大日寺(キリシタン燈篭)・静岡県掛川市南
静岡県掛川市南にある曹洞宗の寺院「大日寺」です。
境内には相良街道(塩の道)の傍に置かれていた「キリシタン灯篭」が安置されています。
大日寺は正応五年(1292年)真言宗として開創され、
天正二年(1574年)曹洞宗に改宗。天正七年(1577年)永江院六世南浦元澤大和尚の
隠居寺として再興され、この時より大日寺と改められたと云わります。
塩の道 (石仏や石碑)
境内のすぐ東を通る旧相良街道(塩の道)沿いには
同祖神や馬頭観音等の石仏や石碑が残っています。
大日堂
境内の西側には大日堂があります。
大日如来を安置し脇仏として四天王が祀られているそうです。
寺号はこの大日如来に由来します。
境内の西側、大日堂の隣のお堂内部に「キリシタン灯籠」が安置されています。
明治の初め、当寺の東側を通る旧相良街道(塩の道)の傍らに、
なかば土に埋もれていたものを掘り出し此処に安置したそうです。
昭和40年2月1日には掛川市有形文化財に指定されています。
キリシタン燈籠
所在地 掛川市南二丁目20-12 大日寺
高さ1.045メートルの棹石で造られ、織部燈籠の型をしており江戸時代中期の作と思われる。下の部分には聖母マリアと思われる彫りものが刻まれ、その上に文字が記され、HIS(キリストを示す合字)Filio(聖子キリスト)Patri(天の父)を表すPTIとか種々の説があるが判然としない。
明治の初め、当時の東側を通る旧相良海道(塩の道)の傍らに、なかば土に埋もれていたものを掘り出し、ここに安置したとの言い伝えがあり、江戸時代徳川幕府がキリスト教禁止令を布告し、禁制がきびしくなったため土中に埋めたと考えられている。
昭和6年1月松村茂助氏によりキリシタン燈籠と確認され、昭和40年2月1日に掛川市有形文化財に指定され現在に至る。
幕府の弾圧を受けても信仰の灯を失わず、この灯篭に祈りを託した民衆の心がしのばれる。なお、大須賀町の撰要寺にも同型の灯篭がある。
掛川市教育委員会
本堂