諸沢山(1750.4m)・寸又峡より




諸沢山(1750.4m)・寸又峡より

南アルプス新南部の「諸沢山(しょのさわやま)」へ

聞き馴染みがない方もおられると思いますが、

諸沢山は深南部の中でも核心部ともいえる領域にある山です。

この山に登る主なルートは2つあります。

一つは中ノ尾根山から同じく深南部の秘峰と呼ばれる合地山を経由するルート、

尾根筋を行くので比較的安全ですが、距離が長く日帰りでの登山は困難となります。

もう一つが今回登った寸又峡温泉からのルート、こちらは距離は短いのですが、

千頭ダムより先の林道が完全に崩壊しており、

途中崩落地の危険なトラバースが必要となります。

この「日向林道」の崩壊で現在 諸沢山は、

深南部の山々の中でも最もアクセスが悪く、遠い山となってしまいました。

このルートには危険個所が多く、特に崩落地は日々状況も変化しますので、

安易な通行は絶対にお止めください。

ルート

「寸又峡→右岸林道(自転車)→千頭ダム→日向林道→ 諸沢山南尾根(源平尾根)→諸沢山→

日向林道→左岸林道→お立ち台→千頭ダム→右岸林道(自転車)→寸又峡」

諸沢山(しょのさわやま)

標高 1750.35m 登山日 2023年5月18日
南アルプス深南部の秘峰
所在地 静岡県榛原郡川根本町犬間

難易度 ★★★★  オススメ  登山口(ナビ検索) 寸又峡
寸又峡温泉バス停(04:06)→沢口山(猿並平コース・如意輪観音堂)登山口(04:09)→沢口山(日向山コース)登山口(04:12)→飛竜橋(04:25)→尾崎坂展望台(04:30)→千頭ダム(05:29)→寸又橋(07:01)→諸沢山南尾根取付き(07:23)→御料諸の沢(08:54)→諸沢山(09:59~10:06)→御料諸の沢(10:59)→諸沢山南尾根取付き(12:06)→寸又橋(12:34)→お立台(14:08)→千頭ダム(15:10)→尾崎坂展望台(15:48)→飛竜橋(15:53)→寸又峡温泉(16:02)→沢口山(猿並平コース・如意輪観音堂)登山口(16:04)→ゴール地点(16:07) 所要時間 12時間00分 累積標高 3078m / 3069m 距離 36.1m
■ー

遠州(えんしゅう)地方とは旧令制国の遠江国(とうとおみ)一般的には、大井川から西側の範囲湖西市・浜松市・磐田市・袋井市・森町・掛川市・菊川市・御前崎一部(牧之原市・島田市・川根本町)のことを言います。 遠州灘から浜名湖、南アルプス・深南部まで、バリエーションに富んだ山々が多く魅力に満ちた山域です。

早朝の寸又峡

寸又峡温泉から千頭ダムまで片道約10km

先ずは自転車で千頭ダムを目指します。

尾崎坂展望台

夢のつり橋を越えた先の「尾崎坂展望台」

ここには千頭森林鉄道で使用されていた車両が展示されてます。

この先にはゲートがあります。

千頭森林鉄道は現在の大井川鐡道の千頭駅より

本線最長時には、光岳の登山口があった柴沢まで44kmを繋ぐ森林鉄道でした。

昭和44年の森林鉄道の全線廃線をもって車道林道化の工事が進められ

現在は「寸又川右岸林道」として置き換えられています。

千頭ダム

千頭ダム(せんずダム)は、静岡県榛原郡川根本町千頭、一級河川・大井川水系寸又川に建設されたダム。高さ64メートルの重力式コンクリートダムで、中部電力の発電用ダムである。同社の水力発電所・湯山発電所に送水し、最大2万2,200キロワットの電力を発生する。

