出雲国一宮 熊野大社(くまのたいしゃ)・島根県松江市八雲町熊野




出雲国一宮 熊野大社(くまのたいしゃ)・島根県松江市八雲町熊野

島根県松江市八雲町熊野にある「熊野大社(くまのたいしゃ)

延喜式では式内社(名神大社)にして出雲国一宮、旧社格は国幣大社です。

古代には天狗山(標高610.4m)の山頂に鎮座したという古社。

天狗山は古来、熊成峯(くまなしのみね=熊野山)と呼ばれた山。

古くは出雲国一之宮として出雲大社以上に崇敬を集めました

熊野村(現・松江市八雲町熊野)の里人が紀伊国に移住の際

分霊を勧請したのが熊野本宮大社の創始とも伝わります。

主祭神は素盞鳴尊(すさのおのみこと)ですが、平安時代編纂の『延喜式神名帳』には、

熊野大神櫛御気野命(くまのおおかみくしみけぬのみこと=素戔嗚尊の別神名)

と記されています。

素盞鳴尊がこの地で初めて火を起こしたことから、火の発祥の神社として

「日本火出初之社」(ひのもとひでぞめのやしろ)とも呼ばれています。

『日本書紀』には、「国造り神話」で知られる素盞鳴尊は、国造りの後、

熊成峯で柏葉を使って占いを行ない、日御碕に鎮座したと記されています。

天狗山には熊野大神櫛御気野命を祀った磐座一対があり、元宮成(げんぐうなり)という

祭祀を行なった遺跡や柱の礎石と推測される大石が笹に埋れています。

一の鳥居

熊野大社

H.P      http://www.kumanotaisha.or.jp/

住所     〒690-2104 島根県松江市八雲町熊野2451

電話番号    TEL  0852-54-0087・FAX 0852-54-0249

時間     授与所(8:30 ~ 16:30)・祈祷(9:00~16:00)

駐車場    100台/無料

アクセス

車(山陰自動車道東出雲ICから約10km。松江玉造ICから約15km)

電車バス(JR松江駅から一畑バス八雲行きで30分、八雲車庫下車、八雲バス熊野行きに乗り換えて20分、熊野大社前下車)

熊野神社 旧国幣大社

八束郡八雲村熊野

山陰本線 松江駅より南一三粁
祭神 素戔鳴尊 例祭 一○月一四日 神紋 六角に大
本殿 大社造 八坪余 境内 三一二一五坪余
攝末社 二社 宝物 後醍醐天皇奉献の御冠と綸旨他
氏子 二八六戸 崇敬者 二万人
神事と芸能

御櫛祭(四月一三日)、鑚火祭(一○月一五日)、火継式

由緒沿革

日本書紀及古事記に素戔鳴尊が出雲の簸の川上で八岐の大蛇を平げられて後出雲の清地の地に到り「吾心清々し」と宣い宮造せられた事を載せ、又日本書紀に「素戔鳴尊熊成峯に居まして、遂に根国に入りましき」ともある。現今の御本社は其の御山縁の地に御祭り申したものと伝う。出雲国造神賀詞には加夫呂伎熊野大神櫛御気野命と奉称し、国造奉斎の神の首座に座し、出雲風土記の意宇郡出雲神戸の条に「伊弉奈枳の麻奈子に座す熊野加武呂乃命と(中略)二所の大神等に依し奉れり」とあり。早く神戸のありし事を載せ延喜式には意宇一郡を神戸とせられ、又名神大社として朝廷の崇敬も篤く、出雲国の一の宮としての尊崇を捧げられた。大正五年国幣大社に列した。(神社本庁別表神仕)

意宇川に掛かる神橋と二ノ鳥居

出雲国一之宮・延喜式名神大社

熊野大社

御祭神
神祖熊野大神櫛御気野命
御神名は素戔鳴尊の御尊称で、神祖とは出雲大社の大国主神を始め神々の親なる神、御気野とは御食を主として人びとの衣食住に広く、尊い御神威をみちびかれて日ごとに蘇生の縁を結ばれるムスビノ大神との意です。

