乾徳山(2031) 黒金山(2231m)・徳和より周回




乾徳山(2031) 黒金山(2231m)・徳和より周回

「乾徳山」と「黒金山」を徳和集落より周回して来ました。

山梨百名山であり日本二百名山にも数えられる「乾徳山」と、

同じく山梨百名山の「黒金山」は奥秩父の主脈から南東に派生した尾根上に連なります。

乾徳山は何と言っても森林・草原・岩峰の3つを味わうことができる贅沢な山で、

都心からのアクセスも良く、周辺整備が行き届いているため、登山者に大変人気の山です。

乾徳山より先の黒金山までは、これまでとは雰囲気が変わり、原生林歩きとなります。

「牛首のタル」以降は笹原となり、周辺の山々と歩いてき稜線を眺めながら

静かな山歩きが楽しめます。

乾徳山(けんとくさん)

標高 2031m 登山日 2023年11月04日
日本二百名山 山梨百名山
所在地 山梨県山梨市三富上釜口

黒金山(くろがねやま)

標高 2231m 登山日 2023年11月04日
山梨百名山
所在地 山梨県山梨市三富上釜口

難易度 ★★    オススメ ★★★★ 登山口(ナビ検索) 乾徳山登山口駐車場
乾徳山登山口バス停(05:07)乾徳山登山口(オソバ沢ルート)(05:30)→銀晶水(05:54)→錦晶水(06:34)→国師ヶ原(06:42)→役小角像(06:48)→月見岩(07:07)→小屋沢ノ頭(07:10)→髭剃岩(07:35)→乾徳山(07:58~08:08)→水ノタル(08:13)→乾徳山北峰(08:17)→笠盛山(08:41)→大ダオ分岐(09:11)→黒金山(09:14~09:17)→牛首ノタル(09:35)→ササ原下展望台(10:08)→黒金山登山口(乾徳山林道)(10:23)→無料駐車スペース跡(10:52)→道満山(11:03)→徳和峠(11:19)→ゴール地点(11:25) 所要時間 6時間17分 累積標高 1614m / 1612m 距離 17.3km
■乾徳山(けんとくさん)は、山梨県山梨市にある標高2,031mの山で、奥秩父の山域にある。 山梨市北部の旧三富村域の中部からやや西方に位置する。南麓には笛吹川支流の徳和川が南東流し、徳和渓谷を形成しつつ笛吹川と合流する。西面には岩壁がそびえる岩山で、南アルプスや奥秩父の山々、富士山が遠望できる。東には南北に秩父往還が通じている。 江戸時代後期の『甲斐国志』に拠れば、鎌倉時代に臨済宗の僧・夢窓疎石が修行したとする伝承を持つ。夢窓は甲斐国においていくつかの寺院を創建しているが、乾徳山から南方の甲州市塩山小屋敷に所在する恵林寺は鎌倉末期の元徳2年(1330年)に夢窓の開いた寺院で、「乾徳山」が山号になっている。乾徳山には国師が座禅をしたといわれる座禅石や髪剃岩、天狗岩などの奇石があり、中腹には同じく国師との関わりを伝える銀晶水、錦晶水などの水飲場があり、山岳信仰にも関係していると考えられている。
■黒金山は乾徳山の北にあって、端正なピラミッド状の姿が特徴的な山です。西沢渓谷もしくは青笹集落から牛首のタルを経由するコース、大平高原もしくは乾徳公園から乾徳山経由のコースなど、従来のコースはいずれも歩行距離が長く、健脚者向けのコースですが、大平高原から北へ延びる林道の開設が進み、下釜口から旧大平牧場を通過して牛首のタルの中間点までマイカー利用ができるようになったことにより、林道から往路約1時間40分で登頂が可能となりました。(但し、冬期間は林道閉鎖)山頂からは、北に雁坂峠から国師ケ岳にかけての奥秩父主脈の稜線を一望することができます。

山梨百名山(やまなしひゃくめいざん)は、1997年、山梨県によって選定された県内の名山100選である。一般公募と市町村推薦であがった候補の中から、選考委員会によって、県民に親しまれている・全国的な知名度がある・歴史や民俗との関わりあるなどの基準で選ばれたとされる。

乾徳山登山口

徳和集落にある「乾徳山登山口駐車場」より、

駐車場の前には乾徳山登山口のバス停があります。

ここに登山届けBOXや、トイレ・自販機も設置されています。

ここからしばらく、徳和川沿いの舗装路を歩きます。

道標に従って30分ほど車道を歩くと右手に登山口が見えてきます。

ここが乾徳山への登り口「オソバ沢登山口」になります。

徳和駐車場(乾徳山登山口駐車場)

