編笠山(2524m) 権現岳(2715m) 赤岳(2899m)・観音平より




編笠山(2524m) 権現岳(2715m) 赤岳(2899m)・観音平より

観音平駐車場より、編笠山~権現岳の分岐から「八ヶ岳キレット」を経て最高峰の赤岳まで、

再び、権現岳の分岐まで戻り、三ッ頭を経由して周回してきました。

「八ヶ岳キレット」とは八ヶ岳南部の権現岳と赤岳の間に有る岩稜帯の事です。

通常キレットと言えば、北アルプスの三大キレットが有名ですが、

同様に岩稜帯で知られる八ヶ岳南部のキレットも有名で、

途中には「キレット小屋」も存在します。

八ヶ岳を全山縦走する際には必ず通過することになる場所で、

登り応えが有り、景観にも優れる場所です。

網笠山(あみかさやま)

標高 2523.93m 登山日 2023年9月2日
山梨百名山 二等三角点(網笠岳)
所在地 長野県諏訪郡富士見町立沢

赤岳(あかだけ)

標高 2899.36m 登山日 2023年9月2日
八ヶ岳最高峰 日本百名山 山梨百名山 一等三角点(赤岳)
所在地 山梨県北杜市高根町清里

権現岳(ごんげんだけ)

標高 2715m 登山日 2023年9月2日
山梨百名山
所在地 山梨県北杜市大泉町谷戸

三ッ頭(みつがしら)

標高 2580m 登山日 2023年9月2日
八ヶ岳連峰の南端のピーク
所在地 山梨県北杜市大泉町谷戸

難易度 ★★★   オススメ ★★★ 登山口(ナビ検索) 観音平駐車場
観音平(04:07)雲海(04:41)→押手川(05:04)→編笠山(05:54)→青年小屋(06:17)→のろし場(06:37)→西ギボシ(06:50)→東ギボシ(06:59)→権現小屋(07:04)→縦走路分岐(07:10)→旭岳(07:23)→ツルネ(07:43)→キレット小屋(07:58)→天狗尾根 稜線分岐(08:45)→真教寺尾根分岐(09:01)→竜頭峰(09:06)→赤岳(09:12)→竜頭峰分岐(09:27)→真教寺尾根分岐(09:32)→天狗尾根 稜線分岐(09:44)→キレット小屋(10:15)→ツルネ(10:42)→旭岳(11:03)→縦走路分岐(11:18)→権現岳(11:20)→三ッ頭(12:03)→前三ツ頭分岐(12:06)→木戸口公園(12:37)→ヘリポート跡(12:44)→八ヶ岳横断歩道分岐(13:27)→観音平(13:50) 所要時間 9時間42分 累積標高 2364m / 2364m 距離 16.7km
■編笠山は八ヶ岳連峰最南端の山で、山梨県北杜市小淵沢町と長野県諏訪郡富士見町との境にある。山裾を長く引いた優美な山容が、編笠を伏せたように見えるところから山名となったと考えられる。山頂からの展望の特色は、甲斐駒や鳳凰三山が釜無川を隔ててぐっと間近に迫るところにある。また、権現岳、赤岳、阿弥陀岳などがうち連なり、ひときわ感慨深いものがある。山頂部はハイマツの限界域で、多量の岩塊を擁しており、青年小屋付近にはヤナギラン、グンナイフウロ、ヤマハハコ、シナノオトギリなどの草花が待ち受けている。権現岳までの間にはノロシバ、西ギボシ、ギボシの小岩塔があり、北西には西岳を従えている。ノロシバとは、16世紀後半に武田信玄の家臣、高坂弾正が狼煙(のろし)台を置いた所と伝えられている。また、西岳へは青年小屋から乙女ノ水場を経て「源治新道」というルートが拓かれている。山麓にある観音平は甲斐源氏ゆかりの地で、富士山をはじめ南アルプスの展望に恵まれた台地である。小淵沢駅から観音平を経て5時間弱、権現岳から2時間、八峰苑から西岳を経て3時間。(山と溪谷オンライン)
■赤岳は八ヶ岳連峰の最高峰で、長野県茅野市、南佐久郡南牧村、山梨北巨摩郡大泉村(現・北杜市)との境に位置している。山頂は赤岳頂上山荘のある北峰と、一等三角点がある南峰とに、わずかな距離をおいて分かれている。北峰からは県界尾根が、南峰の南にある竜頭峰からは真教寺尾根が、ともに山梨県側へ延び、縦走路は南方はキレットを経て権現岳へ、北方は横岳へと連続し、西方は中岳を経て阿弥陀岳へのルートも通じている。
■権現岳(ごんげんだけ)は、八ヶ岳連峰の南部に位置する山。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。標高 2,715 m 。江戸時代末期までは長野県富士見地域では「薬師ヶ嶽」とも呼ばれた。北側の赤岳との間は、キレットとなっていて一気に落ち込んでいる。権現岳から南の八ヶ岳連峰には、自身より高い山はないため、山頂からは赤石山脈(南アルプス)を見渡すことができる。
■三ヶ頭(みつがしら)は八ヶ岳連峰の南端付近にそびえる山。山頂からは八ヶ岳連峰全体が望める展望の山で、とくに主峰の赤岳の三角錐の姿を見ることが出来る場所となっている。天女山コースで天女山口から、または小泉口コースで観音平からそれぞれ、約4時間程度で山頂に立つことが出来る。

