青笹山(1550m) 呼子山(1159m) 赤岳(1055m) 高ドッキョウ(1133m)・周回




青笹山(1550m) 呼子山(1159m) 赤岳(1055m) 高ドッキョウ(1133m)・周回

呼子山から高ドッキョウへと続く尾根

安部東山稜の浅間原から青笹山を歩き、

静岡・山梨県の県境尾根を高ドッキョウまで歩いて来ました。

安部東山稜の東側、興津川沿いの大平集落より、中電の巡視路を使い浅間原まで登り北上、

青笹山からは、南東方面へと続く県境尾根を田代峠まで下ります。

そこから、呼子山・赤岳と興津川源流の険しい痩せ尾根区間を経て徳間峠へ。

徳間峠から高ドッキョウを往復し、再び興津川沿いの登山口まで戻る周回コースです。

(※ 青笹山から田代峠間は崩落地があり通行止め区間となります。)

青笹山(あおざさやま)

標高 1550m 登山日 2023年12月08日
静岡の百山
所在地 静岡県静岡市葵区有東木

砂子山(すなこやま)

標高 1159m 登山日 2023年12月08日
興津川源流の山
所在地 静岡県静岡市清水区大平・山梨県南巨摩郡南部町福士

赤岳(あかだけ)

標高 1055m 登山日 2023年12月08日
興津川源流の山
所在地 静岡県静岡市清水区大平・山梨県南巨摩郡南部町福士

高ドッキョウ(たかどっきょう)

標高 1133.24m 登山日 2023年12月08日
静岡の百山 山梨百名山
所在地 静岡県静岡市清水区大平・山梨県南巨摩郡南部町福士

難易度 ★★    オススメ ★ 登山口(ナビ検索) 徳間峠登山口
徳間峠登山口(静岡)(07:42)→浅間原(09:26)→大平山(10:09)→青笹山(10:23)→うつろぎ山(10:29)→青笹山1(0:32)→田代峠(11:17)→砂子山(11:42)→送電鉄塔佐久間東幹線(11:52)→深田尾峠(12:03)→赤岳(12:16)→徳間峠(12:42)→高ドッキョウ(13:34~13:49)→徳間峠(14:25)→徳間峠登山口(静岡)(14:56) 所要時間 7時間14分 累積標高 1788m / 1787m 距離 13.5km
■高ドッキョウは標高1134mの山だが、身延線の井出駅付近から見ると、篠井山(しのいさん)の後方に丸くとがり、ひときわ目立つ。興津(おきつ)川上流の静岡・山梨県境、樽峠と徳間峠の中間に位置しているが、地形図には山名の記載がない。高ドッキョウへの一般的なコースは、東海道線の興津駅からバス終点の板井沢まで入り、そこから歩きだすことになる。林道終点から山道に入り、よく踏まれた道が樽峠まで続く。峠の少し手前に水場がある。また高台には無人の山小屋が建つ。峠は明るく、気持のよい広い草原になっている。二等三角点の山頂はあまり広くはないが、平坦で明るい。篠井山や毛無山、七面山(しちめんざん)の展望がいい。下山は道のいい往路を戻るのが早い。バス終点から数時間の静かなハイキングコースである。(山と溪谷オンライン)
■青笹山は北に十枚山、南に真富士山と、堂々とした山容の二山に挟まていて、遠くから眺めてもはっきりしない。しかし、春はいろいろな種類のツツジが咲き、目を楽しませてくれる山である。山頂からの展望も良い。麓にはワサビ発祥地として知られている有東木集落がある。(山と溪谷オンライン)

山梨百名山(やまなしひゃくめいざん)は、1997年、山梨県によって選定された県内の名山100選である。一般公募と市町村推薦であがった候補の中から、選考委員会によって、県民に親しまれている・全国的な知名度がある・歴史や民俗との関わりあるなどの基準で選ばれたとされる。

