天子ヶ岳(1330m) 白水山(811m) 天子山地・上稲子より周回




天子ヶ岳(1330m) 白水山(811m) 天子山地・上稲子より周回

天子山地の「天子ヶ岳」から「白水山」を上稲子集落より周回してきました。

天子山地(てんしさんち)は静岡・山梨県境をなす山地で、別名(天守山地)ともいいます。

西は富士川の谷に臨み、東は富士山西麓に接し、

北は本栖湖辺りから最高峰の毛無山を経て、天子ヶ岳へと南北に連なります。

天子ヶ岳から先、主稜線は白水山へと続き、富士川の手前で収束しますが、

この区間は静岡・山梨の県境となっており、この県境尾根繋ぎを目的に歩いてきました。

※マイナールートに加え、一部バリエーションルートとなります。

天子ヶ岳(てんしがたけ)

標高 1330m 登山日 2023年11月18日
静岡の百山
所在地 静岡県富士宮市内房 山梨県巨摩郡南部町万沢

白水山(しろみずやま)

標高 811m 登山日 2023年11月18日
甲斐百山の一座
所在地 静岡県富士宮市内房 山梨県巨摩郡南部町万沢

難易度 ★★    オススメ ★★ 登山口(ナビ検索) 新稲子川温泉
スタート地点(07:16)→地蔵堂(07:33)→富士見台(10:17)→三角点(897m)(11:25)→西沢峠(11:45)→林道終点(12:11)→飛行機山(12:21)→石神峠(13:17)→白水山(14:01)→向田登山口(15:51)→ゴール地点(15:54) 所要時間 8時間37分 累積標高 2163m / 2161m 距離 28.6km
■富士宮市の郊外にある天子ヶ岳は、軽いハイキングができる山として、格好のフィールド。富士山を取り巻く山塊の中で天守山地は西方にあり、南北に連なる。この山は南の方から見るととがった山、西側から見ると台形の山、眺める方向で全然違ってくる。
山頂からの展望は得られないが、明るく広広していて気分は爽快だ。
身延線の富士宮駅からバスで白糸ノ滝まで行き、直接天子ヶ岳へ登ってもいいし、東名高速の富士インターから有料道路に乗り換え、白糸ノ滝や田貫湖(たぬきこ)まで来るのもひとつの方法だ。田貫湖からのコースは、長者ヶ岳から東に張り出した尾根に取り付くが、東海自然歩道になっていて、大変歩きいい道である。振り返ると、富士山を終日見ることができる。約2時間でベンチのある静かな長者ヶ岳に着く。主脈を南にとれば天子ヶ岳へは約30分。
■白水山は毛無山塊の南端に位置する山で、周囲からはあまり目立たない低山。山頂からの展望もなく魅力は少ないが、登山口となる麓を流れる稲子川沿いには飛図温泉、稲子川温泉、ギフチョウの生息地、山峡の一軒宿など見るものもたくさんある。

「静岡の百山」は、東部から西部、北部まで静岡県内の山が幅広く選ばれています。 叉、海岸近くの低山から南アルプスの3000mを越える山までバラエティーに富んでいます。 本自体は山名の由来、歴史など生活に密着した山の説明が中心で、登山のガイドブックではありません。 山の知識を深め、より楽しむための本です。

新稲子川温泉 ユー・トリオ

新稲子川温泉 ユー・トリオ

住所     静岡県富士宮市芝川町上稲子1219

電話番号   0544-66-0175

営業時間   10:00〜20:00(最終受付 18:30)

定休日    木曜 (祝日の場合はその翌日)

