「勝坂神楽」八幡神社 清水神社・静岡県浜松市天竜区春野町豊岡勝坂




「勝坂神楽」八幡神社 清水神社・静岡県浜松市天竜区春野町豊岡勝坂

勝坂 八幡神社

浜松市天竜区春野町勝坂には子授け・子育ての神として知られる

八幡神社清水神社が鎮座します。

毎年10月第4日曜、その両社の祭礼に際して、

土地の和衆一同によって舞われるのが浜松市の無形民俗文化財に指定される

勝坂神楽(奉納神楽獅子舞)です。

400年の伝統を有する勝坂神楽は天下康平、武運長久、氏子繁昌、五穀豊穣を祈る行事。

八幡神社 拝殿

神楽舞は男子に限られ両社の神山における奉納神楽獅子舞と

渡御(清水神社から八幡神社への移動の途中)の道中舞の2つからなっています。

奉納神楽獅子舞のうち、清水神社の舞を「幌舞」(ほろまい)

八幡神社の舞を「幣舞」(ぬさまい)といい、獅子頭をつけて舞い踊ります。

道中舞は、清水神社から八幡神社までは亀面をかぶり

大きな男根を背負った若者が道中を舞い踊るというユニークなもの。

正午に旧勝坂小学校を出発し、道中舞を行ないながら清水神社へ。

清水神社境内へ着くと神楽出囃子が奏され、幌舞と幣舞を奉納。

その後、道中舞を披露しながら八幡神社へと移動し、

八幡神社でも幌舞と幣舞が奉納されます。

八幡神社 本殿 境内社

勝坂神楽(かっさかかぐら)

所在地 浜松市天竜区春野町豊岡

時期  10月下旬日曜日

勝坂神楽とは五穀豊穣・子孫繁栄などを祈願し、毎年10月下旬の日曜日に奉納される神楽で、天竜区春野町豊岡の勝坂地区におよそ360年前から伝わる。
地区内の清水神社と八幡神社の神前では神楽獅子舞が、そしてそれぞれの場所への移動中には道中舞が舞われる。全て男性が演じることと決められており、牡丹柄をあしらった女物の赤い着物に獅子頭という出で立ちが特徴。

祭礼順序

正午に旧勝坂小学校を出発し、道中舞(オネリ舞)を披露しながら清水神社へと移動する。行列は保存会役員、神主、亀、獅子、笛太鼓、舞い子の順に並び、獅子は右手に鈴、左手に幣を、舞い子は右手に扇、左手に幣を持っている。清水神社境内へ着くと神楽出囃子が奏され、幌舞(ほろまい)と幣舞(ぬさまい)が奉納される。獅子舞が終わると神事が行われ、その後、道中舞を披露しながら八幡神社へと移動する。そして、八幡神社でも幌舞と幣舞が奉納される。なお、八幡神社では2頭の獅子が舞うが、もともとは1頭の獅子舞であり、獅子頭を新調した後に2頭となった。
天竜区佐久間町の島祇園祭りで奉納される神楽との類似が注目されている。

幌舞

獅子の胴体部分にあたる幌を使って巧みに舞う様子から幌舞と名付けられている。
獅子頭を被った者が前の幌を両手で広げ、後ろ部分は別の者が広げて持つというように、2人で獅子を演じる。
まず、頭部分が低くなり、後ろの者は幌を広げたまま立って構える。頭が立ち上がると前進、後退、そしてその場で、さらに右へというように舞う。

幣舞

幣束を持って舞う様子から幣舞と名付けられている。
幌は後ろにまとめられ、一人で獅子を演じる。
まずは幣だけを持って舞い、途中から右手に鈴、左手に幣を持って舞う。そして、最後はまとめてあった幌を解き、獅子頭を被っている者とは別の者が持って広げ、終わりとなる。

浜松情報BOOK

町指定民俗文化財

勝坂神楽の由来

昭和四十一年十二月二十六日 春野町豊岡 勝坂自治区

春野町勝坂地区に在る八幡神社並びに清水神社の祭典(毎年十月下旬)に際して、地域の若衆によって舞われる神楽である。八幡神社には、「慶長六幸丑年十二月吉辰(一六〇一)奉造 南宮大明神社頭一字」と記された棟札が所蔵されており、その記録の一部の「神入弥宜森山の源助(現 八幡神社宮司 鈴木房治氏の先祖)並びに左近尉神楽男子各々諸願成就」としるされている。後の寛文十二年(一六七二)、社名を八幡神社と改められ現在に至っている。

神楽の発祥は定かではないが、由来記によれば三百六十年余の伝統をもち、天下泰平、武運長久、氏子繁昌、五穀豊穣を祈る行事であるという。神楽舞は男子に限られ、両者の神前に於ける奉納神楽獅子舞と渡御の道中舞の二つからなる。元来獅子頭を被って舞う一人立舞で二人の横笛と大小二つの太鼓の音に合わせて、おかめに裾を持たせて自ら舞うのであるが、清水神社前の舞を「ホロ舞」といい、八幡神社前の舞を「ノサ舞」といわれる。

最初、清水神社前で一人立舞が行われ、終わると亀面を被った若衆に先導され、獅子舞を先頭に揃いの浴衣を着て、花笠を被り手に各々秡を持った若衆十人余りが手振面白く舞いながら八幡神社前に到獅子舞を中心に花笠若衆で輪形を作り、秡を操りながら楽の音に合わせて、輪形をせばめたり開いたりしながら踊る素朴な舞である。

輪型は古代人の最も崇め恐れた太陽を形どって舞われるものといわれ、長い伝統の上に培われ、昔ながらを保存してきた郷土色の豊かな神楽である。道中舞の行列中に大いなる男根の模型を背負って行く若者のあるのもまた奇観、男根は太陽に通ずるものと思われ、古代色豊かな神楽である。

勝坂 清水神社

清水神社 境内

勝坂神楽の里

また近くには「勝坂神楽の里」の整備され、

食事処、コテージ、キャンプ場、勝坂神楽伝承館等があります。

伝承館には勝坂神楽に使われる獅子頭などの神楽舞用具一式を展示。

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