鹿島槍ヶ岳(2889m) 爺ヶ岳(2669m)・赤岩尾根
大谷原登山口より、赤岩尾根を使い「鹿島槍ヶ岳」と「爺ヶ岳」に登りました。
この「赤岩尾根」は最短距離で鹿島槍ヶ岳の山頂に立つことができるルートです。
距離が短い分、急登が多く、扇沢からのルートとコースタイム的には大差はありません。
「赤岩尾根 (赤岩尾根登山口~冷乗越)」は別名「長ザク尾根」とも呼ばれ、
標高差が約1,100mある急登ですが、大変良く整備されています。
高千穂平までは標高差が約700mある樹林帯の急登となり、
高千穂平から冷乗越までは少し傾斜は緩やかになりますが、崩落地がある岩尾根となります。
利用者も少ないため、稜線までは静かな山歩きが楽しめました。
この日は、晴れ〜曇りの予報でしたが、結局 雨が降ったり止んだりの一日、
稜線に出ると風も強く寒かったです。
こんな日でしたが、扇沢からの登山者は多く、さすが人気の山域といった感じです。
鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)
標高 2889.21m | 登山日 2023年9月23日 |
日本百名山 花の百名山 新花の百名山 | |
所在地 長野県大町市平 |
爺ヶ岳(じいがたけ)
標高 2669.93m | 登山日 2023年9月23日 |
日本三百名山 花の百名山 新日本百名山 | |
所在地 長野県大町市平 |
難易度 ★★ オススメ ★★★ | 登山口(ナビ検索) 大谷原 |
大谷原 登山口(03:34)→西俣出合(04:22)→高千穂平(05:40)→白樺平(06:09)→冷乗越(06:29~06:34)→冷池山荘(06:43)→冷池山荘テント場(06:49)→布引山(07:25)→鹿島槍ヶ岳(07:59~08:12)→鹿島槍ヶ岳北峰(08:39~08:41)→鹿島槍ヶ岳(09:09)→布引山(09:32)→冷池山荘テント場(10:00)→冷池山荘(10:06)→冷乗越(10:21)→爺ヶ岳北峰(10:44)→爺ヶ岳中峰(11:03)→爺ヶ岳北峰(11:17)→冷乗越(11:33)→白樺平(11:52)→高千穂平(12:14)→西俣出合(13:07)→ゴール地点(13:33) 所要時間 9時間59分 累積標高 2526m / 2506m 距離 22.0m | |
■鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)は、富山県黒部市、中新川郡立山町および長野県大町市にまたがる後立山連峰(飛騨山脈)の標高2,889 mの山。中部山岳国立公園内にある。後立山連峰の盟主とされる。山頂は南峰(標高2,889 m)と北峰(標高2,842 m)からなる双耳峰で、吊尾根と呼ばれるなだらかな稜線で繋がっている。山頂部は森林限界を越える高山帯で、1922年(大正11年)10月12日に多くの高山植物が自生する白馬岳や五竜岳を含む周辺の西面は「白馬連山高山植物帯」の特別天然記念物に指定された。剱岳・立山・唐松岳と並び、日本では数少ない氷河の現存する山である。日本百名山、花の百名山、新・花の百名山の一つに選定されている。旧北安曇郡にあった旧美麻村を代表する山として鹿島槍ヶ岳の眺望が『信州ふるさと120山』の一つに選定されている。 |
大冷沢左岸林道ゲート
前泊して登山口の「大原登山口 駐車場」へ
駐車場は20台程度と狭いので要注意、駐車場の前にはトイレが完備されています。
登山口の大谷原からは大冷橋を渡り、
ゲートの脇を抜けるようにして大冷沢林道を歩き始めます。
林道は未舗装ですが基本真っすぐ、西俣出合まで約3.5kmの道のりです。
随所に道標もあるので迷うことはありません。
大谷原登山口
(赤岩尾根 鹿島槍ヶ岳方面)
橋の前後に15~20台程度の駐車がスペースがあります。
工事用大型車両が通行しますので、支障にならないように停めてください。
公衆トイレ有り・スマホの電波無し
アクセス
長野道 安曇野ICより、県道310号線、国道147号線、国道148号線、県道45号線、県道325号線を経由して登山口へ
安曇野ICより約40キロ
砂防ダムまで来たら、トンネルを潜り北俣本谷を左岸から右岸へ渡ります。
その先が西俣出合(赤岩尾根 登山道 出発地点)
砂防ダム内に作られたトンネルを抜けて右岸へ
赤岩尾根登山口
赤岩尾根は別名「長ザク尾根」と呼ばれ、急登で有名なルートですが、
よく整備されていて登りやすいです。
ただこの日のような雨の日は滑るので下山では特に注意が必要です。
雲の合間から日の出
岩場にハシゴが取り付けられていたりする急坂を登ります。