御由緒
日本書紀(720)は659年に出雲国造が斉明天皇の勅で厳神の宮を造営したと記し、出雲国風土記(733)は国内の186社で大社の称号を有する神社として熊野大社と杵築大社(出雲大社)を掲げ「出雲国一之宮」の 崇敬を表しています。
特に、ご祭神が初めて鑽火されたので日本火出初社とも称します。
古来、出雲国造(出雲大社宮司)の襲職は神聖な鑽火器拝戴の儀式を参向して仕える伝統があり、今も変ることなく行われています。

熊野大社「上の宮」跡のご案内

この意宇川の川上五百メート、御笠山のふもとに熊野大社の「上の宮」跡があります。熊野大社は古代、意宇川の源流である熊野山(現在の天狗山)にありましたが、中世より里に下り近世末まで「上の宮」「下の宮」(現在の熊野大社)の二社祭祀の形態をとりました。
ここは「上の宮」跡で、伊邪那美神社・事解男神社・速玉神社・五所神社・八所神社・久米神社等がありました。背後の山は三笠山と言います。ここのそれぞれの神社の具体的築造年代は不詳でありますが、多くは中世、紀伊国の熊野信仰の全国的広がりの中で造営されたものと言われています。
明治時代に至り当地の神社は、政府の神社制度の改正を機に熊野大社へ奉遷合祀されました。
三笠山の頂上付近からは、熊野大社の元宮があった熊野山が拝され、遥拝所が設けられています。
また登山道途中には・洗眼すると眼病に効き、あるいは産婦がこの水を服すと母乳が満ち足りると言う御神水「妙見水」が巨石から滴り落ちています。

三ノ鳥居と手水舎

境内案内図

隋神門

隋神門

石段を登るとすぐ目の前に建ち、大きな注連縄が張られている神門。
明治19年(1886)、昭和3年(1928)に改築されました。
両側に神社を守る神様がお祀りされています。

熊野大社 拝殿

毎年10月15日に執り行なわれる『鑚火祭』では、出雲大社の宮司(國造)が

11月23日の『古伝新嘗祭』(こでんしんじょうさい)に使用する神聖な火を起こすため、

燧臼(ひきりうす)と燧杵(ひきりぎね)を受け取りに熊野大社を訪れます。

(※出雲大社の祭事ではお供えされる食事は燧臼と燧杵で起こした

神聖な火を使って作っています)

この行事が『亀太夫神事』で、燧臼、燧杵は普段は、鑚火殿に収蔵保管されています。

熊野大社 御本殿

熊野大社 御本殿

<御祭神> 神祖熊野大神櫛御気野命かぶろぎくまののおおかみくしみけぬのみこと素戔嗚尊すさのおのみこと

<祭  日> 10月14日

<説  明>

熊野大社のご祭神熊野大神がお祀りされています。大社造り。入母屋の妻入り。内部は田の字型の4つの部分に分かれています。現在のものの軸立は昭和23年(1948)、屋根は檜皮葺きであったが、昭和53年(1978)銅板葺きに改めました。
現在の社殿は昭和53年(1978)に幣殿と拝殿を増築して完成しました。
原始は現在の「天狗山」の山頂付近にある巨大な岩(磐座)があり、そこに祭祀され、その地は「元宮ヶ成(げんぐがなり)」と
呼ばれています。

出雲大社H.Pより

熊野大社 御本殿

舞殿

舞殿

屋根は四方に広がり、蔀戸は常に開け放たれています。
内側の壁には昔の様子を描いた絵が掛けられています。
現在建っている舞殿は、もともとは拝殿として利用されていたたてもので昭和53年(1978)に造宮が行われた時に、舞殿として移し変えられました。
舞殿では神楽や舞いが奉納されたり節分などでは豆まきが行われます。

出雲大社H.Pより

伊邪那美神社 

伊邪那美神社 

<御祭神> 伊邪那美命(いざなみのみこと)

