秋葉街道 塩の道(裏参道)・秋葉山 〜 下平山




秋葉街道 塩の道(裏参道)・秋葉山 〜 下平山

秋葉山から下平山まで下る「秋葉街道 塩の道」を歩いて来ました。

今は廃れてしまって歩く人も殆どいないこの道は、秋葉街道の裏参道となります。

その昔、信州方面からの参拝者は飯田・八幡・越久保・和田へと進み、

青崩峠を越えて水窪・西渡と南下し、この下平山から秋葉山へと向かったと言います。

スタートは秋葉ダムから、いつもと違う道を歩きたくて、

戸倉地区 木畠集落から秋葉山の西尾根を登り、秋葉神社 上社へ参拝。

スーパー林道天竜線沿いの尾根に残る秋葉街道を経て、

前不動(下平山への下り口)より周回してきました。

秋葉山(あきはさん)

標高 885m 登山日 2022年12月30日
秋葉神社の総本宮 秋葉山本宮秋葉神社が鎮座
所在地 静岡県浜松市天竜区春野町領家

難易度 ★★    オススメ ★★★ 登山口(ナビ検索) 秋葉ダムサイト駐車場
ダムサイト駐車場(09:54)→秋葉神社 駐車場(11:29)→秋葉茶屋(11:37)→秋葉山(あきはさん)(11:44)→ダムサイト 駐車場(14:17) 所要時間 4時間23分 累積標高 1244m / 1244m 距離 20.5m
■秋葉山(866m)は、静岡県西部の浜松市にある山で、火防の神として全国に知られています。この山は、赤石山脈の南端に位置し、天竜奥三河国定公園の一角であり、山頂付近は樹齢数百年といわれる老杉に覆われ、自然の豊かさでも知られています。山頂からの展望は東海一と称され、浜松市の中心市街、天竜川や浜名湖、そしてはるか太平洋(遠州灘)まで望まれます。
■秋葉山(あきはさん)は、静岡県浜松市天竜区春野町領家に位置し赤石山脈の南端を占める標高866mの山である。 山頂近くには、火防(ひぶせ)の神である秋葉大権現の後身秋葉山本宮秋葉神社があり、秋葉山は同神社の俗称ともなっている。明治以前は秋葉大権現として秋葉社と秋葉寺の両方が存在する両部神道であった。しかし、明治初めの神仏分離・廃仏毀釈によって、秋葉山は神社と寺院とに分離されることとなった。現在は、秋葉神社上社は秋葉山の山頂にあり、曹洞宗の秋葉寺は秋葉山の中腹の杉平にある。 東京都台東区秋葉原の地名由来としても知られている。

遠州(えんしゅう)地方とは旧令制国の遠江国(とうとおみ)一般的には、大井川から西側の範囲湖西市・浜松市・磐田市・袋井市・森町・掛川市・菊川市・御前崎一部(牧之原市・島田市・川根本町)のことを言います。 遠州灘から浜名湖、南アルプス・深南部まで、バリエーションに富んだ山々が多く魅力に満ちた山域です。

秋葉山本宮 秋葉神社 下社 より上社へ、表参道より登ってきました。

秋葉山への表参道は下社から秋葉寺を経て上社へ到りますが、 今回は春野町、「秋葉ダム」のある西川から「秋葉山裏参道」を歩いてきました。「表参道」がメインで登る人も多いですが、「裏参道」は展望や見所はないものの、表参道より常夜灯・丁目石が多く残っており距離も長く歩きごたえがあるルートです。

雲名古道と並行して走る「スーパー林道天竜線」の起点「雲名橋」から表参道へ。県道286号線「鮎釣雲名春野線」気田川沿いを周回してきました。

林道戸倉線 起点

秋葉ダム駐車場よりスタート。

戸倉地区 中島集落「林道戸倉線」の起点、

ここからもスーパー林道へと続いています。

今回は秋葉山の西尾根を使って登ります。

秋葉山 西尾根は第一駐車場から西に伸びる尾根で、

P810の先からは、P710を経由する北周りと

林道瀬戸川線へと続く南周りの二手に分かれています。

共にこの林道戸倉線から取付くことが出来ます。

戸倉地区 木畠集落

林道戸倉線からは林道歩きが長いので

今回はここから木畠・空集落を経て、ショートカットで登ります。

九十九折りの道を登って

戸倉地区 空集落より望む天竜川

林道終わりに生活路が続きます

林道戸倉線

林道戸倉線へ合流

西尾根の南周りから登ることにしました。

すぐここ分岐を右、林道瀬戸川線へ

林道瀬戸川線

荒れた瀬戸川線は複雑に作業林道が交差しています。

取付きから凄い急登の尾根を登ると石碑がありました。

この辺りが西尾根(北周り)との分岐点になります。

P810

P810へ、この辺は歩きやすい道

マーキングも多数あり結構歩かれていそうです。

再度林道へ合流して

秋葉神社の第一駐車場の前に出ます。

「見晴らしの道」「ヤマザクラの道」と書かれた案内板があります。

どうやら西尾根周辺は、以前は散策ルートとして整備されていたようです。

大鳥居

秋葉神社 神門

平成17年に建立された「西ノ閽の神門(にしのかどもり)」

神門の四隅には(青龍・朱雀・玄武・白虎)の四神が施されています。

西ノ閽の神門

御鎮座1,300年記念事業の一環で、スーパー林道沿い参道に造営、

材料は、地元天竜杉を使用。平成17年10月29日竣工

幸福の鳥居

秋葉神社・上社(あきはじんじゃ・かみしゃ)