日本百名山』(にほんひゃくめいざん)は、小説家、随筆家の深田久弥の著した山岳随筆。文筆家で登山家でもあった本人が、実際に登頂した日本の各地の山から自身が定めた基準で、100座を選び主題とした随筆集。

山梨百名山(やまなしひゃくめいざん)は、1997年、山梨県によって選定された県内の名山100選である。一般公募と市町村推薦であがった候補の中から、選考委員会によって、県民に親しまれている・全国的な知名度がある・歴史や民俗との関わりあるなどの基準で選ばれたとされる。

観音平駐車場

観音平駐車場より、「観音平」という名は、甲斐源氏の始祖・親羅三郎義光が

この地に観音菩薩を祭ったという伝説にちなんで名付けらました。

八ヶ岳南麓を代表する登山口で、編笠山・権現岳、

そして「八ヶ岳横断歩道」ルートの起点として人気の高い登山口です。

観音平(駐車場)

駐車台数    50台程+路肩

トイレ     簡易式トイレ有り

電波      通じる

主要登山ルート

編笠山(往復所要時間:5時間35分)
三ツ頭(往復所要時間:6時間30分)
権現岳(往復所要時間:8時間00分)

八ヶ岳南端の編笠山の主要登山口となる観音平にある無料駐車場(標高1560m)。アクセスは中央道の小淵沢インターチェンジを下りて八ヶ岳高原ライン(八ヶ岳横断道路)の清里・富士見高原方面へ右折、3.9kmほど先で観音平の道標に従い県道618号観音平下久保線へ左折して終点まで進むと未舗装の駐車場がある。車道終点すぐ左手の未舗装路奥に第二駐車場もあるがシーズンは混雑し、県道上に路駐する車の列が伸びることもある。駐車場まで2車線の走りやすい舗装路だが、11月末から4月末までは冬期通行止となる。

八ヶ岳横断歩道案内図

八ヶ岳横断歩道は、八ヶ岳の南斜面の標高1450m~1800mを横断する、

観音平~天女山~美し森 全行程約16kmのトレッキングルートです。

横断歩道といっても、いくつもの尾根や谷を通過するアップダウンの多い登山道ですので、

装備は必要です。

下山は、三ッ頭から八ヶ岳横断歩道へ降る予定です。

スタートからしばらくは傾斜の少ない緩やかな登り。

最初の休憩ポイント「雲海展望台」は見晴らしが良く、富士山が見えることもあります。

「押手川」は少し広くなっており、ここも休憩ポイントとして使えます。

押手川からは大きな石の多い急登で、途中ハシゴがかかっているところもあります。

岩の急登より

山頂手前の岩の急登より、南アルプスと雲海の展望。

山頂が近づくと森林限界のハイマツ帯となり、網笠山へ到着します。

編笠山(2523.92m) 二等三角点(編笠岳)

