鳶ノ巣山(706m) 浅間山(644m)・静岡県境歩き




鳶ノ巣山(706m) 浅間山(644m)・静岡県境歩き

JR飯田線 東栄駅から鳶ノ巣山〜浅間山まで、

静岡 愛知間の県境を歩いて来ました。

この区間は県境繋ぎのため、5年位前から歩く予定のリストに入れていましたが、

展望の無い藪ルートのため、なかなか乗り気になれず保留し続けて来ました。

前回、同様に残していた佐久間ダムからの県境繋ぎを終えたのと、

マイブーム中の中央構造線歩きの続編にもなると気付きようやく歩く決心がつきました。

本長篠駅から東栄駅までJR飯田線、阿寺の七滝からは自転車での移動です。

矢岳山(926.92m)・中央構造線 内帯歩き https://yamap.com/activities/21218344

浅間山(540m) 愛宕山(802.1m)・中央構造線と外帯歩き https://yamap.com/activities/21274999

中部天竜駅〜東栄駅・静岡県境歩き https://yamap.com/activities/21407545

鳶ノ巣山(とびのすやま)

標高 706m 登山日 2022年12月21日
静岡 愛知県境の山 静岡の百山 愛知130山の一座
所在地 静岡県浜松市北区引佐町渋川・愛知県新城市

浅間山(せんげんさん)

標高 644m 登山日 2022年12月21日
山頂に浅間神社が鎮座 静岡 愛知県境の山 愛知130山の一座
所在地 静岡県浜松市北区引佐町渋川・愛知県新城市

難易度 ★★   オススメ  登山口(ナビ検索) 東栄駅
JR東栄駅(08:48)→P705.9(10:17)→鳶ノ巣山(12:48~13:01)→愛知静岡県境(13:19)→奥三河主峰三座展望地(14:51)→浅間山(15:05)→奥三河主峰三座展望地(15:17)→本長篠駅(16:32) 所要時間 7時間44分 累積標高 1896m / 2067m 距離 31.3m

「静岡の百山」は、東部から西部、北部まで静岡県内の山が幅広く選ばれています。 叉、海岸近くの低山から南アルプスの3000mを越える山までバラエティーに富んでいます。 本自体は山名の由来、歴史など生活に密着した山の説明が中心で、登山のガイドブックではありません。 山の知識を深め、より楽しむための本です。

本長篠駅

最寄り駅は「三河大野駅」でしたが、

事前調べでは駅周辺に駐車場が無さそうだったのでここからスタート。

豊橋行きには学生が沢山乗り込む中、中部天竜行きの電車に乗客は殆どいません。

東栄駅

本長篠駅〜東栄駅 (¥330-)

約一週間ぶりの東栄駅 気温は−3℃ 、降りたのは私だけでした。

花祭(霜月神楽)

国の重要無形民俗文化財(北設楽郡のみ)に指定されている「花祭(霜月神楽)」

愛知県北設楽郡一帯に伝承される神楽は、およそ700年にわたり綿々と伝えられています。

花祭

「花祭」は700年以上続く伝統的な神事で、1976年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。花祭の起源ははっきりとは分かりませんが平安時代に最盛期を迎えた吉野・熊野の修験道が奥三河に暮らす人々に影響をもたらしたと言われています。
東栄町では、毎年11月から3月の冬の寒い時期に町内各地区で花祭は行われます。なぜ、こんな寒い時期に行うのかというと、花祭は霜月祭とも言われ、もとは旧暦の霜月に行われていました。これは、新暦の12月から1月頃にあたり、一年で最も寒い時期です。
冬の間に衰えた太陽と大地の生命力を、花祭を行うことで呼び醒まします。

東栄町観光まちづくり協会より

東栄医療センターの駐車場より

お社があったのでご挨拶してから取付く

県境尾根へ

尾根まで登ると県境を示す赤い杭があります。

展望が無く藪だらけと思っていましたが、序盤はしっかりとした道があります。

その後、面倒な区間もありますが、同じく県境を歩く方の踏み跡やピンテがあり、

思いの外楽に歩けました。

思わぬ景色に出会えました。

ここでもケルンコル(断層谷)を見ることができます。

今回も前回から引き続き中央構造線の「内帯」を歩きます。

背後には 竜頭山〜井戸口山〜灰縄山〜常光寺山 深南部の山々

三等三角点 (茅野峠) (705.94m)

三角点峰には 何かの施設跡があります。

箒木山(841m) 向山(771.9m)

