にも寄り道、想像以上の素晴らしさでした。
ヤマツツジを中心に、コバノミツバツツジ・ミヤコツツジ・レンゲツツジ・
モチツツジなどが群生しています。
葛城山から水越峠(516m)まで下ります。
金剛山までは本ルート上一番の登り返しが待っています。
ここからは葛城山・金剛山のどちらにも登れるため、
この日一番多くの登山者とスライドしました。
信仰の山 金剛山
江戸時代に寄進された町石が建っています。
木々の間から先ほどまで居た葛城山の展望。
ツツジ園のピンクが見えます。
郵便道分岐
以前一度来たことのある金剛山ですが、前回はここから登りました。
この後は見覚えのある道が続きます。
一の鳥居
史跡 金剛山
金剛山は海抜千百廿五米葛城山脈中の最高峯たり。
頂上付近一帯に役小角の開きし転法輪寺の址を存し、法起菩薩を祀れる修験道の霊場として夙に著名なり。
今絶頂に葛木神社を奉祀し、転法輪寺を再建す。その西北方平坦にて展望よき処所謂國見城跡なり。
元弘二年、楠木正成再び義兵を起すや、その詰城千早城の背面防禦《ぼうぎょ》の地たり。
北条氏の大軍分かれて三方より楠木城に迫るや、その大和口に当れるは蓋しこの山なるべし。
案内板より
葛木神社
葛木神社本殿の裏の「葛木岳(かつらぎたけ)」が金剛山の本来の山頂とされています。
この場所は神域となっているため立ち入ることは出来ません。
明治時代以降に書かれた葛木神社の由緒によると、
崇神天皇の時代にこの地に祠を祀ったのが葛木神社の創建とされています。
また、古事記や日本書紀では雄略天皇が狩りをした際に
葛木一言主大神がこの地に出現したとされています。
葛木神社
鎮座地
奈良県御所市高天字金剛山476ご祭神
主神
一言主大神
配祀
大山祇命 豊宇気比売命 玉依姫命
健角命 素盞嗚命 大国主命
少彦名命 建御名方命 後醍醐天皇
護良親王 楠正成 楠正行
葛木神社 由緒
日本の名峰金剛山は、大阪、奈良、和歌山に跨る
金剛生駒紀泉国定公園の最高峰であって、海抜一・一二五メートルあります。
古来高天《たかま》山とも呼ばれ、神武天皇大和平定の際、
葛《かつら》(くず)の網をきせて土賊を掩《おおい》殺せられてから
葛城という名がついたと言われています。
「人皇第十代崇神天皇戌寅七年 御造営神戸祠を附し給う。」とあり、
神社の創始は約二千年前の崇神天皇の御代で事代主を奉祀していました。
後の古事記・日本書紀に人皇第二十一代雄略天皇が金剛山に御狩に登山された時、
葛木一言主神が御出現され、
「善きことも一言、悪しき事も一言のたまえばかなう神一言主である」と宣言され、
葛木一言主を奉祀し、一言だけ願いをすれば叶う神として有名になりました。
又、日本で初めて手を拍って物を受け渡しされた故事により、
柏手の元祖、一言恵比須とも言われ、商売繁盛の神とも称せられます。主祭神 葛木一言主大神
福祭神 大楠公、後醍醐天皇、その他
社 殿 関西では珍しい大社造案内板より
転法輪寺
転法輪寺(てんぽうりんじ)
転法輪寺(てんぽうりんじ)は奈良県御所市高天にある
真言宗醍醐派の大本山の寺院。葛城修験道の根本道場でもある。由来
修験道の開祖とされる役小角が16歳のとき金剛山に登って
苦修練行を重ねた結果、天智天皇4年(665年)祖神一言主大神を鎮守とし、
法起大菩薩を祀る金剛山寺(転法輪寺)を建立して
神仏習合の霊山としたのが開創と伝承される。
奈良時代より明治維新に至るまで修験道七高山の1つに数えられ、
歴代天皇の勅願所として五堂七宇の殿堂輪煥の美を誇った。
行基、鑑真、最澄も来山し、聖宝も修行したと記録される。
鎌倉時代の末、楠木正成がわずか5百の兵で金剛山中腹に築いた
山城(やまじろ)の千早城に戦陣を張って、
鎌倉幕府が派遣した総勢5万といわれた関東の軍勢を寄せ付けなかったのは、
金剛山寺(転法輪寺)の修験勢力の支援が大きかったと伝わる。
続いて転法輪寺へ
役行者が修行していたときに感得した「法起菩薩」を祀るために建てられた寺院
との伝承があります。鎮守として「一言主神」が祀られています。
金剛山(1125m)
金剛山は高尾山に次ぐ、全国二位の登頂数を誇る山です。
他の山ではあまりみられない珍しい登山回数の記録システムがあり、
回数カードを購入すれば、登山毎に山頂で回数スタンプを捺印してもらえます。
来た道を一の鳥居まで戻り、再びダイアモンドトレイルを歩きます。
「葛城二十八宿」役行者は葛城山系の二十八カ所に、
二十八章ある法華経の各章を納めて経塚としたという伝説があります。
金剛山には、一等三角点のある湧出岳に、法華経の二十一章目にあたる「如来神力品」
を納めたと伝わる経塚があります。
湧出岳(1111.89m) 一等三角点(金剛山)
ルートから外れて三角点峰へ寄り道、
背後には先ほどの経塚「葛城二十八宿」もあります。
中葛城山(937m)
金剛山を過ぎると、静かな山歩きになります。
和歌山方面の展望
高谷山(934.8m)
千早峠(784m)
神福山(792m)
神福山(じんぷくさん)は、大阪50山と奈良百遊山に指定されています。
山頂には笹尾神社の祠があり、南北朝時代に楠木正成が築いたとされる笹尾塞跡も残ります。
金剛トンネル(692m)
行者杉(715.5m)
行者杉の前には祠、展望地の前には休憩スペースもあります。
ダンボ山(763m)
杉尾峠まで下り、ダンボ山への登り返し、
県境も大阪・和歌山となります。
西ノ行者堂(733m)
山ノ神(450m)
山ノ神と呼ばれるポイントまで下ってきました。
ここからは紀見峠まで林道歩きとなります。
紀見峠
民家を抜けて南紀紀見峠駅へ、3度乗り換えて二上山駅まで戻り終了です。
南海高野線 (紀見峠〜河内長野 ¥290-)
近鉄長野線 (河内長野〜古市 ¥360-)
近鉄南大阪線(古市~二上山駅 \300-)