安房国一宮 安房神社(あわじんじゃ)・千葉県館山市大神宮




安房国一宮 安房神社(あわじんじゃ)・千葉県館山市大神宮

千葉県館山市大神宮に鎮座する安房国一宮安房神社(あわじんじゃ)

社伝によると2660年以上の昔、「天富命(あめのとみのみこと)」(下の宮 御祭神)が

阿波の忌部(いんべ)一族を率いて安房国を開拓しに来た際、

自分の祖先である「天太玉命」と「天比理刀咩命」(上の宮 御祭神)を祀るために建てたのが

安房神社の創建と伝わります。

安房神社は、旧社地から養老元年(717)に吾谷山の麓にあたる当地に遷座、

平安時代初期より神階を授けられ、延長5年(927)に作成された延喜式神名帳には

「名神大社」として記載される古社です。

源頼朝より本領安堵下文を受けた他、江戸幕府からも社領30石の御朱印状を受領、

明治維新後の明治4年には官幣大社に列していました。

一の鳥居

鳥居

清らかさを表す白色の神明鳥居です。隣の社号標は東郷平八郎元帥の揮毫によるものです。   安房神社H.Pより

安房の国一の宮安房神社略記

御本社御祭神(上の宮)
日本産業総祖神・天太玉命、相殿后神・天比理刀咩命
御摂社御祭神(下の宮)
房総開拓の祖神・天富命(天太玉命御孫神)、日本武道祖神・天忍日命(天太玉命御弟神)

由緒・神徳
房総半島の南端神戸郷に静まり座す旧官幣大社安房神社は、天太玉命を主祭神に天比理刀咩命を配祀として奉斎し、摂社下の宮に天富命をまつる。
延喜の制には名神大社に列せられ、安房全域を神都として有した全国屈指の名社である。本社の主祭神天太玉命は中臣氏の祖神天児屋根命と相並んで天照皇大神の側近に重臣として奉仕し、政治・祭祀・農漁業・建築・金属工業等、諸産業の祖神を統率された大力無双の神に坐す。
天照皇大神が天石窟に御幽居あらせられた時には、大神の出御に大功を顕わされた。
房総開拓の神として下の宮に祀らるる天富命は、天太玉命の御孫にあたらせられ神武天皇の重臣に坐す。
天富命は、勅命を体して四国阿波国忌部族の一部を割いて海路東方に沃土を求められ、最初に占拠されたのが房総半島の南端、即ち現在の安房神社の鎮座地であって茲に本拠地を定めて祖神天太玉命の社を建てた後、次第に上総・下総に進み房総半島に麻穀を播殖しその産業地域をひろめられたのである。
安房神社の御祭神は、日本産業の総祖神として崇められ更に現在では交通安全、厄除開運家内安全、商売繁昌等、関東地方随一の神社として信仰が厚い。

置炭・粥占神事(一月十四・十五日)
一月十四日の夜、忌火をきり正月に用いた門松の松材で粥を炊き、その薪が燃えつきる頃おきを十二本取り出して並べ、その炭の色によって神主がその年の一月から十二月の天候を占定する。
粥がにえる頃、すのこ状に編んだ十二本の葦の筒を鍋に入れ、そのまま一晩置いて、翌十五日朝、鍋から取り出し神前に供し祭典の後、神主がその葦の筒を一本ずつ小刀で割り、中の粥の入り具合や色つやにより米、麦、野菜等農作物の豊凶を占定する。
この神事は宝暦年間の神社旧記にも見られ古くからの神事である事がわかる。

宝物狛犬
文永元年(一二六四年)、日蓮上人四十二才の厄年に一週間安房神社にお篭りになり兀々坐定して刀を振って狛犬を彫刻せられ、誓願成就の御礼の意味にて奉納されたものである。

安房神社(あわじんじゃ)

H.P     http://awajinjya.org/

所在地   〒294-0233 千葉県館山市大神宮589番地

電話番号  0470-28-0034

営業時間  参拝自由・授与所(8:30~17:00)・祈祷(9:00~16:30)

社務所

社務所

大正時代半ばの築。関東大震災にも耐えた堅牢な造りは、当時の建設技術の高さを物語ります。   安房神社H.Pより

二の鳥居

手水舎と授与所

館山海軍砲術学校第三期兵科予備学生戦没者慰霊碑

 昭和45年(1960)10月10日に建てられ、平成12年(2000)10月10日に再建された慰霊碑。神戸地区にあった館山海軍砲術学校の第三期兵科予備学生229名の戦没者の名が記されている。境内に植えられているソメイヨシノの桜-229本は、この慰霊碑建設の際に植えられたものである。

海軍落下傘部隊慰霊碑

 昭和48年(1963)に元海軍落下傘部隊一同によって建てられた慰霊碑。横須賀鎮守府の第一特別陸戦隊43名、第三特別陸戦隊46名の戦没者名が記されている。当時の首相田中角栄が揮毫。

厳島社

厳島社

拝殿前に横たわる巨大な海食岸をくりぬいて創建された末社。御祭神は市杵島姫命をお祀りしています。   安房神社H.Pより

拝殿の手前にある6畳敷き以上もあるかと思われる巨大な岩石は、社殿のできる前にはこれを岩座(いわくら)として、祭神を天よりあるいは吾谷山の頂より招いて、原始的な祭祀が行われていたと考えられている。現在は弁天様が祀られ、文化11年(1814)の手水石がある。

