神社のいろは まとめ NO1
神社
神様を祀る神聖な場所。
手水舎
参道脇に設けられている手を洗い、口をすすいで身を清める舎。
御手洗
参拝者が手水を取る場所。手水舎が設けられている。
手水を取る
手水舎の水を使って身を清めること。
手水を取る作法
①右手に柄杓を持ち、清水を汲んで左手にかける。
②左手に柄杓を持ち、清水を右手にかける。
③右手に柄杓を持ち、左の手のひらに水を受けて口をすすぐ。
④左手を水で流す。
⑤柄杓置きに柄杓を伏せて置く。
神楽殿
神様に神楽を奉納するための舞台。
舞殿
神様に芸能を奉納するための舞台。
拝殿
お祭りや拝礼を行う場所。
ご本殿の前にあり、祈願などをするところ。
※伊勢神宮や春日大社では、屋外で神様をお祀りしていたため、拝殿がない。
幣殿
ご本殿と拝殿の間に連続して建てられている建物であり、
神様に様々なものを奉り、また、祭祀のため に使用されている空間。
本殿・ご本殿(ご正殿)
神様(ご祭神)がお鎮まりになっている場所。
鳥居
神域への「門」
※鳥居の語源についての説
①「通り入る」がなまったもの ②鳥の止まり木『古事記』説 ③外国からの渡来説。
一の鳥居
神域全体の門として参道入り口に設けられている最も大きい鳥居。
本殿に近づき聖性が高まる段階ごとに二の鳥居、三の鳥居が設けられている。
依代
神様が依りつかれるもの。
木の場合 ご神木、神籬(ひもろぎ)。
山の場合 神奈備(かんなび) 神体山。
神奈備は 島、岬等も含めた総称。
岩の場合 磐座(いわくら)、磐境(いわさか)。
ご祭神
神社に祀られている神様のこと。
ご神体 (御霊代)
ご本殿の中にある神様の依代。
ex.鏡、剣、勾玉。
神座(しんざ)
ご本殿内のご神体が安置されている場所。
玉垣
ご本殿の周りに巡らされている木や石の低い柵。
幾重にも垣が巡らされている場合、ご本殿に近い方を「瑞垣(みずがき)」、
その外側のものを「玉垣」「荒垣」「板垣」という。
黒木玉垣
皮のついた木を用いた玉垣。
透垣
広く透き間のある玉垣。
柴垣
神社が成立する以前、聖域の周りを樹木で囲んでいた柵。
千木
神社の屋根の両端にV字状にのぼている二本の板木。
内削ぎ 千木の先端を地面に対して水平に切ったもの。
外削ぎ 千木の先端を地面に対して垂直に切ったもの。
鰹木
神社の屋根の上に水平に並べて置かれた丸太状の木。
氏神さま、産土さま、鎮守さま
いずれも神社の別の呼び方。
氏神
同じ氏族が共同で祀った祖先神または守護神。
産土神
人々が生まれ育った土地の守護神。
鎮守神
国や地域、寺院、王城などの一定の区域、場所を守護する神。
※氏神、産土神、鎮守神は、時代の変遷とともに同じ意味に使われるようになった。
産子
産土神の鎮座する周辺の一定地域に居住する人々。
※現在では、「産土神・産子」ではなく、「氏神・氏子」という言い方が一般的。
崇敬神社
自分が生まれ育った土地や、現在、暮らしているところに鎮座する神社とは別に、
個人的な進行によって崇敬する神社。
※その神社を崇敬する人を、崇敬者という。
摂社・末社
一つの神社(本社)に付属する神社。
本社のご祭神の姫神(妃や妃、娘)や御子神(息子) その他、本社にゆかりのある神、
本社のご祭神の荒魂(積極的、活動的な神霊)
さらに、その土地に古くから鎮座していた地主神をを祀るもの。
狛犬
神社の参道や拝殿の前に設置され、邪気を祓い、神前守護の意味を持つ。
起源はエジプトやインド。雌雄一体で「阿」「吽」の姿をしているのが一般的であり、
広い意味で仏教の影響を受けたもの。
神使
神の使者。ご祭神と何らかの縁故でつながっている。
※稲荷神社の狐・天満宮の牛・春日大社の鹿・熊野本宮大社の烏・八幡宮の鳩
石灯籠
単なる照明ではなく、より一層のご加護を願って神前に灯明を点すために
主に氏子や崇敬者から寄進されたもの。
神紋・社紋
神社の紋章。
使われ始めたのは平安時代であり、鎌倉時代以降、
しだいに多くの神社で使われるようになった。
巴紋
