クロテ山(983m) 覗山(974m) 大津峠(950m)・林道「天竜川線」大津峠より
林道「天竜川線」が2年10カ月ぶりに復旧しました。
この林道「天竜川線」は、静岡県水窪町から長野県の飯田線平岡駅付近までを結ぶ林道で、
途中、秘境駅で有名な「小和田駅」へと通じる唯一の登山道がある「塩沢集落」や、
「門谷集落」を抜けて、長野県の「中井侍集落」へと続きます。
時間も余ってしまいましたので、この林道を通り大津峠まで向かってみることにしました。
せっかくなので、大津峠からクロテ山や大津峠を登って来ました。
クロテ山
標高 983m | 登山日 2023年5月13日 |
水窪100山の一座 | |
所在地 静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家 |
覗山(のぞきやま)
標高 974m | 登山日 2023年5月13日 |
水窪100山の一座・山頂に天白信仰の社 | |
所在地 静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家 |
難易度 ★ オススメ ★ | 登山口(ナビ検索) 大津峠 |
大津峠(08:34)→クロテ山(08:44)→覗山(08:52)→クロテ山(08:59)→大津峠(09:04)→大津峠登山口(09:06)→大津峠(09:16)→大津峠登山口(09:19)→大津峠(09:21) 所要時間 46分 累積標高 395m / 330m 距離 4.0km | |
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林道「天竜川線」は、2020年7月の豪雨で、
静岡県水窪町側の路面が約50メートル崩れたと言います。
林道沿いには小さな集落が点在しており、そこに住む方たちの唯一の生活路となっています。
その為、通行する車両も少なく落石も絶えません。
また、静岡と愛知県間の県境尾根は、中央構造線(断層)が通る脆い地層のため、
いつ崩れてもおかしくない箇所が幾つもあります。
災害復旧工事箇所
市によると、道路の地盤が想定と異なり、工法を変更したため、工期を約1年延長した。工費は国の補助金を含め1億6625万円。当初の計画より約7千万円多くかかった。 市は土砂崩れの直後、工事中の道路を回避できる仮設の階段を設置した。医療機関に通う塩沢集落の住民は月2回、その階段を利用して道路をまたぎ、タクシーに乗り換えて医療機関へ行く日々を送った。
崩落箇所
以前、観音山西尾根を登った際にJR飯田線「小和田駅」から遊歩道を通り、
「塩沢集落」へ抜けて、林道「天竜川線」を歩いたことがあります。
この集落に住む方にとって、なくてはならない生活路です。
大津隧道を抜けると、「大津峠」と書かれた大きな看板がある広場に出ます。
ここからは林道「池の平矢岳線」(未舗装・通行不可)が分岐しています。
クロテ山登山口
この辺りの尾根が静岡県と愛知県との県境にあたります。
林道「池の平矢岳線」は工期の途中ですが、完成を待たず崩壊が進んでいます。
クロテ山(983m)
取り付きから100mも登らずにクロテ山の山頂へ
ここから細い尾根上を500mほど進んだ先が覗山の山頂にあたります。
覗山(974m)
覗山の山頂には、この辺りには多い天白信仰のお社が鎮座します。
水窪は南は西渡、北は遠山郷から秋葉街道の険しい山道を経て生活物資を運搬していました。
1929年(昭和4年)に現在の飯田線の前身「三信鉄道」が開通すると、
天竜川沿いの「大嵐駅」から山越えして物資を運ぶ道が
最短ルートとして利用されていました。
覗山登山口
覗山登山口へ下り、再び「池の平矢岳線」の起点へ戻り
林道「天竜川線」を大津山登山口まで移動します。
天竜川線沿いのお社
大津山登山口
本来の大津峠は林道から少し北に進んだ
大津山へと至る稜線上にあります。
大津峠(950m)
ここに前回通過した際に見落としてしまった大津峠の山標と石仏があります。
明治四十年八月五日
水窪〜大嵐間の荷運びルートがあったのは、1929年(昭和4年) 三信鉄道の開通から、
佐久間ダム建設に伴い、飯田線の経路変更で新たに水窪駅が作られた
1955年(昭和30年)までの26年間だと思います。
大津峠を経由したと思うのですが、詳しいルートはわかりません。
大正五年十二月
大津峠は荷運びルート以前に、山を越えて行き来する人々の生活路でした。
峠の大木の下には明治や大正、江戸末期の日付が刻まれた石仏や石碑が残されています。