石鎚山(1982m)・土小屋ルートより
四国、愛媛県・高知県の県境に聳える標高1982m、西日本最高峰の「石鎚山」
日本七霊山の1つとして信仰を集める霊峰です。
また、日本百名山・日本百景の1つとしても数えられ、周辺は国定公園に指定されています。
石鎚山という名前は伊弉諾と伊弉冉が2番目に産んだ「石土毘古神」に由来し、
かつては「石土山・石鉄山・石槌山」とも呼ばれていたといいます。
石鎚山は今から約1300年前の飛鳥時代に、修験道の祖「役小角(役行者)」が開山。
奈良時代中期になると、修験僧 寂仙菩薩が石鎚山にこもり、石鎚蔵王大権現と称えて信仰。
寂仙菩薩は山路を開き、登拝者を導き、常住社(現在の中之宮成就社)を創立しました。
また、かの弘法大師(空海)も石鎚山で厳しい修行をしたといわれています。
山頂までの主な登山ルートとして、
石鎚登山ロープウェイを使って中宮成就社(1450m)からの「成就社ルート」
石鎚スカイライン・瓶ヶ森林道の終点、土小屋遥拝殿(1500m)からの「土小屋ルート」
面河渓谷から登る「面河ルート」の3つが一般的です。
ちなみに、成就からの登山道が「表参道」、土小屋からが「裏参道」と呼ばれています。
今回は土小屋ルートより石鎚山へ登ってきました。
石鎚山(いしづちさん)
標高 1982m (天狗岳) | 登山日 2023年10月6日 |
西日本最高峰 | |
所在地 愛媛県上浮穴郡久万高原町若山 |
難易度 ★ オススメ ★★★ | 登山口(ナビ検索) 土小屋登山口 |
土小屋(04:05)→第一ベンチ(04:30)→東稜分岐(04:54)→二の鎖下(05:16)→二ノ森・面河渓方面分岐(05:25)→三ノ鎖(下)(05:28)→石鎚山・弥山(05:35~05:45)→石鎚山(05:51~5:57)→石鎚山・弥山(06:21~06:31)→三ノ鎖(下)(06:32)→二ノ森・面河渓方面分岐(06:36)→二の鎖下(06:42)→東稜分岐(06:59)→第一ベンチ(07:14)→土小屋(07:34) 所要時間 3時間26分 累積標高 706m / 705m 距離 9.0m
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■愛媛県西条市と上浮穴郡久万高原町にまたがる石鎚山(標高1,982m)は、四国および西日本の最高峰。長大な鎖場が有名で、紅葉の時期には色付くもみじを鑑賞に多くの登山客が集まる。ロープウェイでアクセスできる石鎚登山の遥拝所・成就社を起点として、岩場につけられた4つの鎖を頼って登るのが石鎚登山の醍醐味だが、鎖場には迂回路が設けられているので、一般にはそれを利用するのがよい。役小角の開山とされ、山岳信仰の山として栄えてきた。石鎚スカイラインからの姿はピラミッド型、西の面河(おもご)方面からは岩峰がそそり立ち、東の瓶ヶ森付近からは重厚な姿を見せる。天狗岳、弥山、南尖峰など複数のピークをもち、最高峰は岩峰状の天狗岳。弥山には石鎚山頂神社がある。山頂からは四国山地や瀬戸内海を見渡すことができる。 ■石鎚山(いしづちさん、いしづちやま)は、四国山地西部に位置する標高1,982 mの山で、近畿以西を「西日本」とした場合の西日本最高峰で、山頂から望む展望が四国八十八景64番に選定。愛媛県西条市と久万高原町の境界に位置する。石鉄山、石鈇山、石土山、石槌山とも表記され、伊予の高嶺とも呼ばれる。『日本霊異記』には「石槌山」と記され、延喜式の神名帳(延喜式神名帳)では「石鉄神社」と記されている。前神寺および横峰寺では「石鈇山(しゃくまざん)」とも呼ぶ。 |
土小屋は、石鎚山中腹(標高1492m)
石鎚山中では、マイカーで訪れることが出来る最も標高が高い所です。
そのため、石鎚山に最短で登ることが出来るルートで、最も利用者も多いルートとなります。
土小屋登山口は「石鎚神社 土小屋遙拝殿」「レストハウスやロッジ」がある
「土小屋ロータリー」から徒歩数百メートルの所にあります。
石鎚登山案内地図
土小屋(石鎚土小屋バス停) *アクセス方法*
■ 松山自動車道「松山I.C.」より
石鎚スカイライン(愛媛県道12号線)を経由、車で約1時間50分
※石鎚スカイラインは夜間通行止、12月~3月は冬期閉鎖。■ 松山自動車道「西条I.C.」より
UFOライン(いの町道瓶ヶ森線)を経由、車で約1時間50分
※UFOラインは11月末~4月中旬は冬期閉鎖。■ JR松山駅より
石鎚スカイライン(愛媛県道12号線)を経由、車で約2時間10分
※石鎚スカイラインは夜間通行止、12月~3月は冬期閉鎖。■ JR松山駅より
ジェイアール四国バス落出行(久万高原線)に乗車、約1時間10分、久万中学校前で下車。