家紋としても古くから用いられ、後に八幡宮が神紋として使い、
その他の神社でも多く用いられるようになった。
一つ巴、二つ巴等いくつも種類があるが、三つ巴が一般的。時計方向に右回りを右巴、
左回りを左巴という。
水に関する紋様とも考えられ、防火のため、社殿の軒先によく使われた
正中(せいちゅう)
参道の中央のこと。
※正中は神様の通り道であるため、参拝の際は、
なるべく正中を歩かないようにするのが礼儀。
※玉砂利の由来
「玉」=魂、御霊(みたま)に通じ、「立派な」「きれいな」を意味する美称。
「砂利」=細かい石を意味する「サザレ」がなまったもの。
※参道に玉砂利が敷き詰められている神社も多くあり、
伊勢神宮のように本殿の周りに玉砂利が敷き詰められている神社もある。
賽銭
願いがかなったとき、日々の平穏に感謝するときに神様に捧げる金銭のこと。
「賽」=神様へのお礼。
※賽銭の由来
古くは神前にまく「散米」(さんまい)や、洗った米を紙に包んで供える
「おひねり」であったが、この散米が貨幣の流通にしたがって「散銭」(さんせん)になり、
「賽銭」になった。
神楽鈴
巫女さんが神楽舞のときに用いる鈴。
※鈴の由来
鈴は、古来、神秘的なものとされ、神霊を呼ぶ道具として用いられていた。
鈴が魔除けになるという信仰は世界各地にある。
賽銭箱の上に鈴が吊るされている場合は、これを鳴らして参拝する。
鏡・御幣
いずれも本殿のご神前に置かれていることが多い。
また、いずれも神様の依代のバリエーションの一つであり、
神様の存在と威儀を示し、ご神前を飾るもの。
御幣
「幣」は布を意味する。
古代では布は貴重なものだったことから、神様への捧げものとして
竹や串に挟んで神様にささげられた。
後に、布の代わりに四角形の神を用いて、両脇に紙垂(しで。四手とも。)
を付けるようになり、現在の形となった。
御幣は参拝者をお祓いする用具として用いられることもある。
紙垂も昔は木綿(ゆう)や麻が使われていたが、神が使われるようになった。
揖(ゆう)
丁寧な気持ちを表すため、二拝二拍手一拝の前後に行う会釈。
※拍手の由来
「柏手」または「開手」(ひらで)ともいう。
もともと拍手は喜びや喝采を表現するもの。
平安時代に宮中では行われなくなったが、神様を拝む際には拍手が用いられてきた。
拍手は「魏志倭人伝」「日本書紀」にも記載あり。
二拝二拍手一拝の手順
賽銭を入れ、鈴を鳴らした後、
①二拝
直立の姿勢から背を平らにして90度に腰を折り、頭を下げる。これを2回繰り返す。
②二拍手
両手を胸の高さに合わせ、右手を少し引いて2回手を打つ。
その後、胸の高さで両手をきちんと合わせて祈る。
③一拝
手を下ろし、①と同様に頭を下げる。
※伊勢神宮の拝礼作法 八度拝八開手。
※出雲大社の拝礼作法 二拝四拍手一拝。
五色布
青(緑)、赤、黄、白、黒(紫)の絹。
※五色は、陰陽五行説に基づく。
陰陽五行説
この宇宙のすべては「木・火・土・金・水」の五つの要素と
「陰・陽」の二つの要素のかけあわせで成立するという考え方。
「木・火・土・金・水」を色で表すと「青・赤・黄・白・黒」、
方位では「東・南・中央・西・北」となる。
真榊
榊に五色布を垂らしたもの。
拝殿の中に多く置かれ、向かって右の真榊に鏡と玉が、
左に剣がかけられていることが多い。
鉾、旗、四神旗と同様、神様を称え、飾り付ける威儀具として使われる。
※四神旗(しじんき・ししんき)
四神を描いた四本の旗。
東=青龍・南=朱雀・西=白虎・北=玄武
※榊
もともと榊は常緑樹の総称であるが、榊には神の木という意味もある。
「サカキ」の語源は、「境の木」として聖界と俗界を分ける木とされ、
あるいは、「栄の木」とする説もある。
榊は、神前に供えられるほか、神前で舞う際に手に持つ採物としても使われ、
また、社殿や玉垣、鳥居などに取り付けられることもある。神様の依代としても使われる。
絵馬
神様に奉納するための絵入りの額や板絵。
神々にお願い事をする際に、本物の馬を奉納していたことに由来する。