駐車台数  約30台

トイレ   有り

乾徳山南麓の徳和地区にある登山者用無料駐車場(標高830m)。アクセスは中央道の勝沼インターチェンジを下りて国道20号線の東京・大月方面へ向かい、勝沼大橋を渡った先の柏尾交差点を県道38号線の塩山・山梨方面へ左折、すぐにフルーツライン(東山東部広域農道)へ右折して道なりに進み、県道213号線につき当たったら三富・雁坂トンネル方面へ右折する。国道140号線のつき当たりを秩父方面へ右折、徳和入口交差点を県道209号線の徳和方面へ左折すると山登旅館・徳和バス停前に駐車場がある。トイレは道路を挟んで向かい側の乾徳公園内にある他、手前のグラウンドが臨時駐車場となっている。道満尾根の登山口は徳和川を渡ってすぐの脇道を右に入り案内に従って林道を進むと徳和峠にあり、国師ヶ原十字路へ向かう登山口は県道の先を徳和渓谷方面へ進むとある(乾徳山前宮神社を過ぎた先の舗装路終点付近にも8台程の駐車スペースあり)。

紅葉の樹林帯の中を緩急交えながら登っていきます。

登山者も多い人気の山、良く整備された登山道です。

銀晶水

途中「銀晶水」・「錦晶水」と呼ばれる水場もあります。

国師ヶ原より望む乾徳山

高原ヒュッテ(避難小屋)

水場を過ぎると、やがて傾斜が落ちき、白樺の林間を歩くようになります。

国師ヶ原からの中腹は開拓牧場で、明るい草原が広がる気持ちの良い場所です。

林道との交点が国師ヶ原十字路になります。

前方左手には「高原ヒュッテ(避難小屋)」が建ちます。

乾徳山前宮神社(本宮跡)

登山口近くに鎮座する「乾徳山前宮神社」の(本宮跡)があります。

現在では石組のみが残る本宮跡には結界が張られたとされ、

人里と奥宮との境目とされている場所であったといいます。

乾徳山は庭師としても有名な禅僧「夢窓疎石」が修行した山としても有名です。

この先の別ルート上には坐禅窟も残っています。

隣には役行者像、本宮跡の周辺には氷穴や賽ノ河原など、

他にも修験道の歴史を感じられる場所も残っています。

やがてカヤトの登りとなり、

開けた所で振り返ると背後には雲海に浮かぶ富士山を望みます。

西側には南アルプスも見えて来ました。

前の尾根のピークは同じ山梨百名山の小楢山、奥には棚山も見えています。

月見岩の案内図

草原地帯の中央、道満尾根経由のコースとの合流点に「月見岩」と呼ばれる巨岩があります。

開放感のある広々とした所にある月見岩は休憩適地で、

後ろ側から回ると簡単に登れるので、人気の撮影スポットとなっています。

扇平より

月見岩からわずかに登った草原地帯は「扇平」と呼ばれています。

ここからは草原越しに素晴らしい展望があります。

東に大菩薩連嶺、大菩薩嶺から滝子山までが見渡せます。

隣りには御正体山〜ミツ峠山も望めます。

富士山の裾野に広がる御坂山地と右に天子山地。

乾徳山 山頂方面

小屋沢ノ頭 (1764.15m)・二等三角点(乾徳山)

扇平の少し先のピークには二等三角点(乾徳山)があります。

乾徳山の山頂は巨岩累々としており、三角点を建植する余地もなかったため、

「小屋沢ノ頭」と呼ばれている、この地に設置されたそうです。

富士山とススキ野

手洗石

扇平との境にある「手洗石」、いよいよこの先から岩場が始まります。

岩場・鎖場が連続します。

序盤は特に難しい岩場はありませんが、注意して登りましょう。

岩場のため、所々で抜群の展望があります。

途中、足を止め眺めながら登ります。

真横には南アルプスが望めます。

訪れた日は紅葉も見頃になっており、山々が色付いていてとても綺麗でした。

髭剃岩

人一人が何とか通れる「髭剃岩」(ルートではありません)

髭剃岩の前を通り過ぎると、一度岩の上に乗り上げ、鉄製のハシゴを下ります。

高度感がある場所なので慎重に進みましょう。

クサリ場などではどうしても渋滞してしまう事がありますが、

後ろに人が待っているからといって焦っては危険です。

落ち着いて自分のペースで登るようにしましょう。

胎内岩

他にも、その昔、夢窓疎石が修行をしたと言い伝えられている

「雨乞い岩」や「胎内岩」など、ユニークな岩が出現します。

山頂手前に南西方向に展望が開ける場所があります。

少し休憩をして最後の難所に備えます。

鳳岩

山頂の直前には乾徳山の一番の名物、高さ20mほぼ垂直の岩壁「鳳岩」があります。

足場に乏しいので、左側の出っ張りとクラック(岩の裂け目)を上手く使って登りましょう。

不安な方は無理をせず、右側に回り込んで迂回路を利用して下さい。

乾徳山(2031m)

