貫ヶ岳(897m) 平治ノ段(937m) 倉骨山(804m) 白鳥山(567m)・中沢集落より




貫ヶ岳(897m) 平治ノ段(937m) 倉骨山(804m) 白鳥山(567m)・中沢集落より

「貫ヶ岳(897m)」~「平治の段(937m)」から「白鳥山(567m)」まで、

静岡・山梨間の県境を歩いて来ました。

スタートは中沢公民館前の「貫ヶ岳登山口駐車場」より、中沢登山口から貫ヶ岳へ。

その後、稜線を南下し、平治の段から「中沢峠(739m)」まで県境の尾根を下ります。

途中のピーク「倉骨山(804m)」に立ち寄り、再び県境尾根を「日向集落」へ下山します。

県境を隔てる、「内房境川」沿いを国道52号まで歩き、白鳥山を横断し周回してきました。

(※ 一部バリエーションルート含みます)

貫ヶ岳(かんがたけ)

標高 897m 登山日 2023年12月2日
山梨百名山 三等三角点(貫ヶ岳)
所在地 山梨県南巨摩郡南部町万沢

平治ノ段(へいじのだん)

標高 937m 登山日 2023年12月2日
別名 南貫ヶ岳
所在地 山梨県南巨摩郡南部町万沢

倉骨山(くらぼねやま)

標高 804.04m 登山日 2023年12月2日
二等三角点(中河内村)
所在地 山梨県南巨摩郡南部町万沢

白鳥山(しらとりやま)

標高 567.38m 登山日 2023年12月2日
静岡の百山 山梨百名山 三等三角点(白鳥山)
所在地 山梨県南巨摩郡南部町万沢

難易度 ★★★   オススメ  登山口(ナビ検索) 中沢公民館
中沢公民館(07:32)→焼山峠(08:25)→貫ヶ岳(08:35)→焼山峠(08:44)→晴海展望台(08:55)→十国展望台(09:09)→平治の段(09:12)→中沢峠(09:45)→倉骨山(09:55)→白鳥山(12:49~13:02)→白鳥山森林公園駐車場(13:07)→中沢公民館(15:14) 所要時間 8時間37分 累積標高 1929m / 1934m 距離 23.5km
■山梨県の最南端に位置する貫ヶ岳(897.3m)。1000mに満たない標高ながら、樽峠を挟んで連なる高ドッキョウや平治岳などとの稜線の縦走コースが東海や東京近郊の熟練登山愛好家にも広く親しまれている身延町の秀峰として知られています。貫ヶ岳の登山ルートは静岡県側の樽峠方面から縦走するコースを歩く人も多いようですが、山梨県の南部町方面からアプローチする場合は東山麓を通る県道811号線沿いの中沢公民館から直登するコースや、中沢公民館から林道を奥に入ったところにある中沢峠登山口から十国展望台を経由するコースをピストンでまたは周回ルートで登るのが一般的なようです。

「静岡の百山」は、東部から西部、北部まで静岡県内の山が幅広く選ばれています。 叉、海岸近くの低山から南アルプスの3000mを越える山までバラエティーに富んでいます。 本自体は山名の由来、歴史など生活に密着した山の説明が中心で、登山のガイドブックではありません。 山の知識を深め、より楽しむための本です。

山梨百名山(やまなしひゃくめいざん)は、1997年、山梨県によって選定された県内の名山100選である。一般公募と市町村推薦であがった候補の中から、選考委員会によって、県民に親しまれている・全国的な知名度がある・歴史や民俗との関わりあるなどの基準で選ばれたとされる。

貫ヶ岳登山口駐車場

中沢集落の「貫ヶ岳登山口駐車場(中沢ドクターヘリ場外離着陸場)標高275m」より

駐車場からはこれから向かう、平治の段〜貫ヶ岳の稜線が見えます。

目の前には中沢公民館があり、手入れの行き届いた綺麗なトイレもあります。

中沢公民館

貫ヶ岳登山口駐車場(中沢ドクターヘリ場外離着陸場)