5月30日~6月2日、12月25日~1月1日休

駐車場    無料 150台

料金     1時間半 大人 510円、子供250円

1日 大人820円、子供510円

延長1時間 大人 200円、子供150円

H.P     http://u-trio.com/

泉質    含硫黄―カルシウム・ナトリウム―塩化物温泉

温泉情報  湧出量315リットル/分 ㏗値/10.0 源泉温度/26.5度

効能

筋肉痛 関節リュウマチ 変形性関節症 神経痛 腰痛 五十肩 捻挫 打撲 くじき 関節痛 こわばり 冷え性 抹消循環障害 胃腸機能低下症状 軽症高血圧 軽耐糖能異常 痔症 病後回復 疲労回復 健康増進 アトピー性皮膚炎 尋常性乾癬 慢性湿疹 表皮化膿症 切り傷 やけど抹消循環障害 皮膚乾燥症

アクセス

新東名高速道路、静岡、清水からお越しのお客様の推奨ルート
国道52号線を北上→新万沢橋北詰交差点を右折→国道469号線へ→橋を通過後T字路を右折→そのまま富士川沿いに北上。

東名高速道路、富士からお越しのお客様の推奨ルート
富士川沿いに県道10号線→県道398号線を北上。

稲子川

新稲子川温泉ユー・トリオ」駐車場よりスタート。

稲子川に掛かる日向橋を渡ります。

富士川の支流「稲子川」は、今日登る「天子ヶ岳」に源を発する川です。

稲子地区はこの稲子川沿いの集落で、下流を下稲子・上流を上稲子と呼びます。

左見える尾根が帰りに使う予定の、静岡・山梨間の県境尾根になります。

静岡県道398号「上稲子長貫線」を北上して行くと「平維盛の墓」がありました。

この辺りには平家の落人伝説が残り、平維盛は熊野で入水して無くなったはずですが、

逃れてきたと伝わるそうです。

近くの桜峠の由来にも維盛が関係しています。

平維盛の墓

平の清盛の嫡孫で、光源氏の再来と称されるほどの美貌の持ち主と言われた平維盛の墓。富士川の合戦後に、平家の落人達が落ち延びたとの言い伝えが残る稲子の地に、1185年に水死したと見せかけ逃れてきたと言われる。積まれた石棚が印象的な棚田の中央にあり、墳上に石塔があり、基礎部は高さ1.3m、石積に石の玉垣をめぐらせてある。塔は五輪形蓋付。

上稲子集落

県道を約5kmほど歩くと、稲子川沿いに立派な石垣の畑跡が残る「上稲子集落」へ。

ここが県道の終着点となり、観光用トイレと炭焼き窯が復刻されていました。

この先、左右に林道が分岐しますが、登山口へは右の「林道 入山線」を進みます。

炭焼き窯

入山林道に入るすぐに駐車場があり、

稲子川沿いに「天子の七滝」と呼ばれる七つの滝があります。

登山口まで六つの滝を見ることが出来るようですが、四つ確認出来ました。

天子の七滝(観音の滝)

天子の七滝(丸淵の滝)

天子の七滝(しずくの滝)

天子の七滝(瀬戸の滝)