<配  祀> 速玉之男命(はやたまのおのみこと)・事解之男命(ことさかのおのみこと)・大田神(おおたのかみ)・衢神(くなどのかみ)・埴山姫命(はにやまひめのみこと)・天児屋根命(あめのこやねのみこと)

<合  祀> 王子神(おおじのかみ)・素戔嗚尊(すさのおのみこと)・大山祇神(おおやまつみのかみ)・戸山祇神(とやまつみのかみ)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・応神天皇(おうじんてんのう)・山雷神(やまいかづちのかみ)・爾保津姫命(にほつひめのみこと)・羽山祇神(はやまつみのか)・岐神(ふなどのかみ)・長道磐神(ながみちはのかみ)・煩神(わずらいのかみ)・開囓神あ(きぐいのかみ)・千敷神(ちしきのかみ)・大雷(おおいかづち)・火雷(ほのいかづち)・土雷(つちいかづ)・稚雷(わかいかづち)・黒雷(くろいかづち)・山雷(やまいかづち)・野雷(のいかづち)・裂雷(さくいかづち)・菊利姫命(くくりひめのみこと)・泉守道人命(よもつちもりのかみ)

<祭  日> 10月15日

<説  明>

素戔嗚尊の御母神がお祀りされています。
明治39年政府の神社整理「一村一社制」により熊野村内にあった多数の神社を明治41年に稲田神社と伊邪那美神社に合祀しました。
伊邪那美神社には19社合わせて祀られています。
もともと熊野大社から400mほど離れた「上の宮」で祀られていましたが、上記の政府の政策により現在の場所に移され、祀られるようになりました。

出雲大社H.Pより

稲田神社

稲田神社

<御祭神> 櫛名田比売命くしなだひめのみこと 足名椎命あしなづちのみこと 手名椎命てなづちのみこと

<配  祀> 御前神みさきのかみ 速玉之男命はやたまのおのみこと 奇八玉命くしやたまのみこと

<合  祀> 火知命ひしろのみこと 建御名方命たけみなかたのみこと 大物主神おおものぬしのかみ

<祭  日> 4月13日

<説  明>

素戔嗚尊の御后神がお祀りされています。
明治39年政府の神社整理「一村一社制」により熊野村内にあった多数の神社を明治41年に稲田神社と伊邪那美神社に合祀しました。

稲田神社には6社合わせ祀られています。
現在の社殿は明治42年(1909)に建てられたものです。

出雲大社H.Pより

鑚火殿

鑚火殿

萱葺きの屋根に四方の壁は檜の皮で覆われ、竹でできた縁がめぐらされています。鑚火祭の舞台となる場所であり、燧杵・燧臼が保管されています。
又、出雲國造の「火継式」に使われます。この建物は大正4年(1915)に鑚火祭が熊野大社で行われるようになったことから翌年氏子により建てられました。
他の神社では見ることの出来ない当社特有の建物であります。
現在の物は平成3年に奉新建されたものです。   出雲大社H.Pより

斎館

社務所

荒神社

荒神社

<御祭神> 素戔嗚尊すさのおのみこと

<相  殿> 高龗たかおかみ 闇龗くらおかみ 闇罔象くらみつは

<祭  日> 11月1日

<説  明>

素戔嗚尊がお祀りされています。
明治39年政府の神社整理「一村一社制」により熊野村内にあった多数の荒神、水神、氏神を明治41年に合祀しました。
相殿に祀られている三神は甘雨を降らし、霖雨を止める神との深厚な信仰があります。
また、このお社の右横奥には「御神水」が湧き出ていて頂けるようになっています。   出雲大社H.Pより

稲荷神社

稲荷神社

<御祭神> 倉稲魂神うがのみたまのかみ

<祭  日> 8月1日

<説  明>

素戔嗚尊の御子神がお祀りされています。
人間が生きるに欠くことの出来ない『米』をはじめとする食物を豊饒に霊幸え給う神です。このお社の前には奉納された朱塗りの鳥居がたくさんならんでいます。   出雲大社H.Pより

熊野大社 御朱印

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