展望ポイントから日の出を拝むことができましたが、この日は生憎の天気となりました。
高千穂平(2049m)
標高2,049mの「高千穂平」まで登ると展望が開けます。
晴れていれば、鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳、妙高山や戸隠、八ヶ岳等が見えるようです。
高千穂平より
高千穂平を過ぎると急勾配はひと段落。
ダケカンバやナナカマの林を抜け、ハイマツ帯へと入ります。
赤岩尾根の名の由来でしょうか、赤い礫が出はじめるとまもなく冷乗越です。
冷乗越の手前には簡単な鎖場(画像参照)があり、赤茶けたザレ場をトラバースします。
難易度は高くありませんが、もろい岩場が多く、時折、転落事故が発生している場所です。
冷乗越
冷乗越(赤岩尾根分岐)へ。
稜線を右手方向に行けば鹿島槍ヶ岳、左手方向に行けば爺ヶ岳です。
晴れていれば正面に剱岳とその左に立山三山が望めます。
冷乗越から鹿島槍ヶ岳・冷池山荘方面に向かいます。
いったん下ったら軽く登り返すと、すぐに冷池山荘です。
冷池山荘
「冷池山荘」は定員250名の比較的大きな山小屋です。
山小屋の手前にはテーブルとベンチの置かれた休憩スポット。
テント場は冷池山荘から鹿島槍ヶ岳方面に少し登った所にあります。
冷池山荘(つめたいけさんそう)
標高 2,410m
営業期間 GW期間、6月中旬〜10月中旬
収容人数 250人
電波状況 ドコモ:良好・au:通話困難な場合が多い
ソフトバンク:不安定宿泊料金 1泊2食:13,000円(特定日は11,900円)
1泊夕食:11,900円(特定日は10,800円)
お弁当:1,100円(ちらし寿司)テント場 2,000円 ※特定日要予約
テント場は山荘から徒歩約15分予約 H.P・電話より
チングルマ
ヤマハココ
テント場を過ぎるとお花畑へ、
更に歩みを進めると、高径草原の広がる穏やかな稜線からハイマツ帯へと樹相が変化します。
ガスの中行く先を見つめると、
ハイマツ帯の中に刻まれた登山道が布引山に向け伸びているのが見えます。
砂礫のつづら折りを登ると布引山の山頂へ到着です。
布引山(2683m)
布引山山頂からは双耳峰の鹿島槍ヶ岳、
3つのピークを抱く爺ヶ岳が見えるはずでしたが、真っ白です。
鹿島槍ヶ岳南峰に向けなだらかな稜線上のトレイルを辿り、
小さなピークを三つ越えていきます。
山頂が近づくと上の方だけ青空が広がります。
最後、なだらかな岩礫の登山道を登れば鹿島槍ヶ岳南峰に到着です。
鹿島槍ヶ岳 南峰(2889.21m)
二等三角点(鹿島入)
布引山方面
西側の展望
昼近くになると長野県側からガスが沸いてくるのが後立山連峰の特徴だといいますが、
この日は関係なさそうです。
ここに居るほとんどの登山者は冷池山荘から南峰までの往復です。
ここから先、鹿島槍ヶ岳 北峰や、さらにその先の八峰キレットを経由して
五竜岳へ向かう登山者は、めっきり少なくなります。
北峰へ向かう途中、吊尾根の岩場でライチョウに出会いました。
南峰直下には急斜面の岩場が連続するので要注意。
吊尾根の鞍部まで下ると道が分岐します。
左の道は難所の八峰キレットを経由して五竜岳に向かう道。
鹿島槍ヶ岳の北峰へは右を進みます。
ここから砂礫の道をひと登りすれば北峰に到着します。
鹿島槍ヶ岳 北峰(2842m)
八峰キレット方面
再び南峰から、来た道を戻ります。
先ほどより少しガスが取れ、時折山頂付近が姿をあらわします。
再び、冷池山荘から冷乗越を経て、爺ヶ岳方面へ
こんなお天気ですが、扇沢から柏原新道を利用する大勢の登山者とすれ違いました。
「柏原新道」は扇沢登山口から種池山荘を経て爺ヶ岳を目指すコースで、
登山口へは信濃大町駅から路線バス、都市部からの高速バスも出ておりアクセスも良く人気。
ちなみにコース名は、開拓者である種池山荘の運営管理をしていた
柏原正泰氏の名前が付けられています。
爺ヶ岳 中峰(2669.93m) 三等三角点(祖父岳)
北峰(標高2,630 m)・中央峰(標高2,670m)・南峰(標高2,660m)の3峰からなります。
爺ヶ岳の南峰と本峰の間、白沢の上部には、春に種蒔きをするお爺さんの雪形が見られます。
この雪形は昔から農耕の目安に利用されてきたそうで、これが山名の由来になります。
冷乗越
再び冷乗越に戻り赤岩尾根から下山、
ここから再び登山者は激減します。
巨大なアザミ
鹿島川が見えてくると赤岩尾根登山口(西俣出合)は直ぐです。
再び砂防ダム内のトンネルを通り、大冷沢の左岸林道を登山口まで戻ります。