八ヶ岳連峰の最南端に位置する「編笠山」

この先、連なる八ヶ岳連峰、阿弥陀岳〜中岳〜赤岳 ギボシ〜権現岳〜三ツ頭が望めます。

山名の由来は、山裾を長く引いた優美な山容が、

編笠を伏せたように見えるところから名付けられたといいます。

雲海に浮かぶ富士山

釜無川を隔て間近に南アルプスの迫力ある展望。

右から鋸岳〜仙丈ヶ岳〜甲斐駒ヶ岳〜北岳〜鳳凰三山

中央アルプスの展望、恵那山から木曽駒ヶ岳まで、

手前には、入笠山の富士見パノラマスキー場がよく見えます。

北アルプスと影 網笠山

山梨百名山の山標

編笠山からは、直径5メートルはあろうかという大岩のゴーロ帯が

青年小屋の手前まで広がっています。赤ペンキが塗られた岩を辿れば小屋へ至ります。

青年小屋

「青年小屋」は編笠山と権現岳の鞍部に建ち、

軒先には「遠い飲み屋」の提灯を掲げている、八ヶ岳の名物 山小屋です。

南東には富士山の全景が、西には北アルプスが展望できる好立地にあります。

また小屋付近にはヤナギラン、グンナイフウロ、ヤマハハコ、シナノオトギリなどの

草花の群生地でもあります。

現在は外壁工事中とのことで足場が組まれていました。

青年小屋

住所     編笠山北東鞍部(山梨県北杜市小淵沢町8881)

電話番号   0551-36-2251(090-2657-9720)

営業期間   4月下旬~11月上旬  (年により変動のため要確認)

収容人数   150名

料金     1泊2食 大人10,000円・素泊り 6,500円

テント場   約20張(1名800円)

H.P     yatsugatake-seinengoya-tooinomiya.net

テント場

小屋の近くには夏でも水温が4℃の金命水(乙女の水)が湧き出しており

登山者のノドをうるおします。

また、西岳へは青年小屋から乙女ノ水場を経て「源治新道」というルートが拓かれています。

ノロシバ(のろし場)

青年小屋より権現岳方面へ、登り始め少し開けた所は「ノロシバ」と呼ばれています。

ノロシバとは、16世紀後半に武田信玄の家臣、高坂弾正が

狼煙(のろし)台を置いた所と伝えられています。

ノロシバより西ギボシを望む。

樹林帯を抜け、登り返して岩稜帯に進みます。

擬宝珠(ギボシ・ギボウシ)とは、橋や寺社の欄干の親柱に取り付けられた

タマネギをさかさまにした形の伝統的な建築物の装飾です。

ノロシバから先、権現岳までの間には、西ギボシ、東ギボシの小岩塔があり、

北西には西岳を従えています。

編笠山と南アルプス

ザレた急斜面を登り「西ギボシ(2650m)」へ、

同心円を描く様に美しい円錐形の編笠山、ゴーロ帯の下には青い屋根の青年小屋が見えます。

標高を上げていくと、次第に南アルプスの裾野が広がっていきます。

手前は三ツ頭から続く尾根。下山で使い観音平へ戻る予定です。

東ギボシへのトラバース

続いて東斜面をトラバースし「東ギボシ(2700m)」へ

目の前に権現岳と稜線直下に建つ「権現小屋」が見えてきました。

権現小屋

権現岳の西の肩に張り付くように建つ「権現小屋」

釜無川を隔てて南アルプス、西には北アルプス、北には八ヶ岳と

ダイナミックな眺望が楽しめることで人気の山小屋。

青年小屋と同じオーナーが管理しており、人手不足からここ数年は営業を見送っています。

権現小屋

住所     山梨県北杜市小淵沢町8881

電話番号   0551-36-2251(090-2657-9720)※青年小屋と兼用

営業期間   4月下旬~11月上旬  (年により変動のため要確認)

収容人数   40名

料金     1泊2食:7,800円・素泊まり:4,800円

テント場   無し

水場     無し

H.P     yatsugatake-seinengoya-tooinomiya.net

東ギボシ〜西ギボシ~網笠山

赤岳方面の展望

富士山と権現岳

権現岳頂上まで約1分の場所にある赤岳分岐を示す指導標。

ここがキレットを越えて赤岳へ向かう縦走路の分岐となります。

赤岳へはキレットを隔てて西側は立場川、東側は川俣川の源頭部にあたる地獄谷が、

それぞれ険しい懸崖を作り出しています。

この先は登山者の数も激減します。

最初の難所「ゲンジー梯子」までは左右に眺めの良い尾根が続きます。

左から甲武信ヶ岳〜小川山〜国師ヶ岳〜金峰山、小楢山や曲岳と続き、

金ヶ岳〜茅ヶ岳付近には雲が掛かっています

ゲンジー梯子

有名な「ゲンジー梯子」 61段もあるそうです。

斜度は約45度くらいでしょうか。下りは梯子に取り付く一歩目がやや緊張しますが、

降り始めてしまえばさほどの高度感も無く、周りを見渡せる余裕が出てくるはずです。

ゲンジー梯子を振り返って、この左端の段差に梯子が掛かっています。

続いて旭岳へ登り返します。稜線の上の方は岩場になっており山頂付近は通過せずに、

山頂直下で左手側にトラバースしていきます。

旭岳(2671m)より目指す赤岳、

中央の木々の無い緩やかなピークはコマクサが群生する「ツルネ」。

ここから灌木の中を急降下していきます。

露岩が二箇所にあり、それをすり抜けるように下降していきます。

奥秩父方面の山並み

ツルネ(2553m)

