枯山(548m)・渋川つつじ公園




枯山(548m)・渋川つつじ公園

「渋川つつじ公園」経由で「枯山」まで歩いて来ました。

この時期に見られるギフチョウには残念ながら会えませんでしたが、

所々満開の桜の咲く気持ちの良いトレイルでした。

枯山(かれやま)

標高 548m(北峰 547m) 登山日 2025年3月29日
渋川ツツジ・ギフチョウの産地
所在地  静岡県浜松市北区引佐町渋川

難易度 ★      オススメ  登山口(ナビ検索) 渋川親水公園
渋川親水公園駐車場(11:27)→渋川つつじ公園(11:35)→大代集落林道分岐(11:47)→枯山散策道入口(11:58)→枯山(12:04)→枯山北峰(12:07)→渋川つつじ公園入口(12:52)→渋川親水公園駐車場(13:00) 所要時間 1時間33分 累積標高 421m / 420m 距離 9.4km
■渋川つつじ公園は県指定天然記念物「渋川つつじ群落」がある小立い山にある公園です。
渋川つつじが約4,000株自生し、5~6メートルに達する木々に鮮やかな紅紫色の花が咲きます。5月中旬~5月下旬頃には見頃をむかえます。見頃にあわせて、公園周辺では「渋川つつじまつり」が催され、各種イベントや地元物産展も楽しむことができます。

渋川親水公園

浜松市北区引佐の「渋川親水公園」より、都田川の上流にあたる渋川集落にあります。

川のほとりには東屋や、テーブル付きのベンチがあり、周辺住民の憩いの場となっています。

園内には「からくり人形の館」というものがあり、渋川に伝わる伝統芸能を、

音楽とナレーション付きのからくり人形のショーを観られます。

(1日4回上演されるそうです)

渋川親水公園前に10台程の駐車場があります。

園内の桜は五分咲きといったところでした。

渋川の商店街から「渋川つつじ公園」へ

渋川つつじ公園は小高い山にある公園で、約4,000株の渋川つつじが自生しています。

5月中旬~5月下旬頃に見頃をむかえ、その頃に「渋川つつじまつり」が催されます。

渋川つつじ公園

4000本の珍しい三つ葉ツツジ

「渋川つつじ群落」がある小立い山にある公園。「渋川つつじ」は、5~6メートルにも達する大きな木々に葉が3枚ずつ輪生し、花も3輪ずつつける特徴がある県指定天然記念物で、別名ジングウツツジ。

三河、三重の一部とこの地域だけにしか見られない、蛇紋岩という岩石を含んだ地帯にのみ自生する分布範囲の狭い貴重な植物で、絶滅が危惧されているツツジです。

5月中旬から6月上旬にかけて鮮やかな紅紫色の花を咲かせ、公園内で約4000本の渋川つつじが咲き誇ります。

見ごろ時期には「渋川つつじ祭り」が開かれ、名物の五平餅や新茶、地場産品などが味わえます。ツツジの苗・鉢植えの販売やフォトコンテスト、ステージイベントなどが開催されます。

渋川つつじ公園は小高い山になっているため、山登り気分を味わうこともできます。

役行者像と不動明王像

渋川つつじ公園の植物

この付近一帯は蛇紋岩地帯であり、岩が露出し、土壌ができにくいので土地がやせ、乾燥もしやすいため、一般に植物の生育が悪くなります。 このためアカマツがまばらに生え、その中に低木のシブカワツツジ、マンサク、ドウダンツツジ、シモツケ、ガンピなどやつる性の植物が生えているのが特徴です。 シブカワツツジは静岡県の天然記念物で、旧引佐町の「町の花」でした。この花は樹高が二~五mぐらいになり、大きな菱形の葉が三枚輸生し、花も同じところに三花づつ咲きます。 シブカワツツジのほかに渋川の地名がつけられた植物としてシブカワシロギク、シブカワニンジンがあります。いずれも渋川で発見されて名前がつけられた植物です。このほかこの公園には特異な植物がたくさん見られ学術的にも価値の高い公園です。この公園付近のすべての動植物の採取は禁止されています。(案内板より)

シブカワツツジ

開花はまだ少し先のようです。

園内には約4000本も群生しているそうです。

葉が3枚、花も3輪ずつ開花するのが特徴で、静岡県の天然記念物に指定されています。

また、つつじ公園から枯山周辺はギフチョウの生息域としても有名、

案内板に説明書きがありました。

渋川つつじ公園の昆虫

渋川つつじ公園付近にいる昆虫でチョウの仲間はアゲハの仲間が多く、アゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、ジャコウアゲハなどが空を舞うのが見られます。 チョウの中で年一回、早春にしか姿を見せないギフチョウも生息しています。 ギフチョウはアゲハチョウ科の原始的な仲間です。三月下旬の暖かい日差しの中でメスがヒメカンアオイの葉の裏に卵を生みます。その後、ヒメカンアオイの葉を食べながらシブカワツツジの咲く頃、さなぎとなり、来年の三月中旬ごろ、ギフチョウとして舞い立ちます。 ギフチョウは全国にも極めて少なく、浜松市の天然記念物であり、保護条例により守られています。

公園の内部にはヒメカンアオイがたくさん植生しています。立ち入りはご遠慮ください。」(案内板より)