神馬
神様の乗り物としての馬。
絵馬殿
絵馬を掛けて観賞するための社殿。
亀卜(きぼく)
古代において、亀の甲羅を焼いて、
そのひび割れ方で神様のご意向をうかがっていた占い。
※御神籤(おみくじ)の語源
①くじの形態から「串」だとする説。
②訴訟やもめ事などを公正に判断する「公事(くじ)」だとする説。
授与所
お札、お守り、絵馬、破魔矢などを頒布している場所。
(神社によっては、社務所で頒布している場合もある。)
お札
神社のご祭神の名前や霊威を表す文字や図像、神社の名前が記されたものなど。
神様の前でお祓いをされたもので、神様のご分霊とも、
神様の力を宿したものとも考えられている。
※お札やお守りを数える単位 「体(たい)」
※神様を数える単位 「柱(はしら)」「座(ざ)」
※神輿を数える単位 「基(き)」
お守り
お札を小型化したもの。
懸守(かけまもり)
守り袋などに入れて身につけるお札、お守り。
「肌守(はだまもり)」とも。
破魔矢
魔除けの飾り矢。縁起物の一つ。
年占神事
氏子地域の地区ごとに弓を競ってその年の作況を占う年頭の神事。
縁起物
年初や縁日に参拝者に授与され、
飾っておくと神仏の加護が得られ縁起
がいいとされているもの。
※破魔矢・注連縄・門松・酉の市の熊手・お多福の面・招き猫・宝船
昇殿参拝(正式参拝)
改まって参拝したいときや特別な祈願がある場合に、社務所か授与所で申し込み、
拝殿内、神楽殿等で参拝すること。
※昇殿参拝の作法
小揖(しょうゆう) 浅い礼。
拝
最も敬意を表す動作であり、腰を90度にに折ってひれ伏す。
深揖
45度腰を折る。
小揖
15度腰を折る。
※拝、深揖、小揖は、いずれも敬礼の作法。
※祝詞や祓詞(はらえことば)が奏上されている
ときは、
深揖より深めの60度腰を折る姿勢を取る。
これを、座礼では平伏(へいふく)、立礼では磬折(けいせつ)という。
修祓(しゅばつ)
参列者の心身についた罪穢れを祓う行事。
神職が参列者の罪穢れが払われることを神様にお願いする祓詞を奏上する。
※修祓⇒斎主一拝⇒献饌幣(ぬさ)
神様にお祈りするときに捧げる物や、罪を祓うときに差し出す物。
※紙垂大麻(おおあさ)
幣を美しく称えて呼んだもの。
※榊に紙垂をつけたもの。
六角または八角の白木の棒に紙垂をつけたもの。塩湯(えんとう)
塩をお湯で溶かしたもの。
斎主
お祭りを主宰する人。
斎主一拝
斎主が神前に進み一拝すること。
神饌(しんせん)・御饌(みけ)
神様の食事。
献饌(けんせん)
神饌を神様にお進めすること。
祭員
祭事に奉仕する人のこと。
神職が務める。祝詞奏上(のりとそうじょう)
参列者の願いを斎主が独特の文体で神様に伝えて祈念すること。
祓詞も祝詞の一種。
※修祓→斎主一拝→献饌→祝詞奏上→玉串拝礼→撤饌→斎主一拝→直会玉串拝礼
神様に玉串を奉る作法でお参りするもの。
撤饌(てっせん)
神様に捧げられた神饌が祭員によって下げられること。
直会(なおらい)
神前から下げた神饌やお神酒を斎主はじめ祭員、
参列者が飲食して神様の力をいただくこと。斎戒(さいかい)
神様のお祭りに際し、心身ともに清浄にするためにお籠りして肉食を断つこと。
※参拝後の作法
ご本殿に向けて一礼し、最後に鳥居を出るときに一礼して境内を後にする。
複数の鳥居があるときは、鳥居ごとに本殿に向けて一礼。
ご祈願・ご祈祷
昇殿参拝、正式参拝の際、特に願い事に関する祝詞をあげてもらう場合。
玉串料・御榊料
玉串(榊の枝に紙垂や木綿を付けたもの)の代わりとして、神様にお供えする金品。
※ご神前に金品やお酒などを奉納するときの表書き
「玉串料」「御榊料(おさかきりょう)」「初穂料」「御神前」「御供(おそなえ)」
初穂料
その年に初めて収穫された米の代わりにお供えするもの。
立礼(りゅうれい)
立って拝礼すること。
胡床(こしょう)などの腰掛を用いる。
座礼
座って拝礼すること。
正座をして拝礼する。
本殿の真ん中にあたる中心線(正中)には座ってはならない。