春埜山(883m) 鳥居沢山(931m) 雲見山(990m) 夕日峠(966m)・花島集落より
大光寺のお膝元の集落、「春野町花島」より春埜山へ。
鳥居沢山〜夕日峠への軌道繋ぎも兼ねて周回して来ました。
春埜山(はるのさん)
標高 883.4m | 登山日 2024年2月18日 |
静岡の百山 春埜山大光寺 | |
所在地 静岡県周智郡森町三倉 |
鳥居沢山(とりいさわやま)
標高 931.78m(南峰)940m(北峰) | 登山日 2024年2月18日 |
四等三角点(鳥井沢)森町最高峰 | |
所在地 静岡県周智郡森町三倉 |
雲見山(くもみやま)
標高 990m | 登山日 2024年2月18日 |
四等三角点(雲見上) | |
所在地 静岡県島田市川根町葛籠 |
難易度 ★ オススメ ★ | 登山口(ナビ検索) 花島氏屋敷跡 |
花島氏屋敷跡(08:07)→春埜山(09:21)→大光寺(09:32)→奥ノ院(09:57)→鳥居沢山北峰(10:04)→鳥居沢山南峰(10:08)→夕日峠(11:01)→花島氏屋敷跡(12:58) 所要時間 4時間51分 累積標高 1336m / 1286m 距離 20.6km | |
■春野町と森町の境にある標高883mの山。山頂近くに行墓作の仏像を安置する古刹大光寺や樹齢1,300年余の大杉「春埜杉」(県指定天然記念物)が茂ります。天気のいい日には、北側に竜頭山やボンジ山、京丸山などが美しく見えます。
■養老2年、僧行基によって開されたと伝えられ、境内には樹齢1,200年余の杉の大木(県指定天然記念物)が深山幽谷の気配を漂わせている。春野町の東端に位置し、「春ひらきし山を春埜山、秋ひらきし山を秋葉山と称す」と伝えられるように、町の両端にそびえる秋葉山とともに北遠霊山のひとつに数えられている。 |
花島集落
春埜山大光寺のお膝元に位置する「花島集落」よりスタート。
花島集落は、「花島・栗子・柿ノ脇」という周辺の三集落の総称で、ここが本郷になります。
花島集落は中世に薩摩から移住してきた「花島の殿様」が開いたと伝わる集落です。
春野町立花島小学校跡
春埜山の参道がある大時集落から、県道389号「水窪森線」を1km程下った先、
集落の中で一際広いスペースが「春野町立花島小学校跡」です。
校庭跡には小さな小屋と、門柱には校名を記した銘板がそのままに残されています。
春野町立花島小学校は、1969年(昭和44年)に、浜松市立熊切小学校(当時は春野町立)に
統合され閉校しました。
閉校後も、大正時代に建てられた木造校舎が製茶工場として使われていたそうですが、
老朽化により倒壊し、2012年に撤去されました。
現在残っている建物は図書館の跡だそうです。
広い校庭の片隅には、閉校記念碑と二宮金次郎台座があります。
山下商店
集落の中心にある「山下商店」
ここは元々、生活用品を扱う村のなんでも屋で、旅館も兼業していたのだそう。
蛭子神社
集落の下まで下って来ると、花島川沿いに「蛭子神社」が鎮座します。
花島自治会館
ここを右折し、栗子・柿ノ脇集落方面へ向かいます。
柿ノ脇集落
山奥に立派なお宅 現在でも数世帯お住まいのようです。
柿ノ脇集落の先には地図に無い林道があり、大光寺まで続いています。
入り口には「悪路につき通行ご遠慮下さい」の立て札。
一応、全線舗装路ですが、案内通り路面状態は悪い道です。
大光寺前を通り、春埜山へ立ち寄りました。
春埜山(883.4m) 二等三角点(春野山)
春埜山 大光寺へ
深南部方面
春埜山大光寺の駐車場近くの展望台より深南部方面
この日は小雨降る中、展望は微妙です
春埜山 由緒
開創は奈良時代の養老二年(718年)、行基が周北の山稜を巡錫したとき、この山の霊気にふれ、杉の大木をもって大梵天・帝釈天・閻魔大王の三体を刻み込め小堂を構えて安置したのがはじまりとされています。 行基よって秋葉山に霊場がひらかれたのと同じ年です。 奈良・平安・鎌倉時代の春埜山がどのような寺運を重ねたのか、史料が残されていないため判らないが、室町時代の頃には修験の吉祥院の別院になっていたようです。 江戸時代初期の慶長年間(1598〜1614)に春野町若身の瑞雲院が吉祥院の承諾を得て堂宇の修復を行い、大光寺という寺号を付けて、瑞雲院の末寺としました。本寺瑞雲院が曹洞宗であるため、この時から大光寺も真言宗から曹洞宗としての寺歴を重ねることになります。 こうして江戸時代に瑞雲院の末寺となった大光寺ですが、余りに避遠の寺であったため経営を維持することが出来なくなり、再び吉祥院の別当寺(神仏習合に基づいて置かれる神宮寺)に戻されてしまいます。 江戸時代中期の寛文年間(1661〜1672)には吉祥院が廃されてしまったため、再び瑞雲院の末寺となり今日に至っています。 「天竜川と秋葉街道」より
