念仏寺・奈良県奈良市漢国町
奈良県奈良市漢国町にある「念仏寺(ねんぶつじ)」
山号は降魔山・院号は善光院、御本尊は阿弥陀如来です。
「山の寺」の通称で知られる念仏寺は、奈良市漢国町に所在する浄土宗寺院です。
琉球での布教などで知られる袋中(たいちゅう)良定によって、
元和8年(1622)に開創されました。
徳川家康の異父弟・松平定勝を大檀越として開創された念仏寺は、
奈良町を中心に多くの檀徒を得て発展しました。
念仏寺山門
大坂冬の陣の「木津川口の戦い (1614年)」で、真田信繁に追われた家康が、
寺敷地内にあった桶屋の棺に隠れて難を逃れたとの逸話が伝わります。
山の寺 念佛寺 由緒
浄土宗 降魔山善光院念佛寺という。
徳川家康公は慶長十九年(一六一四年)十一月十五日、大坂冬の陣の折、木津の戦いで真田幸村軍に敗れ奈良に入り、此の地、小宇山の寺に落ちのび桶屋の棺に隠れ九死に一生を得た。
後、天下治り元和八年(一六二二年)家康末弟、当時伏見城代 松平隠岐守定勝はここ油阪・漢国町を買いうけ、袋中上人を開山として諸堂を建立した。
平成十一年一月一日 第十八世 山主
念仏寺 本堂
念仏寺の隣には「念仏寺山古墳」があります。
墳丘長約100メートルの前方後円墳で、第9代 開花天皇(かいかてんのう)の
春日率川坂上陵(かすがのいざかわのさかのえのみささぎ)に治定されています。
念仏寺山古墳は、過去に念仏寺の墓地となっていたため墳丘が削られたが、
幕末に墓地の移転と陵の修補がなされ現在に至っています。