ヒラシロ遺跡・静岡県浜松市天竜区熊




ヒラシロ遺跡・静岡県浜松市天竜区熊

浜松市天竜区熊の高所集落「柴」

柴は、かつての秋葉道、現在の東海自然歩道沿いにある

旧 天竜市では最も高所にある集落です。

標高600m前後の緩やかな南向きの斜面には茶園が広がります。

東海自然歩道沿いに鎮座する柴の八王神社の南側に

縄文時代の遺跡「ヒラシロ遺跡」があり歴史公園として整備されています。

浜松市天竜区熊の高所集落「柴」に鎮座する八王神社です。柴 八王神社の手前、六叉路のすぐ先に「鏡石」が祀られています。

平成4年1月、柴の八王神社の南側を工事中に、

縄文時代中期終わり頃(約4、500年前)の「住居跡」1軒が発見された。

住居の中央には四個の石を使用した「石囲い炉」

その周囲には「柱穴」・「貯蔵穴」も確認されました。

また縄文式土器片(中期始め・中期終わり~後期始め)や石皿と叩石、

黒曜石や石斧などが多数出土しており、数件の集落を形成していたと思われる。

平成5年度に「ヒラシロ遺跡公園」として整備されています。

史跡 ヒラシロ遺跡

浜松市指定文化財 平成四年三月二十七日

ヒラシロ遺跡は静岡県浜松市天竜区熊に所在する縄文時代中期後半~後期中葉を主体とする遺跡である。遺跡は傾斜が緩やかな南面した山腹に立地している。遺跡として周知されていなかったが、圃場整備工事中の遺構・遺物が確認されたため、埋蔵文化財包蔵地として登録された。検出された遺構は、石囲い炉1基、土坑1基、小穴12基で、石囲い炉周辺に遺構が集中していることから、竪穴式住居跡が1軒存在したと考えられる。出土遺物は縄文土器と石器で、縄文土器は中期後半の加曽利EⅢ~Ⅳ式、後期初頭の中津式、後期前葉、堀之内Ⅰ~Ⅱ式、後期中葉の加曽利BⅠ式を主体とする。南信地域や関東地方などからの搬入品がみられる点が注目される。
発掘調査後には保存整備事業が行われた。遺構は埋め戻されて復元住居やガイダンス施設が整備されており、現在は史跡公園として公開されている。

竪穴式住居(復元)

資料館

縄文式土器片や石皿・叩石・黒曜石・石斧などの出土品は、

ヒラシロ遺跡公園に併設された資料館に解説を付けて展示されています。

旧天竜市では縄文時代の遺跡は42ヵ所確認されているそうです。

また、縄文時代の終り頃を境にして、それ以後の弥生時代の遺跡は発見されておらず、

山が多い地域では、稲作に適した場所が少ないことから、

弥生文化は定着しなかったと考えられています

  • このエントリーをはてなブックマークに追加