ツルネは双耳峰になっており、北峰が最高峰(2,564m)・南峰は標高 2,553m、

赤岳から権現岳の稜線間のほぼ中央に位置しています。

ツルネ南峰からハイマツとシャクナゲに覆われた旭岳を振り返る。

復路はここの登り返しがとても大変でした。

キレット小屋へ下る手前、岩場の展望地より。

天狗尾根の大天狗と呼ばれる奇峰が大きく見えてきます。

天狗尾根はバリエーションルートで、清里の美し森駐車場から入山し、

地獄谷の上流にある出合小屋が登山基地になっています。

キレット小屋

権現岳~赤岳間のキレットにある「八ヶ岳 キレット小屋」は本沢温泉が運営しています。

本年度は完全予約制の営業のみのため閉められてします。

小屋北側の砂礫地には、コマクサがの群生地があります。

八ヶ岳 キレット小屋

所在地    山梨県北杜市大泉町

電話番号   090-5446-1205

連絡先    〒391-0011長野県茅野市玉川2382-5

営業期間   7月上旬〜10月中旬 (年により変動のため要確認)

収容人数   10名程

料金     1泊2食:8000円・素泊まり:5000円

テント場   10張程度 (斜面が多いため混雑時には要注意。)

トイレ    簡易トイレ(チップ制)

水場     有り(小屋から2分程度)

H.P     yatsu-honzawaonsen.com

キレット小屋から樹林帯を経て、ザレ場のジグザグを登ります。

そこから先は、ルンゼ状の岩場の登りが始まります。

ガレてはいますがホールドはしっかりあり難しくはありません。

しかし崩れやすく、落石させないよう気を付けて登りましょう。

権現岳を振り返って

ルンゼの登りが終了した所が、本ルート上の難所といわれています。

高度感のある梯子場と鎖の設置されたトラバース区間が続きます。

稜線に出ると傾斜が緩み歩きやすくなります。

正面の竜頭峰に向けさらに登っていきます。

真教寺尾根分岐

歩いて来たルートを一望

赤岳と赤岳頂上山荘

ピークを越えると赤岳山頂部の全容が目の前に飛び込んできます。

文三郎尾根分岐で一般ルートと合流、ここからは登山者で込み合います。

登山者でにぎわう赤岳頂上。

展望抜群で、富士山から南アルプス、北アルプス方面まで見渡すことが出来ます。

山頂には江戸時代から続く修験道の歴史を物語る

赤嶽神社(山頂標識裏)の小祠が祀られています。

赤岳(2899.36m) 一等三角点(赤岳)

硫黄岳〜蓼科山まで、真下には行者小屋も見えています。

賑わう山頂を後に下山に転じます。

文三郎尾根分岐過ぎると、再び静かな山歩きとなります。

核心部を前にこの日の工程、全てのルートが見渡せます。

真教寺尾根分岐より

阿弥陀岳(2805m)

キレットを通過し来た道を戻ります。

再度ゲンジー梯子を登り、赤岳分岐からすぐの権現岳へ。

権現岳(2715m)

権現岳頂上の背後は地獄谷の断崖絶壁で、大人一人が立てるくらいの狭いピークです。

山頂の岩塔には長さ2.3m .幅10cmの鉄剣(鉾)が刺さり、

その側に舟形石碑「金比羅大権現」が祀られています。

権現岳から三ッ頭を目指して下っていきます。

稜線に沿って登山道がジグザグに付いているのが見えます。

三ツ頭(2580m)

マイナーな「三ヶ頭(みつがしら)」は八ヶ岳連峰の南端付近にそびえる山。

山頂からは八ヶ岳連峰全体が望める展望の山で、

とくに主峰の赤岳の三角錐の姿を見ることが出来る場所として知られていますが、

雲が掛かって来てしまいました。

のろし場〜西ギボシ〜東ギボシ〜権現岳と、登ってきた尾根を望みます。

網笠山

三ッ頭からは木戸口公園を経て、八ヶ岳横断歩道まで下り、

観音平まで戻り終了しました。

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