正式名は秋葉山本宮秋葉神社。日本全国に存在する火防信仰の神社の本宮。標高866mの秋葉山の山頂に位置する。709年に初めて社殿が創建された。江戸時代は全国から秋葉参詣が盛んになり秋葉街道が整備され多くの秋葉灯籠が建てられた。

秋葉街道・塩の道 (常夜灯)

拝殿へと続く階段の手前と社務所の間を「秋葉街道 塩の道」が続いています。

ここから拝殿の裏を回り込むようにして進み、修験道でもあった峰道を辿って行きます。

古道は秋葉神社の第2・第3駐車場の脇を通り、

一旦、スーパー林道天竜線へ

林道は12月17日から2023年3月末まで冬季通行止め。

尾根道を走るスーパー林道は1984年(昭和59年)に建設。

それ以前あった古道は部分的に残っています。

八町の茶屋跡

八町の茶屋跡

秋葉山奥の院口から八町目のこの地に昭和十六年頃まで茶屋があり、峰道や久保田道を往来する人たちの格好の休憩所になっていた。

八町の茶屋跡の常夜灯

秋葉山を中心に放射状に様々な道が存在していました(秋葉古道)

この北へと続く尾根には、その昔、修験道の行場でもあった山住神社へと至る峰道や、

下平山へ下り、塩尻まで続く裏参道(塩の道)、

また、気田川流域の久保田集落へと至る「久保田道」などがありました。

秋葉山への登山道には秋葉神社 下社(坂下)から続く「表参道」の他に、「秋葉ダム」のある(西川)からの「秋葉山裏参道( 戸倉古道)」「スーパー林道天竜線」の起点、(東雲名集落)からの尾根道である「東雲名古道」などがあります。今回は未踏の2つのルート犬居城跡から現在の東尾根を通る「高瀬古道」から秋葉山へ登り、気田川流域の久保田集落からの尾根道「久保田古道」へと周回して来ました。

四十一丁目 常夜灯

P941.53

二等三角点 (久保田) 標高941.53m

本日の最高点には電波塔などの施設があります。

ここから尾根道は寸断されており一旦林道へ

この先に下平山への下り口にあたる前不動があります。

岩岳山方面の展望

秋葉街道 塩の道のモニュメント

旧 春野町と旧 佐久間町の境に「前不動」

ここから秋葉街道 塩の道は二手に分かれます。

一方は尾根道を山住神社へ、今回歩く道は下平山へと続く道です。

信州方面からの秋葉講は青崩峠を越え、

水窪・西渡と南下して下平山から秋葉山へと向かいました。

天竜の森から「竜頭山・天神山・ラクダ山」と登り、秋葉街道(塩の道)に残る遺構などを巡り、秋葉山奥之院へ立ち寄りました。

前不動

前不動

ここから秋葉道は下平山へ下る道と山住へ向かう峰道に分かれる。二体ある石仏の右が聖観音菩薩で左が不動明王

前不動の裏に「秋葉街道 塩の道」が続きます。

道は良く踏まれており所々に「秋葉街道 塩の道」の立て札があります。

この「秋葉街道 塩の道」の立て札は「秋葉道・塩の道踏査研究会」が

1998年に古道沿いに438枚設置したものです。

常夜塔 丁目石を発見

前不動から下平山までには19の丁石があるそうですが、今回9体確認出来ました。

文字が薄く読めません、見つけたものは撮影して来ました。

第十四丁目

第十三丁目

枯れ沢を2度渡ります

橋は壊れていますが、巻道が存在します。

第十一丁目

第十丁目

第九丁目には灯明皿付き

第八丁目

最後も埋まっていて読めません

この辺りから作業林道で分断されているため正確なルートは不明です。

山中には石垣や炭焼き跡なんかも残っていました。

下平山地区 千代集落 八幡神社

お正月の飾り付けがされている八幡神社。

秋葉街道はこの神社を通るそうです。

神社の鳥居を退けた先のお宅へ

この辺に一丁目の丁石があるそうですが、探すことが出来ませんでした。

「秋葉街道 塩の道」の案内板を見失い探すと、

茶畑の小道へと続いていました。

千代集落より 正面に小仏山(802m)と丸山(937.3m)

ハカサ山(775.1m) カシ山(564.1m)

廃屋や畑跡の石垣が沢山残っています。

今回はここで秋葉街道とお別れして、

瀬尻橋を目指して下ります。

(左)日入沢部落 (右)秋葉山に至る

道なりに歩き、瀬尻橋近くの此処に出てきました。

瀬尻橋

静岡県道285号「大輪天竜線」を戻ります。

天竜川に掛かる吊り橋「峰之沢橋」

秋葉ダム湖

瀬尻橋から約7km

ようやく秋葉ダムが見えてきました。

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