千頭ダムは日本で最も土砂が貯まったダムとして知られています。

大井川水系は糸魚川静岡構造線(糸静線)に沿って流れており、

このため上流部の山地では崩壊が激しく、土砂を大量に流出します。

この土砂がダムで堰き止められるため、

他の河川に比べて急速に堆砂が進んでいるのだといいます。

自転車をダムの脇にデポ

寸又川日向林道、さらに上の寸又川左岸林道へと通じる登山道へ

看板にはクラシックルートの名残を残す「光岳 大無間山方面」の文字

山の神

登って直ぐ 「山の神」にお参り

この辺りにはピンクテープや補助のロープがあり、良く整備されています。

天地第一吊橋

ここからダム湖へ下ると「天地第一吊橋」

帰りに寄ろうと思っていましたが、 結局面倒になって辞めてしまいました。

廃屋

日向林道へ

日向林道はこの上を通る寸又川左岸林道から分岐し

逆河内方面へと至る道。歩き始めて直ぐに押し出しがあります。

この辺は楽に通過出来ます。

前方に諸沢山の全景を見ることができます。

諸沢山 全景

林道の名残を残す所もありますが、

基本はこんな感じ、押し出された土砂の上を歩いていきます。

近くて遠い諸沢山

林道が通行可能であった頃はまだ登りやすい山だったのでしょう

日向林道の核心部 大崩落地へ

少し足を動かすだけで 砂礫が嫌な音を立て流れ落ちます

見た目以上に斜度があり、ミスをすると砂礫と共に下の寸又川まで流れ落ちてしまいます。

お天気が続いたためか乾いた砂が崩れやすく苦戦、慎重にステップを切って通過しました。

通過後 全景

更に次、ここは上部をトラバース

梯子

左岸林道からの迂回路

帰りはここから左岸林道まで登り、お立ち台経由で帰ります。

寸又橋

「寸又橋」昭和48年10月竣功だそうです

見上げると藤が綺麗

ここも崩落地に倒木が邪魔をします。

諸沢山南尾根(源平尾根) 取付き

諸沢山南尾根(源平尾根) 取付き

壊れた梯子とロープがありますがどちらも使わず右から登りました。

直ぐネットがあり しばらくはこれに沿って歩きます

ザレた急登で、アセビの灌木が煩く大変です

山火注意 146 147 千頭営林署

岩の急登 下山では特に気を使いました

熊の爪跡やフンが沢山あります

源平崩れを過ぎP1447には御料局三角点

P1649 逆河内側最短ルートとの分岐の近くには根曲した木

山頂一帯は緩やかで 原生林が美しい

諸沢山(1750.35m)

二等三角点 (諸ノ沢山)

広く静かな山頂

再び日向林道へ

来た道を戻ろうと思いましたが、 せっかくなので左岸林道へ

先程の梯子から取付き、標高差350mを登る

一ヶ所ガレ場がありますが左から巻けます

寸又川左岸林道へ

寸又川左岸林道は寸又峡温泉へと向かう県道77号の朝日トンネルを抜けた先、

寸又峡橋の手前に起点があります。

そこから柴沢まで、約40㎞続く林道であるが、現在は壊滅状態でここを歩く者はほぼいない。

近くに大崩落地があるので見学に

左岸林道 崩落地

日向林道のように林道全体を覆い隠すような大崩落地帯

寸又峡川までは400m以上、更に高度感があり怖い

至る所でこのような状況の左岸林道、とても歩ける気がしない。

楽しみにしていた景色の良い林道歩き

前黒法師岳〜二ッ山

前黒法師岳〜二ッ山〜黒法師岳〜丸盆岳

こちら側からの眺めは新鮮

黒法師岳〜丸盆岳〜鎌薙岳〜不動岳

中ノ尾根山 合地山 諸沢山

お立ち台へ

綺麗なトイレもあります(使用不可)

案内板 色々寄ろうと思っていましたが、

疲れたので下ります

整備された登山道 立派な石垣が残っています

再び日向林道出合いへ

帰りは放流していました

ゲートを越え 尾崎坂展望台の自販機で一息

寸又峡温泉に戻ってきました。

平日にも関わらず人気の観光地です。

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