公園からに抜ける古道には馬頭大代集落観音の石碑

県道渋川鳳来線から続く、林道 大平線に合流します。

大代集落

林道 大平線

この先、林道を枯山登山口へ

枯山の登山口まではマイカーで行くことも可能ですが、

大代集落の先、さらにこんな細い道を通って行くことになります。

ミツマタの群生地

枯山登山口

林道の終着点に「枯山登山口」があり、手前には5台程の駐車スペースがあります。

この日は路肩にまで車がありました。

新・浜松の自然100選に「枯山のギフチョウ」が選ばれています。

枯山の観察路はゆっくり歩いても1時間ほどで回れます。

枯山は浜松市渋川にある標高548mの里山です。

地図には山名は載っていない無名峰ですが、

ここは静岡県では数少ないギフチョウの産地として、周辺は保護・整備されています。

この日も、ギフチョウ目当の登山者が多いようでした。

ギフチョウはアゲハチョウ科のチョウで、地域によって差はありますが、

この辺だと3月中旬から4月初旬に発生します。

幼虫の食草であるカンアオイがあり、なおかつ人の手が入る里山環境を好みます。

こういった生息地も減少しているため、保護する自治体が多いです。

枯山(548m)

北峰(547m)

枯山周辺の観察路にはロープが張られ、植生が保護されています。

山頂より

北峰から先は、バリエーションを下りました。

蛇紋岩質のためイバラが多く苦戦しながら大平集落まで下山しました。

県道渋川鳳来線、川宇連川沿いを戻ります。

渋川の町

渋川まで戻って来たので町を散策することにしました。

かつて交通の要衝として栄えた浜松市北区引佐町渋川、

細い街道沿いには昔ながらの家屋が立ち並びます。

渋川大銀杏

旧渋川小学校跡地の近く、樹齢六百五十年を超す古木の大銀杏です。

以前、晩秋に訪れた際には、黄金色に色づく見事な紅葉を見ることが出来ました。

高さ約二十メートルのイチョウの木は、1361年に植えられたといい、

以前は渋川六所神社の御神木だったそうです。

1876年に渋川小が建設されたのを機に、学校の近くに移植されました。

2010年に渋川小が周辺の学校と統合した後も、この場所で地域の人々を見守っています。

 銀杏(樹齢推定六百余年)
浜松市指定天然記念物
昭和43年3月1日指定

この木は明治9年まで渋川六所神社のご神木であったが、同年11月渋川小学校新築にともない神社は現在のところへ移転しました。
神社の棟札によると康安2年(1361年)に神社の御宝殿を造立と書いてあり銀杏もそのころに植えられたと思われます。
それから長年にわたり渋川の歴史を見守ってきた偉大なる古木です。
昔、乳のでないお母さんは、この樹に御願いすれば乳が出たと伝えられています。   (浜松市教育委員会)

しだれ桜

都田川に掛かる満開のしだれ桜が綺麗でした。

その先には国の登録有形文化財「凱旋記念門」が建ちます。

この凱旋門は日露戦争を記念して六所神社参道の途中に築かれました。

凱旋記念門

国登録有形文化財
凱旋記念門
平成14年2月14日登録
1、名称 凱旋記念門
2、3、4、5は隠れて見えません
6、構造・形式及び大きさ
煉瓦造、幅3.2m、高さ3.6m
7、概要
日露戦争を記念して六所神社参道の途中に築かれた。
石造柱脚の上に、柱頭を鋸歯飾とした煉瓦造の柱が立ちあがり、煉瓦造の欠円アーチを挟み込む。
煉瓦の積み方はフランス積みとする。
大型の石製篇額を挟み、上部に江戸切仕上げ石材の重厚な笠石を載せる。県内における初期煉瓦造の構造物。
浜松市教育委員会
地域百科事典 「れ」煉瓦造りの凱旋記念門生還を祝う
引佐北部の渋川元組の入り口となる郷社(六所神社)の参道には煉瓦造りの凱旋記念門(以下凱旋門)が立っています。幅は、3.2m、高さ3.6mの可愛らしい大きさの凱旋門です。
この凱旋門は、明治39(1906)年に日本が日露戦争に勝利し、渋川から従軍した人々の生還を記念して造られました。門の脚柱には日露戦争の従軍者68名と日清戦争の従軍者16名、そして門の建設で寄付した人の名前と金額が記されています。
戦争の時代にはこういった凱旋門が日本各地に造られ、一定期間後に取り壊されました。現在、国内に残る凱旋門は、鹿児島県姶良市とこの渋川の2つのみとなっており、いずれも国の登録有形文化財に指定されています。
渋川元組の入り口にはこの凱旋門とともに地域を見守るシンボルとして樹齢約600年を超える大イチョウがあります。枝や幹から乳房状の突起が垂れ下がることからお参りすると「お乳が良く出る」と言われています。
この大イチョウの根元には商売繁盛の神様である恵比寿様が祀られています。かつて元組はたくさんの商店が軒を連ねていたためです。恵比寿様のお祭りである恵比寿講(神無月の20日)には、元組の人々によりお頭付きの鯛に稲穂を結んだ「かけ魚」と2本の大根が飾られます。

六所神社

六所神社へと続く鳥居、

さきほどの大銀杏は元々、この神社の御神木だったといいます。

境内より渋川集落とつつじ公園

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