石雲院 高尾山(130m)・静岡県牧之原市坂口
静岡県牧之原市坂口、曹洞宗「龍門山 石雲院」は
治承三年(1179)創建、康正元年(1455)に勝俣田城主から寺領を寄進され
崇芝性岱禅師を講じて開山しました。
今川・武田・徳川といった有力な大名に庇護され
勝間田氏の菩提寺として、全国に800を超える末寺を数える古刹です。
山門、総門、参道の丁石、龍門の滝の彫刻などが市の指定文化財になっており、
建築や彫刻技術に優れた寺として知られています。
山中にあり、背後に擁することから別称は「高尾山」
境内には富士山静岡空港を望むことができる「石雲院展望デッキ」があります
散策するのも心地よい場所です。
石雲院の山門
石雲院の山門は、天保11(1840)年3月28日に焼失後、
天保15(1844)年3月に再建されました。
再建の際には日光の陽明門を参考にしたと伝えられています。
総ケヤキで楼門造りの八脚の門、2階の梁には正面右から十二支が彫られ、
又四隅の組物と屋根裏の二重垂木はこの門の最も手の込んだ所です。
石雲院の山門
石雲院の正面にあたる山門は、嘉永年間(1848~1853)の建築で、地元の名主・板倉六郎左衛門の援助で再建された。形式は三間一戸の八脚門、屋根は入母屋造り、木材はすべてケヤキである。建物の至るところに施されていた彫刻と、屋根を支える斗組や垂木などの部材が上手く調和し、荘厳な雰囲気を醸し出している。世界遺産である日光東照宮の陽明門を参考にしたという。
牧之原市指定文化財(昭和41(1966)年2月1日指定)。
牧之原市教育委員会
石雲院 座禅堂
石雲院 庫裏
石雲院 本堂
龍門山石雲院由緒
龍門山石雲院由緒
宗派 曹洞宗崇芝派本山 本尊 釈迦如来
開創 康正元(1455)年10月17日
開山 承陽大師11世法孫崇芝性岱禅師
開基 勝間田城主 旧御朱印地153石7斗今から550年以上前の康正元(1455)年、勝間田氏の援助を受けて、崇芝性岱禅師が開いた寺院である。今川家や武田家、徳川家など、当時の有力者から厚く信仰され、江戸時代には153石の領地を有した。また、崇芝性岱禅師は、石雲院七哲という7名の優れた弟子を輩出した。そのため、法孫は大いに栄え、現在でも関係寺院は750以上を数える遠州有数の大寺院である。開山してから約400年間、一年ごとに住職が交代する輪番制を採用してきたが、明治7(1874)年に独住制に改めた。現在は12世となる。800坪の境内のなかに500坪の大伽藍を持つが、過去3回(1501年、1572年、1840年)大きな火災に見舞われた。しかし関係寺院の協力と地元の名主・板倉六郎左衛門の援助で全て復興し、現在に至っている。
高尾祭り(開山忌大法要)11月26日
春祭り(七福神例大祭)4月第1日曜日
石雲院の竜門の滝の彫刻
本堂の玄関の左右の袖に、山号の龍門山を象徴する彫刻があります。
額の大きさは幅105.0センチメートル・高さ143.0センチメートル。
左側は「立川庵雪曲」の印形、右側には「顕斎図 立川庵彫□」の印があります。
石雲院の竜門の滝の彫刻
玄関両袖には滝を登りきった鯉が龍になる様子を表した彫刻がはめ込まれている。天保14(1843)年、本堂再建の時に制作されたもので、薄板にもかかわらず、鯉や水の質感を見事に掘り上げた傑作である。下絵は、地元の画家・平井顕斎。彫刻は、静岡浅間神社や豊川稲荷を手掛けた信州諏訪の宮大工集団・立川一門の立川庵雪曲が行った。
牧之原市指定文化財(昭和41(1966)年2月1日指定)。
牧之原市教育委員会
石雲院展望デッキ
石雲院展望デッキ
「住んでよし、訪れてよしの理想郷 ふじのくにしずおか」の空の玄関、富士山静岡空港。石雲院展望デッキは、名刹石雲院の由緒ある古建築と渾然一体となった新たなスポットとして、富士山静岡空港ターミナルビル東側に建設された施設です。
空港周辺の広大な自然空間と空港機能を中心とした都市空間との調和を重視し、禅の極意である円を取り入れた斬新なデザインが、皆様をお出迎えいたします。
多くの方々のご来場をお待ちしています。 富士山静岡空港着工 平成23年9月
オープン 平成25年2月16日
デッキ仕様 形状:円形 直径:33m・面積:約855㎡ 高さ:約10m
その他 呈茶、カフェコーナー(無料)併設 トイレ完備
開放時間 6:00~21:30
入場料 無料
施設内のガラス貼りの休憩スペースには、「呈茶コーナー」&「カフェコーナー」を設置。お茶とコーヒー(無料)のおもてなしをしています。
*おもてなし時間/土日祝の11:00~15:00
富士山静岡空港
「石雲院」境内の裏手から5分ほど歩いた先に「石雲院展望デッキ」があります。
石雲院の直ぐ裏には富士山静岡空港がある事から、
ここからは富士山を背景に離発着する飛行機を間近に見ることが出来ます。
展望デッキより
焼津・丸子アルプス、阿知ヶ谷アルプスから千葉山など
大井川対岸の山々が望めます
滑走路
背後に擁することから石雲院の別称ともなっている「高尾山」
高尾山の標高は200mであったが、
富士山静岡空港建設のために大半は切り開かれてしまいました。
高尾山(130m)
その高尾山の山頂があった近くの貯水池より
現在山頂は切り開かれてしまってい消失しているが、最も近い地点へ