伊予鉄南予バス久万営業所バス停から石鎚土小屋行に乗車、約1時間40分。(4月~11月の土日祝のみ)■ 高知自動車道「伊野I.C.」
車で約2時間
スカイライン終点と手前の2か所に駐車場があります。
土小屋ロータリー手前の道路沿いに100台程(無料)の駐車スペースがあります。
土小屋ロータリー「石鎚神社 土小屋遙拝殿」手前にも2台程度の駐車場がありますが、
こちらは基本参拝者用となります。
土小屋ロータリーから500m程進んだ先の
スカイラインを終点に200台程停めることのできる最大の駐車場(無料)があります。
土小屋ロータリートイレ
トイレは「ロータリー遥拝殿横」と「スカイライン終点駐車場」にあります。
土小屋遙拝殿
土小屋遙拝殿はその名の通り、頂上社へ参拝できない方のための「遥拝所」です。
またこれから頂上社に向けて登拝する方のための、
「登山の安全を祈願」する神社でもあります。
土小屋登山口
遙拝殿からはスカイライン終点方面へ100m程度進むと、
スカイライン終点駐車場からは300m程ロータリー方面へ戻ると土小屋登山口があります。
石鎚山に登る最短ルートで歩きやすく、最も利用者も多い登山口となります。
石鎚山の登山ルートの中で最も標高差の少ないコースですが、
木道が多く雨の日は滑りやすく特に注意が必要です。
途中までは標高もあまり変わらず、ゆるやかなアップダウンを繰り返します。
休憩所を過ぎると尾根道となり、笹原や白骨林で展望の良い道となります。
南に展望が開ける
石鎚山 本峰
この辺りで本来なら石鎚山の山頂を望めるはずなのですが、
この日はあいにく山頂部には雲が掛かっていました。
東稜分岐
東稜分岐からは再び細道と木道が続きます。
途中、落石がおきやすい箇所があるので要注意です。
緩やかな登りを150m程進むと二の鎖の下に出ます。
お地蔵様
道幅が広くなり展望が開けると「ニノ鎖の鳥居前」へ
ニノ鎖の鳥居前
表参道である、石鎚登山ロープウェイ経由、中宮成就社(1450m)からの「成就社コース」
裏参道の、土小屋遥拝殿(1500m)からの「土小屋コース」が
ニノ鎖の鳥居前(写真)で合流します。
二ノ鎖小屋
「二ノ鎖小屋」は少し前に出来た新しい無人の避難小屋です。
頂上山荘が冬季閉鎖したあとは、いちばん山頂に近い小屋になります。
ただ非常に狭いので泊まれても5~6人程度、水場はありません。
すぐ隣にはバイオトイレ(100円/回)あります。(冬場は閉鎖されるので要注意)
二ノ鎖の分岐
二ノ鎖小屋を過ぎると直ぐにガネーシャ像があり、ここが「二ノ鎖の分岐」となります。
ここからは、二の鎖(65m)・三の鎖(68m)と鎖場が続きます。
すべてに迂回路があるので無理はしないようにしましょう。
この日は迂回路を利用しました。
ここから先の迂回路は鉄製の階段が連続します。
所々に注意書きがありますが、「階段は左側通行」です。
この日は小雨が降っていましたが、滑りにくいので安心です。
しかし谷側にはフェンスがないので、通行の際には譲り合い、
登る際には必ず左側の手すり、下山時には右側の手すりを掴むようにしましょう。
階段を登りきると「石鎚山頂上山荘」が見えてきます。
石鎚山頂上山荘
営業日時 5月初旬~11月初旬
定員 50名(完全予約制)
料金 素泊まり(6,000 円)一泊二食付き(9,000 円)
H.P https://sanso.ishizuchisan.jp
*予約はH.Pより
石鎚山 弥山(1972m)山頂
山頂山荘を過ぎると、石鎚神社の頂上社がある弥山です。
頂上からは、晴れていれば天狗岳をはじめとする山々や
瀬戸内海の島々まで見渡すことができます。
石鎚神社 奥宮 頂上社
廃仏毀釈までは神仏習合で、
開山の役行者が修行の上に感得したと伝えられる石鈇山蔵王権現が信仰の対象でした。
現在は石鎚毘古命(石鎚大神)として祀られています。
社殿には三つの御神徳を表す3体の御神像、
(玉持ちの御神像、鏡持ちの御神像、剣持ちの御神像)が祀られています。
石鎚神社に関しては「石鎚神社 奥宮 頂上社」をご覧ください。
この日は早朝6:00から行われる朝拝に参列しました。
祝詞を唱えた後、拝殿の中に入り、「仁」「智」「勇」の三体の御神像に直接触れ、
御神徳をいただける特殊行事「御内陣入」を体験してきました。
社殿内は撮影禁止となります。
山頂より日の出
弥山から最高峰の天狗岳まではすぐですが、切り立った岩場を歩きます。
両側がは絶壁となっており、特に天狗岳に向かって左側は数百メートル切れ落ちているため
かなりの高度感があります。
気を付けて通過するようにして下さい。
最後の岩場を登り切れば西日本最高峰「天狗岳 1982m」の山頂です。
石鎚山 最高峰 天狗岳(1982m)