日露戦役記念碑

明治39年(1906)10月16日に神戸村の恤兵会(じゅっぺいかい)によって建てられた記念碑。元帥大山巌の揮毫。神戸村出身の内地勤務3名・海外出兵88名の戦役従軍者の名が記されている。ちなみに恤兵とは物品または金銭を寄贈して戦地の兵を慰めることである。

由緒
房総半島の南端神戸郷に鎮り坐す旧官幣大社安房神社は、天太玉命を主祭神に天比理刀咩を配祀として奉斎し、摂社下の宮には天富命を祀る。
延喜の制には大社に列せられ、名神祭に預る安房国唯一の由緒深き名社である。
本社の祭神天太玉命は中臣氏の祖神天児屋根命と相並んで天照皇大神の側近に奉仕し祭祀を司どられた重要な神に坐します。
天照皇大神が天石窟に御幽居あらせられた時には、天太玉命は天児屋根命と共に大神の出御を祷り遂に再び大御神の天日の如き御威徳を仰ぎ奉られたのである。
安房開拓の神として当社の下の宮に祀らるる天富命は、天太玉命の御孫にあたらせられる。天富命は四国の阿波国忌部族の一部を割いて関東地方に大移動を起し、最初に占拠されたのが房総半島の南端、即ち現在の安房神社の鎮座地であって茲に本拠を定めて祖神天太玉命の社を立てた後、次第に内地の方に進みこの半島に麻穀を繁殖しその産業地域を拡められたのである。
安房神社の御祭神は日本産業の総祖神として崇められ更に現在では家内安全、交通安全守護神、厄除開運等、関東地方随一の神社として信仰が厚い。

安房神社 拝殿

安房神社の創始は、初代天皇の神武天皇が御即位された皇紀元年(西暦紀元前660年)

と伝わります。

神武天皇の命を受けた「天富命(下の宮御祭神)」は、肥沃な土地を求め、

最初は阿波国(現徳島県)に上陸し、そこに麻や穀(カジ=紙などの原料)を植え、

開拓を進めました。

その後、天富命御一行は更なる肥沃な土地を求めて、阿波国に住む忌部氏の一部を引き連れて

海路黒潮に乗り、房総半島南端に上陸され、ここにも麻や穀を植えられました。

この時、天富命は上陸地である布良浜の男神山・女神山という二つの山に、

御自身の御先祖にあたる天太玉命と天比理刀咩命をお祭りされており、

これが現在の安房神社の起源と伝わります。

安房神社 拝殿

昭和52年築。鉄筋コンクリート造りで、本殿の建築様式に倣い神明造りとなっています。   安房神社H.Pより

上の宮

安房神社の主祭神を祀る本殿、礼拝のための拝殿、お供え物を調理する神饌所(しんせんじょ)の三施設からなる。主祭神は天太玉命(あめのふとだまのみこと)と天比理刀咩命(あめのひりとめのみこと)の夫婦神である。本殿の造りは伊勢神宮と同様の「神明造」で、釘が一本も使われていない。例大祭は8月10日である。

安房神社 本殿

明治14年築。建築様式は神明造りで、御屋根は檜皮葺き。御祭神は天太玉命をはじめ忌部の神々をお祀りしています。   安房神社H.Pより

神饌所

神饌所

明治41年築。神様にお供えする神饌(お食事)を用意する為の建物。現在は主に1月14日の置炭神事祭場として利用されています。   安房神社H.Pより

琴平社

琴平社

讃岐・金刀比羅宮の御分霊をお祭りする末社。御祭神は大物主神をお祀りしています。   安房神社H.Pより

航海の安全を守る神様で、元は安房神社とは別のところに祀られていたものを氏子が先頭となってここへ移動した。琴平社の祭事は9月27日に行われる

御仮屋

御仮屋

当社例祭に際し、出祭してきた近郷の神社の神輿を納めるための建物です。現在は神輿の入祭は3年おきに行なわれております。   安房神社H.Pより

8月10日の例大祭の時に、洲宮神社を始め安房神社周辺の9社(白浜・滝口・神余・佐野・中里・犬石・布良・相浜・洲宮)が神輿を集め奉安しておく場所であったが、諸種の事情により昭和20年代前半に9社そろっての入祭は行われなくなった。現在は9月10日に御仮屋祭が行われている。江戸時代には9月28日の浜出神事の際に神戸郷の神輿が入祭していた

下の社

養老元年(717年)、安房神社が現在の場所に遷座された際に、摂社として創建されました。御祭神は天富命・天忍日命を祀りしています。安房神社H.Pより

上の宮同様安房神社の中核をなす社殿。上の宮と違い本殿と拝殿のみで、祭神は房総開拓の神天富命(あめのとみのみこと)と安房国造大伴氏系の天忍日命(あめのおしひのみこと)である。下の宮祭は5月10日である。

御神木

御神木

槙の木の御神木です。樹齢約500年を数えます。年間を通して青々としており、近寄って見上げると力強いご神気を感じられます。安房神社H.Pより

安房神社 御朱印

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