鎌倉最古の寺 杉本寺(すぎもとでら)・苔寺
杉本寺 公式H.P
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金沢街道まで戻ってきました。
余談ですが、この金沢街道とは鎌倉と金沢八景を結ぶ街道で、
現在では県道204号線となっています。
鎌倉時代は鎌倉と金沢にある六浦を結ぶ重要な塩の道でした。
街道沿いには杉本寺のほか、鎌倉五山 第五位の浄明寺や
「竹の寺」で知られる報国寺、また鎌倉幕府の鬼門を守る明王院など
由緒ある数々の寺院が並んでいます。
その金沢街道の入り口付近にある 杉本寺は、ここ鎌倉では最古の寺院。
開山は行基(ぎょうき)。
東国の旅をしていた行基は731年(天平3年)、
大蔵山からみて「この地に観音さまを置こう」と決め
自ら彫刻した観音像を安置したことにはじまる。
その後の734年(天平6年)、光明皇后が夢の中で受けた
「財宝を寄付し、東国の治安を正し、人々を救いなさい」というお告げにより、
本堂を建立したと伝えられています。
杉本寺伽藍復興大勧進御案内
縁起にありますように、当山は天平6年(734)光明皇后の御願により、
行基菩薩が開山となられ自ら一刀三礼され、
十一面観世音菩薩を本尊として奉安し創建されました。
爾来坂東第一番の観音霊場として日夜祈念修法されて参りましたが、
鎌倉・室町時代の大火・兵火に遭い、 江戸期に於いては一時期無住の時もあり、
後の明治の廃仏毀釈、又震災等により寺運も衰微し、
七堂伽藍も観音堂等を除き、悉く焼失倒壊していしまいました。
昭和48年より伽藍復興大勧進の一つとして茅一束運動を進めて参りましたが、
全国はもとより遠くハワイ欧米の方々も含め多くの皆様のご協力、
ご協讃により浄財を得まして、 左記のごとく円成の運びと相成りました。
これもひとえに御本尊の御加護と皆様の御信仰の賜物と
住職並びに世話人一同厚く御礼申し上げます。
引続き勧進を進めて参りますので、
今後とも皆様のご協力ご協讃を切にお願い申し上げます。
杉本寺
鎌倉幕府が成立する500年も前の奈良時代(8世紀)に、
行基が開いたと伝える鎌倉最古の寺です。
行基は奈良の大仏造営への貢献や貧民救済の社会事業などで知られています。
その後、光明皇后の寄進で本堂が建てられたと言われています。
本尊の十一面観音像三体は、国または市指定の重要文化財で、
うち一体は行基の作とされています。
坂東三十三観音霊場の第一番札所で、
8月10日の縁日は参拝者でにぎわいます。
仁王門
階段を登った先に仁王門、茅葺の屋根が趣ある作りです。
画像にはありませんが、仁王像は有名仏師 運慶作と伝わるそうです。
大蔵弁財天堂
「財宝、利得の神、弁天尊をお祀りしている。
古来より、当山の弁天尊をお参りすると
大きな蔵が建つ程富に恵まれるという言い伝えがある」とあります。
大蔵弁財天堂の脇には洞窟
数年後には大きな蔵 建っているでしょうか?
苔の階段
この階段一つで苔寺と呼ばしてしまうほど、
圧巻の苔生した階段です。
昼下がりだったためか、太陽の光に緑が一層鮮やかでした。
早朝や雨の時など、訪れるたびに違う表情が楽しめそうです。
ここ鎌倉の寺社には苔生した庭園が多いです。
それは鎌倉が山に囲まれており、また谷戸(やつ)と呼ばれる
尾根と谷の空間に境内があることに関係しているかもしれません。
とにかくどの寺院も苔が美しい好みの庭園が多いです。
苔の階段を避けるようにぐるっと周り登ってくると本堂境内です。
総茅葺屋根の重厚感ある本堂は、
同じ頃の創建、静岡県島田市の智満寺を思い出します。
茅葺の屋根は数十年に一回、吹き替えが必要なため、
多くの方の信仰心と努力がなければ維持出来ません。
本堂内部は撮影が禁じられているのでお見せできませんが、
本堂内部も拝観ができ、ご本尊を間近で拝むこともできます。
鐘楼堂
地蔵尊と五輪塔の群
広い境内ではありませんが苔寺らしく落ち着いた印象です。
権現堂(白山・熊野両権現尊)
もとは白山・熊野三山に祀られる熊野神が勧請されたもの
権現像の作者、年代は不明
御朱印
杉本寺(すぎもとでら)
通称
杉本観音
宗派
天台宗
山号
大蔵山
寺格
坂東三十三箇所の第1番札所
鎌倉三十三箇所の第1番札所
開山
行基(ぎょうき)
開基
光明皇后
創建年
734(天平6)年
本尊
十一面観音(3体)
住所
〒248-0002 鎌倉市二階堂903
0467-22-3463
拝観料
大人200円(中学生以上)
小学生100円
拝観時間
8:00~16:30
駐車場
なし