住所   〒409-2103山梨県南巨摩郡南部町万沢15157(※中沢公民館)

駐車台数 20台程

トイレ  有り(中沢公民館)

電波   通じる

主要登山ルート

貫ヶ岳 (往復所要時間:3時間35分)
平治の段(往復所要時間:4時間30分)

貫ヶ岳の中沢登山口前にある陵草スポーツ広場・ドクターヘリポートに隣接する無料駐車場(標高275m)。アクセスは新東名高速の新清水インターチェンジを下りて国道52号線の甲府・身延方面へ左折、3.5kmほど先の産業廃棄物処分場脇の分岐を県道192号線の中沢・日向方面へ左折、集落に出たら県道811号線へ右折して橋を渡り山梨県南部町へと入り1.2kmほど進むと中沢公民館の向かいにある。登山口は公民館脇から分岐する道を進んだ先にあり、公民館前にはトイレも設置されている。

中沢公民館の横から、一乗寺へと向かう細道を進むと「中沢登山口」へと至る。

入り口には貫ヶ岳登山道の案内板があります。

中沢登山口

公民館から道なりに数百メートル進むと「中沢登山口」があります。

ここには「平治の段 (南貫ヶ岳)から中沢峠・矢口登山口方面へは通行止め」

と注意書きがありますが、中沢峠までは自己責任で通過させて頂くこととします。

登山道は大変良く整備されています。

序盤は緩やかな植林帯を進み、標高700m辺りから自然林に変わると、

傾斜がきつくなり始め、少し足場も悪い所も出てきます。

この辺り、ちょうど紅葉が見頃でした。

焼山分岐(851m)

最後の急登を登ると「焼山分岐(851m)」へ、ここを北に行くと貫ヶ岳、

南下すると平治の段に至ります。

貫ヶ岳(897m) 三等三角点(貫ヶ岳)

山梨県の最南端に位置する「貫ヶ岳(かんがたけ)」は山梨百名山の一座です。

山頂からの展望はありませんが、別名 南貫ヶ岳と呼ばれる「平治の段」までに

幾つかの展望箇所があります。

晴海展望台(929m)

貫ヶ岳から、再び焼山分岐を経て「晴海展望台(929m)」へ。

ここは目の前に遮るものがなく、ルート上、最も展望の良い場所です。

広いスペースにはベンチがあり休憩適地となっています。

目の前には天子山地、中央に大きな毛無山が目立ちます。

さらに奥には御坂山地や八ヶ岳まで望むことが出来ます。

ちなみに手前が登ってきた中沢集落からの尾根になります。

富士山と白鳥山

南東方面には愛鷹山塊と駿河湾越しに伊豆半島の展望。

右端から中央へと伸びる尾根が、この後歩く静岡・山梨の県境尾根です。

登山道

十国展望台より

樽峠への分岐(937m)近くに「十国展望台」があり、

こちらにもベンチが整備されています。

平治の段(937m)

平治の段は別名 南貫ヶ岳と呼ばれています。

安部東山稜は青笹山にて尾根を分かち、南は真富士山~竜爪山と続き賤機山にて終焉します。

一方、南東に伸びる尾根は赤岳、高ドッキョウから、この平治の段へと至ります。

静岡・山梨間の県境はこの区間を通っています。

平治の段から少し下り、ここから通行止め区間、中沢峠まで下ります。

中沢峠までは少し前は一般ルート、歩きやすい道が続きます。

その先が荒れた道となっているため、現在は通行止めとしているようです。

駿河展望台

途中に展望ポイント「駿河展望台」があります。

こちらでは文字通り静岡市方面の展望、三保の松原や日本平、

安部東山稜の竜爪山等の山々を見ることが出来ます。

登山道に県境を示す、プラスチック製の境界標(県境杭)が続きます。

元々一般ルートだっただけあって歩き易いです。

中沢峠(中河内峠)739m へ

ここから内房境川まで下り、中沢(矢口登山口)へ至るルートも通行止め区間です。

沢沿いの道はかなり荒れているそうです。

ここから少し外れた所にある倉骨山(804.04m)に立ち寄りました。

倉骨山(804.04m) 二等三角点(中河内村)

