因幡国一宮 宇倍神社(うべじんじゃ)・鳥取県鳥取市国府町宮下
鳥取県鳥取市国府町宮下に鎮座する「宇倍神社(うべじんじゃ)」
平安時代にまとめられた延喜式神名帳では鳥取県で唯一の名神大社、
また、因幡国一宮として信仰を集め、明治4年には国幣中社に列せられました。
御祭神は「武内宿禰命(たけのうちのすくねのみこと)」
第十二代景行天皇より、成務・仲哀・応神・仁徳天皇の5朝に仕えたとされ、
わが国で最初に「大臣」の称を賜わるなど、日本の国造りに功績のあった神様です。
現在の社殿は、明治31年に完成、翌32年には全国の神社では初めて、
御祭神である武内宿禰命の御尊像と共に五円紙幣に載せられ、
以後大正・昭和と、五円・一円紙幣の図柄となったため、金運・財宝の神ともされる。
宇倍神社の境内は鳥取市国府町宮下の稲葉山の麓に鎮座します。
石畳の参道を通り突き当りを左折して石段を登っていけば正面に社殿が見えてきます。
毎年4月21日には、「宇部神社例大祭(うべじんじゃれいたいさい)」が行われます。
県指定無形民俗文化財「宇倍神社獅子舞(麒麟獅子舞)」が奉納され、
幟武者の行列や可憐な巫女の舞なども披露されます。
4月21日に近い土曜又は日曜日には神幸祭(みゆきさい)も行われ、
全国屈指の大神輿が石段を勢いよく駆け抜ける圧巻の石段担ぎが行われます。
宇倍神社獅子舞
宇倍神社の獅子舞は、因幡特有の麒麟獅子舞で、先導役の猩々と獅子の頭役、後役、各1名、囃方3名の計6名で構成され、毎年4月21日の例祭に神前に奉納される。神前に奉納される舞は、三方舞と呼ばれるものを本格とし、現在すたれてしまった鳥取東照宮(樗谿神社)獅子舞の直系をつぐものとして貴重である。因幡に伝承される各神社の麒麟獅子舞は、宇倍神社獅子舞の影響を受けているものが多いと言われる。
宇倍神社御幸祭祭具
この祭具は、毎年4月21日(明治以前は3月21日)の例大祭にあたり、御神幸及び祭礼行事として伝承されてきた大名行列に使用されるもので、24点ある。大神輿は明治年間に新調されたものだが、獅子舞に使用される獅子頭や楽器、正徳4年(1714)の銘のある藩主池田家寄進の台矛と平矛といった樗谿神社から譲り受けた祭具や武具には、江戸時代の神社信仰を研究する上で貴重な資料が多数含まれている。
長い階段の先には横断幕が掲げられてます。
この横断幕にはその年の干支が描かれており、
毎年デザインが変わるので、宇倍神社を訪れる際の楽しみの1つでもあります。
宇倍神社 由緒
宇倍神社
宇倍神社(うべじんじゃ)は鳥取県鳥取市国府町にある神社。
正確な創建年代は不明だが、古代に当地の豪族・伊福部氏によって創建された神社とみられ、848年(嘉祥元年)に従五位の神階を与えられたことが記録されており、927年(延長五年)成立の延喜式神名帳には名神大社として記載されている。
近くには国衙(国を統括する役所)が置かれるなど因幡国を代表する神社であり、中世には因幡国一宮として崇敬された。
その後、戦乱に巻き込まれて衰微し、1581年(天正九年)には鳥取城を攻める羽柴秀吉の軍に焼かれたが、江戸時代に鳥取藩主池田光仲の支援で再興された。
明治維新後につくられた近代社格制度のもとでは国幣中社に列せられている。
主な行事には歳旦祭(1月1日)、とんど祭(1月14日)、夏越大祓(6月30日)、七夕祭(7月7日)、秋祭(9月21日)、年越大祓(12月31日)がある。
宇倍神社 拝殿
宇倍神社 社殿
社殿は、本殿・幣殿・拝殿の3つで構成されています。大化4年(648年)の創建以降、社殿はたびたび再建されました。現在の本殿は明治31年(1898年)の再建であり、流造檜皮葺きとなっています。
拝殿前に設けられた神門は大正4年(1915年)竣工です。屋根は柔らかな丸みをおびたむくり屋根であり、拝殿の反り屋根との対比が特徴的です。
神門を介して、拝殿・幣殿・本殿が一直線上に並んだシンプルで美しい社殿は、明治32年(1899年)発行の五円紙幣をはじめ、幾度も紙幣の図柄に選ばれました。また、令和5年(2023年)には本殿・拝殿・神門・透塀(本殿廻りを囲う塀)が国登録有形文化財に指定されました。
宇倍神社は大化4年(648年)の創建とされ、
因幡国一宮として古くから信仰され続けています。
明治32年(1899年)に、御祭神の武内宿禰命(たけのうちのすくねのみこと)像と共に
宇倍神社の拝殿の絵が五円紙幣に載せられました。
全国の神社で初めて紙幣に採用された神社としても知られています。
紙幣に何度も描かれたことからも、お金に大変ご縁がある神社とされていて、
商売繁盛や金運上昇の祈願をしに全国各地から多くの参拝客が訪れます。
宇倍神社 本殿
宇倍神社 社殿
徴古館
鳥取県指定有形民俗文化財となっている「宇倍神社御幸祭祭具」などを納める収蔵庫。
普段は閉まっているが社務所で申し込めば見学することができるそうです。
徴古館の隣には、境内社のひとつ「国府神社」が祀られています。
また、本殿後背の亀金山には「双履石(そうりせき)」と呼ばれる磐座があります。
「因幡国風土記逸文」によると御祭神の武内宿禰は、
仁徳天皇五十五年(367年?)に当地で双履を残して行方不明になったといい、
この双履石がある場所が武内宿禰終焉の地と伝えられています。
社務所
宇倍神社(うべじんじゃ)
住所 鳥取県鳥取市国府町宮下651
拝観時間 境内自由・御朱印、お守り等は9時~17時。
宇倍神社 御朱印