安倍東山稜

安部東山稜の東に位置する両河内の大平集落より。

徳間峠への登山口手前に駐車してスタートします。

ここには昨年(2022年)9月の台風15号による大規模な土石流の痕跡が残っています。

現在は復旧整備され通行可能で、その路肩に2台程度の駐車スペースがあります。

ちょうど、土石流による崩落地越しに安倍東山稜、中央に目指す浅間原が見えます。

東海自然歩道(徳間峠登山口)

崩落地を進んだ先に東海自然歩道の案内板、写真には写っていませんが、

一番下の方角が徳間峠への登山道を示しています。

ぐるっと周回した後、この案内板がある所に下山予定です。

東海自然歩道が通る林道はこの先、田代峠まで続きます。

歩いていると、峠の手前で作業している工事車両数台が通過していきました。

ここから峠方面へ少し歩き、林道脇よりショートカットして取付き尾根へ。

途中から中電の巡視路と合流、その後は快適な道となります。

炭窯跡

高圧線鉄塔の伐採地に出ると、カヤトの登りとなり展望が開けます。

振り返ると砂子山と赤岳の鞍部から富士山。

南東には朝日に照らされた駿河湾と、その先に伊豆半島が見えてきます。

駿河湾と伊豆半島

基本的に中部電力鉄塔巡視路のため、歩きやすく整備もされています。

特に序盤は道も明確で、気持ちの良いルートが続きます。

しかし上部へ行くに従い、崩落地やザレたトラバースもあるので注意が必要です。

富士山と愛鷹山

浅間原(1420m)

急登を登りきると浅間原へ、

広々とした伐採地には佐久間の変電所から東京まで続く「佐久間東幹線」が建ちます。

浅間原より東側の展望

富士山の手前に富士宮市の展望。

左から中央にかけて天子山地、左端に大きな毛無山が目立ちます。

左端の砂子山の横に見える伐採地へと高圧電線が続きます。

さらに深田尾峠から赤岳、徳間峠からP913を経由して高ドッキョウへと尾根が伸びます。

今回のルートで後半歩く尾根です。

浅間原より西側の展望

高圧電線は手前の安部西山稜、見月山の北に位置する中平分岐へ、

さらにその先は参謀本部からの尾根を経て、天狗岳の北にある一本杉峠へと伸びています。

浅間山から青笹山までは安部東山稜の中でも特に笹藪の濃い区間です。

青笹山より北は刈り取られ登山道として整備されていますが、

浅間原からは藪漕ぎとなります。

足元をよく見ると、以前刈り取られた登山道の跡が解るので辿るように進みます。

三等三角点(浅間原) 1498.63m

大平山(1518m)

途中、三角点ピークから少し登ると大平山(1518m)へ

この辺りは笹が膝丈となり、西側に素晴らしい展望があります。

手前が安倍西山稜、月見山〜二王山の稜線、中央の綺麗な三角形は七ッ峰です。

七ッ峰から三ッ峰〜勘行峰〜笹山の稜線、

背後に深南部、黒法師岳〜不動岳と大無間山が大きく聳えます。

南アルプス 光岳〜上河内岳〜聖岳 青薙山、

稲又山の間から冠雪した赤石岳、荒川三山を望みます。

ここ(大平山)から東に伸びる尾根を使い興津川へ下るルートもあります。

大平山から青笹山までは、背丈以上の笹が密集した激藪区間となります。

以前整備された登山道の上に笹が覆いかぶさり、ルートを見失いがちですが、

よく見ると歩きやすいルートを探せると思います。

青笹山(1550m)