木々の間から貫ヶ岳〜平治の段

倉骨山から先は、踏み跡・マーキングも少なく、完全にバリエーションルートとなります。

尾根の形状がはっきりしない所が多く、何度も方向を修正しました。

特に下りで使うには不向きかと思います。

途中、標高600m地点、この辺りは紅葉が見頃で癒されました。

この先P552からは、尾根上に倒木や木々が密集し、さらに歩き難い区間が続きます。

沢の合流地点で尾根が終わり、川を渡渉し日向集落へ。

県境はこの後、「内房境川」沿いを白鳥山まで続きます。

馬頭観音石碑

内房境川の右岸、静岡県道192号(宍原塩出線)を終点の国道52号まで歩く。

静岡・山梨を隔てる内房境川

陵草古道

内房境川に掛かる橋の途中に「陵草古道を歩こう」の看板。

山梨県最南「南部町」の南端に位置し、静岡市に隣接する6つの集落

「大城(おおじろ)・屋敷平・杉山・梅島・日向・中沢(なかっさわ)」は、

陵草と呼ばれているそうです。

県道が出来る以前、ここの集落を結ぶ古道のようです。

国道52号へ

白鳥山取付き

内房境川と並行してしばらく国道52号を歩き、甲駿橋北詰を静岡県道190号(塩出尾崎線)へ。

県境看板の先、ここから白鳥山へ向かって県境界線が伸びています。

ここから取付き、登り始めからしばらくは踏み跡がない急登を登ります。

南物見台

標高350m程まで登ると傾斜が緩やかになり、次第に歩きやすくなってきます。

途中、作業林道を何度か交差します。

標高400mの地点には「南物見台」、白鳥城跡の遺構を示す案内板があります。

白鳥山城南面案内図

ゴルフ場からの道路と一旦交差、ここに城跡に関しての案内板があります。

ここからしばらく登ると石積みの山小屋番人跡があり、その先で白鳥山遊歩道に合流します。

山小屋番人跡

白鳥山(567.38m) 三等三角点(白鳥山)

静岡の百山・山梨百名山の一座です。

山梨県が森林公園として整備し、山頂にはベンチ・テーブル・展望台等があり、

正面には富士山・北西には南アルプスなどが望まれます。

天子山地 天子ヶ岳〜白水山

戦国時代武田氏が駿州からの攻撃に備え砦を築き、

情報伝達に狼煙を上げ知らせたといい、山頂には狼煙跡も残っています。

山名の由来には諸説ありますが、その一つには日本武尊が東征の帰路、この地で亡くなり、

白鳥になって都に飛び立った、と言う伝説によります。

白峰三山と七面山の両端から赤石岳と塩見岳

また、宝永地震(1707年)と安政地震(1854年)の大地震により山が崩壊、

土石が富士川の流れをせき止め、対岸の長貫を埋め、

莫大な被害を出したことが記録されています。

その崩壊跡は今でも富士川方面から窺うことができます。

山頂から県境界を辿り、富士川まで下ります。

しばらくフラットな尾根歩きが続きますがその後急斜面へ。

この辺りから北尾根にかけてが崩壊地とみられ、ザレた急斜面と不安定な岩場が連続します。

最後、県道までは高い金網に阻まれて降りられません。

マーキングを辿り、ここの出口から県道へ降り立ちます。

富士川と採石場

この後、県境は富士川を渡り、私有地の採石場を通り、

白水山への尾根から天子ヶ岳へと続きます。

日向集落のヤギ

万沢の林道を経由して国道52号から、 再び、県道192号(宍原塩出線)へ

日向集落から中沢集落まで戻り終了しました。

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