「天子の七滝」は、静岡県のみずべ100選のひとつに選定されています。

林道「入山線」の起点から順に、

「清流の滝・観音の滝・不動の滝・丸淵の滝・しずくの滝・瀬戸の滝・魚止の滝」

の七つの滝があるそうです。

「魚止の滝」は遊歩道の途中から河原を進まなければ見れないそうですが、

他の六つの滝は林道沿いからも眺めることが出来るようです。

天子ヶ岳登山口

「天子荘(てんからハウス)」の先に天子ヶ岳への登山口があります。

マイナーなルートかと思っていましたが、意外にしっかりした看板があってびっくりです。

山頂まで24の案内板があります。

等間隔ではなく、注意箇所に設置されている感じです。

所々荒れているものの、歩きやすい登山道です。

少し登ると広大な伐採地に出ました。

向かいに県境尾根がみえます。

登り進めると伐採地のお陰で展望が広がってきます。

上部は植林されており、その淵をなぞるように登山道がついています。

その後、作業林道を何度か交差しますが、

その都度先ほどの案内板があるのでわかり易いです。

作業林道より

手前は三角点峰、奥に天子ヶ岳を望む。

ここから作業林道(王子林道と書かれてた)をショートカットするように

一度、山道へ入り再び林道に合流します。

P863より

伊豆半島と駿河湾、中央に白水山、奥に浜石岳と大丸山 金丸山等の山々。

県境尾根の奥には思親山、

さらにその先に真富士山~青笹山〜十枚山まで、安倍東山稜が見渡せます。

ここから、再び樹林帯に入り三角点峰までの急登を登る。

三等三角点(天守ヶ岳)1084.15m

ノコギリ山より

ノコギリ山と呼ばれている付近に差し掛かると、細い岩尾根に変わります。

この日は強風だったため風が吹き曝し、寒すぎましたが展望は最高です。

安倍東山稜

駿河湾と伊豆半島

北側の展望、中央に天子山地の北端「竜ヶ岳」が見えます。

天子ヶ岳への最後の登りは一部ルートが不明瞭です。

足掛かりが少なく、落ち葉が滑り苦戦しました。

天子ヶ岳 山頂の祠

見覚えのある分岐にさしかかると、田貫湖からの一般ルートと合流します。

ここからは登山者の姿もあります。

天子ヶ岳(1330m)

天子ヶ岳の展望地「富士見台」より

山頂から県境尾根を下ります。分岐はテープがあるのみで解りにくいです。

序盤に嫌らしいザレた急登がありますが、下ってしまえば素敵な尾根へ。

大分散ってしまっていますが、少し前の紅葉の頃は綺麗だったのでしょう。

等間隔に立派な御影石タイプの境界標が設置されています。

気持ちの良い広尾根、熊の好物が沢山な森、

足元にはまだ新しい足跡が沢山ありました。

三等三角点(佐野村)897.0m

三角点峰から先は定番のコンクリート杭に。

結構アップダウンが激しい尾根、

下りで使っている筈なんですが、なんか登っていることの方が多かった気がします。

四等三角点(天子湖)730.66m

飛行機山(730.66m)と呼ばれているピーク

白水山

石神峠(471m)

石碑と石仏が多く安置されていることから石神峠と名付けられたそうです。

趣のある馬頭観音像があります。

峠の歴史は古く、起源は山梨県側の上佐野集落と静岡県側の大和田集落の

交流・物流を図るため、室町時代に作られた道なのだそうです。

かつて日蓮上人がこの峠を越えて身延山に入ったと伝えられている他、

戦国時代には武田軍も度々この峠を越えて駿河の今川軍に奇襲をかけたといいます。

林道石神峠線

目の前をオフロードバイクが一台通過して行きました。

どうやら上稲子集落の分岐を逆に行くとここまで来る事が出来るようです。

ここに白水山への登山口があり、ここからは整備され歩きやすい登山道となります。

途中、「富士山展望台」や「見晴らし台」といった展望ポイントがあります。

白水山(811.60m) 三等三角点(白水山)

山標が沢山の山頂、丸太の椅子などが設置されています。

富士山方面のみ伐採されて展望があります。

白水山より

向田分岐

白水山の登山コースは、新稲子川温泉のユー・トリオ近くの登山口から向田分岐を経て、

南尾根で山頂、石神峠へと周回するルートが一般的のようです。

他にも、県道398号線の天子湖入口からの「白水山のハイキングコース」等もあります。

更にここから真っ直ぐ県境尾根を進みます。

目印は少ないですが踏み跡はしっかり付いています。

境界標はプラスチック製のものに変わりました。

採石場より

愛鷹山と富士宮市、伊豆半島の山々、

それにしても凄い規模の採石場です。

鉄塔より

これより先、快適な中電巡視路を歩きます。

白鳥山

採石場の先には富士川、すなわちここが天子山地の南端かと思います。

県境はこのまま採石場を貫き富士川を越えて白鳥山へ、

この区間はトーレスするのは不可能なので迂回する予定です。

展望が良かった採石場を見上げて、

下稲子集落を抜けて国道469号を新稲子川温泉ユー・トリオまで戻ります。

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