常念岳(2857m)蝶ヶ岳(2677m)・三股より周回
北アルプス南部に位置する「常念山脈」の主峰二座、「常念岳」と「蝶ヶ岳」を
三股登山口より周回してきました。
どちらも北アルプス入門としても人気の山で、山頂からは槍ヶ岳、奥穂高岳を始めとした
北アルプスの雄姿が望めるため、シーズン中には大勢の登山者で賑わいます。
登山口最寄りの「三股駐車場」には150台以上の駐車スペースがあるものの、
土日ともなると、すぐに満車となってしまうほどの人気ぶりです。
この三股登山口から登ることが出来る二座を周回するルートは通称「三股サーキット」
などと呼ばれ、健脚者であれば日帰りも可能なルートです。
ちなみに、共に雪形が山名の由来となっています。
前常念岳の東北東斜面に現れる徳利を下げたお坊さんの雪形は「常念坊」、
蝶ヶ岳山直下南側の稜線付近には白い羽根の「チョウの雪形」が現れます。
これらは田植えの時期伝えるものとして知られています。
今回は三股登山口から常念岳~蝶ヶ岳と周回しました。
前常念岳(まえじょうねんだけ)
標高 2661.9m | 登山日 2023年9月16日 |
一等三角点百名山 | |
所在地 長野県安曇野市穂高牧 |
常念岳(じょうねんだけ)
標高 2857m | 登山日 2023年9月16日 |
日本百名山 | |
所在地 長野県松本市安曇 |
蝶ヶ岳(ちょうがたけ)
標高 2677m | 登山日 2023年9月16日 |
槍穂高連峰の展望地 | |
所在地 長野県松本市安曇 |
難易度 ★★ オススメ ★★★ | 登山口(ナビ検索) 三股登山口 |
三股駐車場(03:33)→三股登山口(03:44)→2207標準点櫓跡(05:24)→前常念岳(06:23)→三股への分岐点(06:57→常念岳(07:04~07:07)→2592ピーク(08:25)→蝶槍(09:21~09:29)→蝶ヶ岳三角点(09:29)→蝶ヶ岳・蝶槍間分岐(09:35)→瞑想の丘(09:56)→蝶ヶ池(10:00)→蝶ヶ岳ヒュッテ(10:07)→蝶ヶ池(10:17)→蝶ヶ岳(10:22)→蝶ヶ池(10:24)→蝶ヶ岳(10:25)→大滝山分岐(10:30)→最終ベンチ(10:38)→第二ベンチ(10:45)→蝶沢(11:04)→まめうち平(11:20)→ゴジラみたいな木(11:42)→三股登山口(11:54)→三股駐車場(12:01) 所要時間 8時間27分 累積標高 2102m / 2088m 距離 16.5m | |
■常念岳(じょうねんだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の常念山脈にある標高2,857 mの山である。山体すべてが長野県に属し、松本市と安曇野市にまたがる。常念山脈の主峰。日本百名山のひとつ。 安曇野からは全容が望め、ピラミッド型のその端正な山容は一目瞭然ですぐ見つけられる。常念岳のこの印象的な形状は東に隣接する前常念岳の峰が重なって見える安曇野市豊科以南から眺める場合で、安曇野市穂高以北になるとそれぞれの峰が独立して見えるためまた印象が違って見える。なお、安曇野から眺められる北アルプスは、常念山脈が主役で、穂高岳、槍ヶ岳といった山々は、常念岳、蝶ヶ岳、大滝山といった前衛の常念山脈に隠れ、場所によってその間から顔を出す程度である。安曇野のシンボルであり、長野県立こども病院のマークにも使われている。常念岳の北側の山体は花崗岩質からなり、南側の不変成古生層と大きく異なる境界となっている。東側の山腹には常念岳断層が確認されている。高山帯の山頂部には花崗岩の岩塊が積み重なっている。 |
三股第1駐車場
人気の常念岳と蝶ヶ岳の登山口を兼ねる「三股駐車場」は土日ともなると直ぐに満車になり、
ピーク時には狭い林道に路上駐車の列が繋がることがあります。
トイレは第一駐車場に完備しています。
三股駐車場
駐車台数 三股第1駐車場 約75台(トイレ有り)
三股第2駐車場 約90台
蝶ヶ岳・常念岳の三股登山口へ向かう烏川林道のゲート手前に整備された無料駐車場(標高1280m)。アクセスは長野道の安曇野インターチェンジを下りて白馬・大町方面へ直進、すぐの安曇野インター北の交差点を県道495号線方面へ左折、国道147号線との交差点を直進してつき当たりを県道25号線の大町・穂高方面へ右折し、すぐ先であづみの公園方面へ左折する。公園を過ぎた先のY字路を蝶ヶ岳登山口方面へ右折して道なりに舗装された林道を7.7kmほど進むと道路沿いに駐車スペースが広がる。満車の場合は800mほど手前の第2駐車場(森の広場駐車場)を利用する。ゲートの先を進むと車道の終点に登山指導所があり、蝶ヶ岳と常念岳の登山口が分岐する。
三股登山口
第一駐車場先のゲートから一般車は進入禁止です。
三股登山口まで林道を800m程歩きます。
林道終点が登山口となっており、ここに登山届、トイレ、水場があります。
分岐
登山口を入ると直ぐに「蝶ヶ岳」と「常念岳」への分岐があります。
蝶ヶ岳は真っすぐ沢沿いを、常念岳へは右の登山道を登ります。
今回は常念岳からなので、ここから右手方向に登っていきます。