P705.9の先にはこの日一番の展望ポイント

登気野(911.4m) 白倉山(1027.4m)

深南部方面

鳶ノ巣山が見えましたがまだまだ距離はあります。

P589の先に共聴アンテナの残骸が3基、

備え付けのワイヤーがトラップのように道を塞ぎます。

木々の間から 愛知130山の一座「鍵掛山(588.2m)」

P600

県道へ下る手前のP600

丁度この辺りで中央構造線が南西方面に横切っています。

したがってこれ以降は外帯歩きに変わります。

一旦、静岡県道390号 愛知県道442号「鳳来佐久間線」へ

ここから直ぐに取付きます。

登り始めて直ぐに緑色片岩だらけ。

「緑色片岩」とは、外帯に接する三波川変成帯を代表する岩石で、

低温高圧の環境下(プレートの沈み込み)の元、成作用を受けて結晶片岩になった岩石です。

そのため片理と呼ばれるミルフィーユ状の面状構造を持っています。

また、変成岩なので鉱物の結晶がたくさん生じていてキラキラとしています。

庭石など観賞用にも用いられる綺麗な石です。

この辺の山域によく見られるアルミ標識

ここから未踏の坂野山へ寄ろうと思いましたが、

往復約5kmが面倒になりキャンセルしました。

鳶ノ巣山(706m)

鳶ノ巣山は「静岡の百山」「愛知130山」の一座です。

前回来た際にはもっと鬱蒼としていたイメージでしたが、

切り拓かれて居心地の良い山頂に変わっていました。 ここでランチにしました。

三等三角点 (一色村2) (669.88m)

鳶ノ巣山の直ぐ下に三角点ピーク

東海自然道へ合流

大日山(天白山)(676m)

林道鳶ノ巣線の終着点に東海自然道の案内板。

御油宿(豊川市)方面からも鳳来寺を経由し秋葉街道が繋がっていました。

秋葉街道

火防(ひぶせ)の神として知られる秋葉神社へ参詣するために、神社のある秋葉山へと参詣者が向かう道。そのルートは掛川宿や浜松宿を出発点とするものや、信州や三河から向かう道など多くのルートがあり、江戸時代以降には庶民の厚い信仰を集め、多くの参詣者で賑わった。

三河からは御油(ごゆ)宿を出発し、豊川・新城(しんしろ)を通って鳳来寺を参詣、そして、西川(さいかわ)から戸倉へは渡し舟を利用して秋葉山へと向かった。

林道 向久保六田沢線

林道は何ヶ所かで崩壊しています。

ここも先程見た結晶片岩。

結晶片岩は一方向にはがれやすい面(片理)をもつことが特徴です。

こうなる事は必然かもしれませんね。

林道から静岡県道298号・愛知県道505号「渋川鳳来線」へ

ここから再び尾根に取り付く。

中央に引佐渋川の大代集落

渋川ツツジ公園から枯山まで稜線、その先には観音山や三岳山の風車が見えます。

伐採され、防獣ネットで区切られた所からは展望があります。

三等三角点 (渋川村1) (545.65m)

浅間山手前のP545.65 三等三角点 (渋川村1)

浅間神社

浅間山(644m)

山頂の浅間神社へお参り

これで静岡 愛知間の県境がほぼ繋がりました。

構造線歩きもひと段落です。

奥三河主峰三座展望地

再び三角点ピークの手前まで戻り林道へ。

「奥三河主峰三座展望地」と呼ばれている場所より

見切れていますが、鳳来寺山と棚山〜宇連山と(三ッ瀬)明神山

阿寺の七滝 駐車場

ここからは事前にデポしておいた自転車で本長篠駅まで戻りました。

八昇峠のケルンコル(断層谷)

早朝、自転車をデポついでに少し寄り道しました。

八昇峠のケルンコル(断層谷)、中央構造線から延長線上に続く三河湾。

愛知県道505号「渋川鳳来線」の細川と巣山の境にある標高390mの八昇峠には

中央構造線細川断層の露頭や断層によって形成された断層谷(V字谷)

の地形を見ることができます。

一点鎖線 (点線と破線)が今日歩いたルート「県境」、赤線が中央構造線(MTL)

MTLを境に青・緑が三波川変成帯となります。

この辺は少し複雑で、黄色の部分は、

鳳来寺山を中心とした火山の痕跡「カルデラの跡」になります。

(設楽コールドロンと呼ばれています)

領家変成帯は影響を受けなかった周囲に少し残るのみとなっています。

地質図Navi より

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