青笹山は安部東山稜にあって、北の十枚山、南の真富士山にはさまれ、

遠くからその山容を見分けるのが難しい穏やかな山です。

その名の通り、稜線上には笹が生い茂ります。

北の地蔵峠からのルート上の笹は刈り取られており、歩きやすい登山道となっています。

安部東山稜は、ここ青笹山で尾根を分かち、

南は真富士山から竜爪山と続き、賤機山にて終焉します。

一方、南東に伸びる尾根は田代峠から砂子山、赤岳、高ドッキョウへと至ります。

静岡・山梨間の県境は青笹山から、この区間を通っています。

県境を示す境界標

山頂から南東へ少し下ると富士山の展望地があります。

笹は枯らしてあり、稜線に比べて歩き易い道が続きます。

序盤は緩やかですが、P1232に向けて徐々に足場の悪い急斜面となり、

所々には古いロープも設置さてれています。

P1232へ

P1232は尾根が崩壊し通行できないため、真下にトラバースルートが設置されていますが、

現在このトラバース道も崩落してしまったため、通行止めとなっています。

崩壊地までロープを伝って行きます。

崩壊地

崩壊地には古いロープがあります。 慎重に通過しました。

※安易な通行は絶対に辞めて下さい。

反対側から、尾根にはロープが張られ通行止めとなっています。

以前は比較的簡単に通れたそうですが、現在尾根の上部はかなり崩壊が進んでいるようです。

この先、田代峠までは快適な一般道となります。

田代峠(1035m)

「田代峠(1035m)」にはお地蔵様、興津川はここ田代峠に源を発します。

周辺にはベンチやテーブルが設置された休憩適地となっています。

ここで、スタートした地点から続く東海自然歩道が交差し、奥山温泉へと続きます。

この辺りの山域はヤマビルの生息地です、シーズン外の散策をお勧めします。

砂子山(1159m)

田代峠から次第に細尾根となり、急登をひと登りすると「砂子山(すなこやま)」へ。

山頂は双耳峰になっており、北峰を越えた先の南峰に山標が設置されています。

佐久間東幹線

砂子山から先は、ザレて足場の悪い下りとなります。

やがて周辺の木々が刈り取られた、浅間原から続く鉄塔へ出ます。

先ほどいた浅間原から標高を下げ、小 浅間原な展望が広がります。

やや見える角度が変わり、眼下には徳間集落が見えます。

また西側には安部東山稜の山々を真近に望みます。

赤岳の先に高ドッキョウ

安倍東山稜 竜爪山〜真富士山

安倍東山稜 浅間原〜青笹山

赤岳(1055m)

鉄塔から深田尾峠(935m)までの下りは特にザレており、

木の根などの足掛かりもないため慎重な下りとなります。

さらに赤岳までも同様に、足場の悪い急登を登り返します。

山頂はアセビなどの灌木が被い展望はありません。

赤岳から徳間峠までの下りは特に神経を使う区間です。

急な所にはロープが整備されています。

小さなコブを何度か越えながら徐々に標高を下げていきます。

徳間峠(790m)

徳間峠の優しいお顔のお地蔵様に癒されます。

光背には文久三年(1863年)十二月吉日と刻まれています。

山梨県側に下ると、林道から徳間バス停へと至ります。

ここから高ドッキョウへと往復し、興津川沿いの徳間峠登山口へと下山します。

徳間峠からもしばらく厳しい尾根が続きます。

ここにも最近設置されたと思われるロープが何ヶ所かありました。

P913

急な瘦せ尾根を登ると、広いスペースのP913へ。

ここから南西方向に少し下ると、空海伝説の残る巨木で、

静岡県の天然記念物にも指定されている「大平のコウヤマキ(高野槇)」があります。

弘法大師がこの地で休憩した時に、

地面に突き刺して置き忘れた杖がこの木になったとの伝説があります。

P913を過ぎると傾斜は緩やかになります。

高ドッキョウ(1133.24m) 三等三角点(大平村)

変わった山名の高ドッキョウは「高ドッキョー」とも書きます。

山頂から唱える読経の声が麓の集落まで聞こえたからとの説もあるそうですが、

「ドッキョウ」とは「突起(トッキ、ドッケ)」の意味の関東の方言で、

尖った山頂を意味するのではないかとも言われています。

山頂一帯は広く休憩適地となっています。

木々に覆われた山頂ですが東側に一部開け、ちょうど富士山を望むことが出来ます。

来た道を徳間峠まで戻り下山。

沢沿いを交差しながら下っていくと途中に細長い滝があります。

やがて沢が大きくなり、ゴロゴロとした河原状の歩き難い石の道となると、

今朝のスタートした東海自然歩道の看板の所に至ります。

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