山岳信仰 信仰の山とは




山岳信仰 信仰の山とは



日本の国土の七・八割は丘陵や山地からなります。

山は我々の生活の根源をなす水源地であり、

山よりわき出る水により田畑が潤い、農作物を育み人々の生活を支えるとともに、

森林や動植物さらには鉱物など、資源をもたらす豊饒の源泉の場です。

しかし同時に噴火・山崩れ・洪水などによって人々を死の淵においやることもある

古来より山は恵みの場であり畏怖すべき大自然でありました。

その中核にあったのが山を崇拝対象とする山岳信仰で、

山に対して畏敬の念を抱き、神聖視して崇拝し儀礼を遂行する信仰形態を言います。

山岳信仰は様々に結びつき、多種多様な形態がありますが

大別すると以下のようになります。

火山系の信仰

富士山山頂 本宮浅間大社奥宮

火山系の信仰

(噴火などの脅威を畏怖する火山信仰)

富士山や阿蘇山・鳥海山など火山の噴火への畏れから、火山に神がいるとみなして信仰するもの

水分系の信仰

白山 室堂

水分系(みくまり)の信仰

(水源の恩恵や洪水などの脅威に対する信仰)

白山など、周辺地域を潤す水源となりうる山を信仰するもの。

葬所系の信仰

弥山山頂 (弥山神社)

葬所系の信仰

(死者の霊が赴き、祖霊の住む所と考える山上他界観に基づく信仰)

日本古来の信仰であり、「みりやま」「はやま」「神奈備」などとよばれた。

恐山や月山、館山、熊野三山など、死者の霊が死後そこへ行くとされる山が各地に存在しており、それらの山々が信仰の対象になることがある。

神霊がいるとされる山への信仰

三輪山 登拝口(狭井神社)

神霊がいるとされる山への信仰

大神神社の御神体とされる三輪山、役小角が開いたとされる大峰山など、あるときその山に神霊がいるとされ以降信仰が始まったもの。

日本神話の神・山の神・農業の神・狩猟の神・杣人の神などを祀ったものなどがある。

修験道の山

金峯山寺 役小角 像

修験道の山

修験道は山岳を神霊・祖霊などの住まう霊地として崇めた日本古来からの山岳信仰の形態がシャーマニズム・道教・密教などの影響の元に平安時代末頃に一つの宗教形態として形成されたものです。

修験道においては、里の人々が霊地として畏怖した山岳に入り修行し、超自然的な験力を得を修めた修験者・山伏が人々の期待に応え霊山詣での先逹、堂社の祭、加持祈祷など宗教活動を行なった。

飛鳥時代の呪術者、役行者(役小角)が創始したとされる。

現在も、「本山派」(天台宗)あるいは「当山派」(真言宗)の修行僧が伝統的な修験道の修行を行っている。

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