乾徳山は日本二百名山・山梨百名山の1つに数えられています。

山名は、武田信玄の菩提寺「恵林寺」からみて、

乾(いぬい)の方角=北西の方角にあることに由来しています。

1カ所に立って360度ぐるっと見渡せることを「1点360度の展望」というそうですが、

山頂からはまさにその展望があります。

奥秩父主脈の展望、左から木賊山〜破風山〜雁坂嶺〜水晶山〜笠取山

さらに、唐松尾山〜飛龍山〜大岳山、 間から雲取山も見えています。

大岳山〜三頭山の下に黒川鶏冠山、 大菩薩連嶺と続きます。

富士山 御坂山地と天子山地

南アルプス

遠見山〜北奥千丈岳〜国師ヶ岳

黒金山と左右に国師ヶ岳・甲武信ヶ岳

これから向かう「黒金山」方面への展望、

乾徳山の山頂からはしばらく足場の悪い岩尾根を進みます。

この先、登山道も少し不明瞭になるので注意が必要です。

気持ちの良い森を歩きます。

黒金山へまでは緩やかなアップダウンを繰り返します。

笠盛山(2072m)

乾徳山と黒金山の中間地点に笠盛山(2072m)と呼ばれるピークがあります。

展望ポイントより乾徳山

黒金山(2231.75m) 三等三角点(黒金)

山梨百名山の一座「黒金山」の山頂は狭いですが、

西側のガレ場からは目の前に国師ヶ岳を望む展望があります。

黒金山 山頂より

正面には大きく北奥千丈岳と国師ヶ岳、

よく見ると左稜線上に金峰山も見えています。

甲武信ヶ岳〜破風山〜雁坂嶺・手前に鶏冠山

牛首ノタル(2017m)

山頂から少し下ると「牛首ノタル」と呼ばれる素敵な笹原に出て来ました。

奥のピークは「牛首(2086m)」、こちらは西沢渓谷からのルートとなります。

牛首 分岐

富士山の横に乾徳山と歩いて来た稜線が見えます。

乾徳山以降は登山者の姿もなく、静かな山歩きとなります。

乾徳山と富士山、カラマツの紅葉を見ながら下山。

膝下丈ぐらいの笹原の中を下ります。

少し進むと南東方面に展望が開け、正面に大菩薩連嶺を望みます。

笹原から樹林帯へ変わると、やがて乾徳山林道に合流します。

乾徳山林道

乾徳山林道との合流地点には駐車スペースがあります。

この日も一台停まっていましたが、この先ダート路となります。

黒金山への最寄りの登山口となりますが、オフロード車でないと通行不可だと思います。

奥秩父主脈の山々

途中林道からも随所に展望があります。

山頂から見えていたソーラーパネル。

大平牧場跡に作られた施設のようです。

大平高原には大平荘有料駐車場があり、林道沿いに乾徳山への登山口もあります。

大平高原登山口

大平荘有料駐車場

駐車台数  25台

料金    ¥800-

住所    〒404-0204  山梨県山梨市三富下釜口521-5

トイレ   有り

乾徳山中腹の大平高原にある大平荘の有料駐車場(標高1300m)。アクセスは中央道の勝沼インターチェンジを下りて国道20号線の東京・大月方面へ向かい、勝沼大橋を渡った先の柏尾交差点を県道38号線の塩山・山梨方面へ左折、すぐにフルーツライン(東山東部広域農道)へ右折して道なりに進み、県道213号線につき当たったら三富・雁坂トンネル方面へ右折する。国道140号線のつき当たりを秩父方面へ右折、徳和入口交差点を過ぎて上門坂トンネルをくぐった先で、乾徳山の青い案内板がある左手の市道大平線(市道31031号線)を道なりに進む。大平荘までは全線舗装路だが、一部に落石が多い区間もある。駐車場利用者は大平荘(民宿は廃業)のトイレを使用することができる。乾徳山の登山口は林道の先から大平高原(牧場)を横切り再度林道と交差する地点にあり、途中で道満尾根のルートと合流する。

※市道は路肩崩落のため令和5年6月15日より当面の間は通行止、復旧は年明け以降の見込み(市道大平線の通行止)
※大平荘上部の乾徳山南林道ゲート付近の路肩スペースはソーラー発電設備の設置に伴い廃止、手前のベンチ付近も駐車不可となっている。

乾徳山・徳和渓谷ガイドマップ

林道からは、途中に道満山(1314m)がある道満尾根コースへ。

ここからは再び乾徳山を目指す登山者で賑わっています。

徳和集落

徳和集落へ下り終了。

朝は空きのあった駐車場も満車です。

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