この日は、早朝登り始めたため、ここまでの写真はありませんが、
よく整備されていて歩きやすい登山道が続きます。
日の出と雲海
ちょうど、前常念岳が見える場所に来た時点で日の出のタイミングを向かえました。
森林限界を抜けて岩場へ
この先にある梯子を登れば完全に展望が開け、左側に蝶ヶ岳~常念岳の稜線が見えてきます。
ここからは岩に付けられているペンキマークに従って登ります。
時には両手両足を駆使しなければならない箇所もあるので、
注意して登っていきたいところです。
安曇野市にかかる雲海
直ぐ真横には周回する予定の常念岳から蝶ヶ岳へと続く稜線
結構アップダウンがあるのがわかります。
前常念岳避難小屋
石室の前常念岳避難小屋は前常念岳直下にある、天然の岩を活用した築100年目の小屋、
屋内はソロテントなら4つ程張れるスペースがあり、床には板が張られいます。
前常念岳(2661.90m)
一等三角点(常念岳)
前常念岳には一等三角点があり、「一等三角点百名山」の一座に選ばれています。
また常念岳の象徴でもある「常念坊」の雪形は、実際には前常念岳の山腹上に現れます。
S字状に伸びる稜線の先に常念岳の山頂が見えてきました。
ここからは比較的なだらかな稜線を進みます。
この区間には、前常念岳上部~常念小屋上部までのトラバースルートがあります。
このルートは約20年間整備されておらず、最近まで閉鎖されていましたが、
現在は整備され通行可能となっています。
(残雪期は滑落の危険が高いので通行を避けてください)
これから縦走する、常念岳から蝶ヶ岳へと続く稜線を望みながら歩きます。
一ノ沢からの尾根
一ノ沢からのルートは、一ノ沢林道開通から閉鎖まで利用できる
常念岳登山の代表的なルートです。
常念小屋からのルートと合流します。
背後には横通岳(2764m)・東大井岳(2814m)・大天井岳(2920m)が連なります。
常念岳(2857m)
常念岳の山頂は岩に覆われています。
狭く特に足場が悪いので注意して休憩したいところです。
晴れていれば、文句のない槍・穂高連峰の眺めが広がっています。
山頂を後にして蝶ヶ岳へ歩みを進めます。
眼下にはこれから歩く尾根、序盤は岩と砂礫混じりで歩き難いので要注意です。
一旦、最低鞍部まで下り、手前からP2512、P2592、蝶槍(2656m)まで
アップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていきます。
振り返って常念岳
一度樹林帯に入り、P2592へ向けて登り返します。
P2592峰より望む蝶槍。
ここから少し下って再び200mを登り返します。
お花畑周辺の池、周り木々が少し色付き初めています。
蝶槍へ向けて登り返します。
高山帯に出て展望が開、大キレットから前岳~槍ヶ岳
蝶槍(2656m)
蝶ヶ岳の手前にある尖峰は「蝶槍」と呼ばれています。
起伏の少ない蝶ヶ岳では惹きつけるフォルムで、稜線を散歩する際の目印になります。
常念岳からの稜線
三等三角点(蝶ヶ岳) 2664.48m
稜線上の少し広い所には三角点が設置されています。
かつてはここが蝶ヶ岳の山頂とされていました。
梓川と上高地、奥には焼岳も見えます。
蝶ヶ岳ヒュッテ
蝶ヶ岳(2,677m)山頂直下には「蝶ヶ岳ヒュッテ」
梓川の深い谷を挟んで正面にそびえる槍・穂高連峰の展望は、北アルプス随一として
人気の宿です。
蝶ヶ岳ヒュッテの少し手前には展望指示盤と避雷針が設置されており
「瞑想の丘」と呼ばれています。
蝶ヶ岳ヒュッテ
営業期間 4月下旬~11月上旬
宿泊 1泊2食:13,000円(子供9,500円)
1泊夕食:11,500円(子供8,500円)
1泊朝食:10,500円(子供7,500円)
素泊まり:9,000円(子供6,500円)食事 夕食のみ:2,500円(子供2,000円)
朝食のみ:1,500円(子供1,000円)
お弁当:1,500円個室 15,000円/室
テント場 2,000円
設備 自炊スペース、乾燥室、夏山診療所
H.P 蝶ヶ岳ヒュッテ
蝶ヶ岳(2677m)
春先になると安曇野側の山肌に蝶の雪形が現れることから、
蝶ヶ岳の名で呼ばれるようになったといいます。
何とか名山に名を連ねてはいませんが、
北アルプスの南東に位置し、槍・穂高連峰の格好の展望地として大変人気の山です。
三股からの他、上高地からも登ることが出来ます。
蝶ヶ岳より槍・穂高連峰
最高地点は山頂部南端の「長塀の頭」です。
こう見ると山頂のすぐ下に蝶ヶ岳ヒュッテとそのテント場があるのがわかります。
ハイマツと常念岳
安曇野市の街並み
北アルプス入門としても人気の三股登山口から蝶ヶ岳へのルートでは
大勢の登山者とすれ違いました。
危険な所には木道や階段が設置されているなど、
北アルプスの中でも特に整備が行き届いているルートです。
ゴジラみたいな木
三股登山口が近づくと三股~蝶ヶ岳ルートのマスコット的存在になっている
通称「ゴジラみたいな木」が現れます。
ここにはベンチも設置されており、登山者に人気の撮影スポットになっています。
烏川の上流・本沢に架かるつり橋を渡り、三股登山口から駐車場まで戻り終了です。