川根山(753.63m) 刃熊山(668.12m)・廃村巡り




川根山(753.63m) 刃熊山(668.12m)・廃村巡り

先日歩いた「刃熊山(ナタクマヤマ)」周辺の廃村巡りと軌道繋ぎへ。

大尾山を経由しつつ周回の予定でしたが、林道が通行止めのため計画を途中変更し、

川根山から大日山までの軌道を繋ぎ、かわせみ湖に下りました。

途中、「刃熊・嵯峨野・中塚」の3つの集落を見学しながら歩きました。

川根山(かわねやま)

標高 753.63m 登山日 2024年3月27日
三等三角点(炭焼村) 
所在地  静岡県島田市

刃熊山(なたくまやま)

標高 668.12m 登山日 2024年3月27日
三等三角点(亀久保村) 
所在地  静岡県周智郡森町亀久保

難易度 ★     オススメ ★★ 登山口(ナビ検索)カワセミの里キャンプ場
スタート地点(8:40)→岐(9:25)→森町立天方小学校嵯塚分校(10:39)→登山口(川根山、高塚山へ)(11:26)→川根山(11:54)→登山口(川根山、高塚山へ)(12:20)→ナタクマ山(13:42)→ゴール地点(14:46) 所要時間 3時間44分 累積標高 1132m / 1037m 距離 24.2km
■ー

周智郡森町亀久保、静岡県道399号(大河内森線)沿い、

かわせみの里キャンプ場の近くの駐車スペースより。

前日の雨で水量多めの吉川(太田川)

亀久保集落

県道に掛かる吉川橋の手前から亀久保集落方面へ

この日は、帰りに使う予定だった「林道 明ヶ島線」が通行止めだったため、

急遽ルートを変えました。

刃熊〜嵯峨野〜中塚と歩き、大尾山を経由して周回予定でしたが、

中塚集落からは川根山〜大日山の軌道を繋ぎ、かわせみ湖に下ることにします。

右側、2基の鉄塔の先に刃熊山(なたくまやま)

中央に見えるのが太田川右岸の西亀久保集落、

重要文化財の家屋、友田家住宅が見えています。

木々越しに太田川ダムとかわせみ湖、背後の台形の山は菰張山(614m)です。

道標

亀久保から嵯峨野方面に歩いていくと、 刃熊集落への分岐に案内板、

下には古い石の道標、「右 嵯峨野 大日山道・左 刀熊道」と彫られています。

更に少し進んだ刃熊集落の入口には五体の石仏。

光背には西国三十三所の文字と、

文化(1804〜1830)や文政(1818〜1831)といった元号が見られます。

右側に最初の廃屋、このお宅の横からは林道に至る生活路が残っています。

その先には、軽トラが残された家屋。

広いスペースの刃熊集落の中心部

一番奥の家屋は比較的綺麗で、管理されているようです。

看板にある「森名物 梅衣」

調べてみると紫蘇巻きの和菓子なんだそうです。

やはり元住民の方が管理されているのか、集落の前も伐採されおり光が差し込み明るいです。

右にはかわせみ湖からの尾根が延びています。

あるサイトの記事によると、ナタクマの由来は「灘隈」だったらしく、

遠州灘を望むことが出来る端との意味があるようです。

刃熊山 分岐

先ほどの生活道を使い林道に復帰

ここを左に行くと刃熊山に至りますが、このまま真っ直ぐ嵯峨野集落を目指します。

八高山とミツマタ

大尾山と元大尾山

嵯峨野(佐賀野)集落

嵯峨野(佐賀野)集落は林道の終着点、限界集落です。

刃熊集落に比べて大きめの集落で、上部には数件の廃屋があります。

こちらには比較的新しい家屋、

目の前が開けて展望が良かったです。

嵯峨野集落より望む八高山、手前は高塚山から伸びる尾根です。

大尾山と元大尾山、黒岩山と続きます。

嵯峨野集落では、一番下のお宅は現在でもお住いです。

こちらのお宅の軒先から、中塚集落まで生活路を下っていきます。

嵯峨野からは古道が薄ら残っていました。

沢まで150m程下り渡渉、再び登り返します。

沢を渡った先には滝があります。 ここから道は鮮明になりました。

この辺り、嵯峨野と中塚の名をとって「嵯塚」と呼ばれます。

道中には馬頭観音像、光背には「大日山・大屋」とあります。

P544

地図上で神社のあるピークには廃校がありました。

保存状態の良い平屋 木造建ての校舎と、校庭の片隅には神社が祀られています。

後日調べでは、この建物は「森町立天方小学校嵯塚分校 」といい、

廃墟・廃校マニアの中では結構有名な場所なのだそうです。

森町立天方小学校「嵯塚分校」

森町立天方小学校「嵯塚分校」 は1890(明治23)年に開校。

最盛期には40~50人が通っていたといいます。

1977(昭和52)年に休校し、1990(平成2)年に閉校となりました。

最盛期には明ヶ島に22軒、中塚に8軒、嵯峨野に9軒程の人が生活していたそうです。

先程歩いて来た嵯峨野からの道は通学路も兼ねていたのでしょうか。

校庭に神社跡があります。

御祭神は数年前に里へ下されたとありました。

校庭

中塚集落

嵯塚分校から九十九折の通学路を下ると中塚集落の中心部へ、

周辺には5〜6件の廃屋があります。

立派な石垣のお宅、こちらは倒壊しています。

半壊した家屋

以前、中塚までの車道が作られたそうですが、

完成後直ぐに崩れ使えなくなってしまったそうです。

それ以来、集落に至る道は明ヶ島線から徒歩で来るしかないようです。

集落下まで下って来ると比較的新しい家屋。

倒壊した車道まで出てきます。

中塚集落には数年前まで最後の住人がいらっしゃったそうです。

製茶工場跡

中塚集落は茶業で生計を立てていたのでしょうか、

明ヶ島林道へ下った先には伸びきった茶畑が広がっていました。

中塚集落入口まで下り、林道 明ヶ島線に合流。

ここから歩く予定だったルートを変更して川根方面へ向かいます。

途中、林道の崩落個所、その先には「タイラ沢の大滝」があります。

タイラ沢の大滝

林道 大尾大日山線に合流、ここから川根山を往復します。

鞍部に石仏

山頂手前には有名な放置自転車があります。

川根山(753.63m) 三等三角点(炭焼村)

復路は林道を選択するも大失敗、林道は倒壊していました。

ミツマタ

途中、高根山や菩提山の展望 家山の町並みや、大井川に掛かる駿遠橋も見えています。

川根山

「東光寺屋敷跡」 調べるも不明です。

この尾根は八高山〜大日山〜春埜山〜白山と続く「遠州修験道(春峯)」の入峰ルートでした。

林道西谷線分岐

ここで先日、大日山を登ったルートに合流 同じ道を刃熊山まで下ります。

前回も撮った放置重機。

この先に嵯塚で渡渉した沢の源流があります。

刃熊山(668.12m) 三等三角点(亀久保村)

かわせみ湖

前回とは違うルートで下って来ましたが、こちらの方が歩かれている印象です。

杉沢橋の更に北側に出てきました。

太田川ダム

静岡県道399号(大河内森線)をスタート地点まで戻り終了です。

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