春埜山大光寺
本尊 太梵尊天・帝釈尊天・閻魔尊天
守護神 太白坊大権現
地元の人たちから「お犬様」と呼び親しまれている大光寺は、曹洞宗 神仏混交の修験の山として知られています。 春埜山は秋葉山と対になり、奥の院である山住神社の里宮であったという説もあります。 大光寺の本堂前には、狼の狛犬が控えていて、ここが修験道の狼信仰の山であったことがうかがえます。 守護神の太白坊は春埜山に住む天狗であると言われ、本尊である三尊天を守護するとされています。 また、その眷属である狼を派遣し、信者の祈願成就を助けるとのことです。 大光寺の開山は、養老2年行基菩薩がこの山頂に庵を開いたことが始まりとされています。 境内には行基菩薩お手植えと伝えられる、樹齢1300年の春野杉があり、県の天然記念物に指定されています。 寛文年間には一時無人となったこともありましたが、江戸時代には復興し、明治の神仏分離令のときにも神仏習合を通し今日に至っています。
「春野町」町名はこの山に由来しています。
昭和の合併の際、犬居町・熊切村・気多村の3村から合併話しが進み、
先ず昭和31年(1956)犬居町と熊切村が合併し春野町に。
翌年、春野町と気多村が合併し、改めて春野町となりました。
町名には全国的に有名な「秋葉」ではなく「春埜(春野)」が選ばれました。
春埜杉
春埜杉
静岡県指定天然記念物(1952年4月1日指定)
行基菩薩が、春埜山大光寺の開山の際に植えられたものと伝えられています。 県の天然記念物に推定されています。
樹種 スギ
推定樹齢 1300年
樹高 44m
目通り幹囲 14m
技張り 31m
所在地の地名 静岡県浜松市天竜区春野町花島
春埜山奥之院
大光寺からは東海自然歩道を歩き、鳥居沢山を目指します。
途中にある「春埜山奥之院」では、庚申信仰の神「青面金剛童子」をお祀りします。
鳥居沢山 北峰(940m)
鳥居沢山 北峰(940m)から右に折れ、東海自然歩道は大日山金剛院方面へと続きます。
森町最高峰の「鳥居沢山」は双耳峰で、少し先に南峰があるのでそちらにも立ち寄りました。
鳥居沢山 南峰(931.78m) 四等三角点(鳥井沢)
ここから再び北峰に戻り、夕日峠を往復します。
雲見山(990m)
途中のピーク「雲見山(990m) 」には南側の集落の名が付いています。
雲見山から少し下った所に「四等三角点(雲見上)」が設置されています。
四等三角点(雲見上) 944.14m
八高山(832m)
痩せている所もありますが歩きやすい尾根、
途中、八高山方面の展望があります。
夕日峠が近づくと(夕日峠 ↔︎ 雲見)の看板が増えてきました。
大谷山(1009m)
夕日峠手前の展望ポイントより「大谷山(1009m)」
この後、大谷山方面からのルートと合流し少し先の夕日峠へ
夕日峠(966m)
ベンチが置かれた夕日峠
この辺りはハイキングコースとして整備されています。
草木が伸びたせいか展望はいま一つですが、正面に大日山を望みます。
大日山(880m)
夕日峠から来た道を戻ります。
雲見山から北尾根を下る予定でしたが、途中降りれそうな所を発見、一旦林道に下ります。
現在、雲見山からは方面工事がされ、下れそうもありませでした。
林道から北尾根の続きを下ります。
林道 菊山線へ
栗子集落が近づくと綺麗な茶畑が広がっていました。
茶畑越しに歩いて来た稜線が見えています。
栗子集落
花島3集落、最後の栗子集落へ
本郷の花島集落とは谷を挟んだ反対側に位置します。
花島のカヤ
地図で気になっていた栗子集落の巨木、「花島のカヤ」です。
旧春野町の天然記念物に指定しています。
旧町時代の案内板によると、樹高18.5mの上のカヤ」と
樹高14.5mの「下のカヤ」があるとのこと、多分こちらが下のカヤだと思います。
上下の集落を繋ぐ細道に石仏、途中には廃屋が何軒かあります。
山智農園
無農薬のお茶や椎茸の製造直売所のようです。
上にあった茶畑も多分こちらのお宅のものだと思います。
山智農園さん http://yamatomo5.sakura.ne.jp/index11.html
直売所前の茶畑より、花島集落に戻り終了