両神神社(里宮・本社・奥宮)御嶽神社・両神山(1723m)山頂
日本百名山の一座、両神山(1723m)は古くから信仰の山として名高く、
山頂部は鋸歯状の岩稜がギザギザに切り立ち並ぶ山容は遠くからでもよく目立ちます。
両神山という不思議な名前は、伊奘諾・伊弉冊 2神を祀ったという説、
竜神山・竜頭山(りょうかみさん)、
または八日見山(ようかみさん)からという説などがあります。
確かに両神山の山容からは龍神信仰の存在も想像できます
竜は水の神様で、山中や里には竜神を祀る神社もあります。
両神山では、山犬(狼)が眷族(神様の使い)として祀られ、
山麓や山頂下にある両神神社には狛犬ではなく山犬が御眷属としています。
最盛期の江戸時代には沢山の人々が訪れたそうです。
両神神社(里宮)
日向大谷の登山口から少し歩いたところに
両神神社(里宮)が鎮座します。
両神山は古くから山岳信仰の霊場であったと考えられていますが、
特に江戸時代には関東の霊山といわれ、山岳修験の格好の行場として、
行者の往来も多かったといわれ、歴史資料も残っています。
表登山道の登り口(日向大谷)の里宮は
近世には当山派修験寺院・観蔵院として広く知られ、
その後、金昌寺・八日見神社と改称して現在に至っています。
両神山を開いたとされる観蔵行者の石像が安置された観像堂の他、石碑が立ち並ぶ里宮
少し歩いたところ会所(分岐)から
表参道コース・七滝沢コースと別れるが3時間程度で山頂へ至る登山道が整備されています。
特に表参道コースには多くの石仏の他、丁目石が残ります。
両神神社(本社)
山頂に少し下、南方の尾根に両神神社(本社)
御嶽神社(本社)二社が鎮座します。
両神山の御眷属は、古くから山犬とされ、
それはニホンオオカミだといわれています。
人々は御眷属を「大口真神(オオクチマノカミ)」と呼び、
神聖な動物、犬神として崇めてきました。
そこで当山には全体で8体の山犬像があり、そのうち両神神社(観蔵院)には、
参道石段の脇に一対の山犬型の狛犬があります。
このようにお犬様への信仰が厚く、広範囲にわたり御眷属講が組織され、
神社では「四足除け」などとして山犬(狼)のお札を発行しています。
また、火災、盗難、病気などの災難厄除けにも御利益があるとされ、
信者はお札を借り受けて神棚・門口・土蔵などに貼り付けています。
「新編武蔵風土記稿」によると、
御眷属の貸し出しで有名な三峰山より古いともいわれています。
両神神社
祭神
伊弉諾命・伊弉冉命
御眷属「大口真神 / 山犬(狼)」御利益
災難厄除け(火災、盗難、病気)
山の安全、四足除けなど
祭礼
4月18日例大祭(山開き)
御嶽神社(本社)
二つの集落から講があったため神社も二社あるそうです。
三峰山や御嶽山と同様に、日本武尊が東征の折り神犬(日本狼とされる)の導きにより
両神の山に立ち入ったことからもたらされ、
その際にイザナミ、イザナギの二柱を祀ったのが両神神社建立の謂れとされている。
文殊菩薩像
両神山・剣ヶ峰(1723m)山頂
両神神社(奥宮)